ベストイレブンに選ばれ笑顔の((右)から)闘莉王、楢崎、藤本=横浜市港北区の横浜アリーナで(沢田将人撮影)
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Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウオーズ」が5日、横浜市の横浜アリーナで行われ、名古屋グランパスからベストイレブンにGK楢崎正剛(35)DF田中マルクス闘莉王(30)MF藤本淳吾(27)FWジョシュア・ケネディ(29)と、優勝した柏と同数の4選手が選ばれた。リーグ3位の15得点を挙げ、柏をJ1復帰初年度の初優勝に導いたMFレアンドロ(28)が最優秀選手(MVP)に輝いた。
◆藤本、来季は開幕から全開!!
藤本は緊張した面持ちながら胸を張ってベストイレブンの列に加わった。ユニホームが変わっても藤本に対する評価は変わらなかった。「予想もしていなかったのでびっくりした。でも選手間で選ばれたことは光栄」と、清水で初受賞した昨年に続く栄冠に相好を崩した。
新たな挑戦の年だった。自身の成長を求めて、筑波大4年の特別指定選手時代を含めると6年間を過ごし愛着のあった清水を出た。「エスパルスがどうだったというわけではなく、全体的にいい1年だった。優勝できればもっと良かったけど」。3日のJ1最終節で優勝を逃した後、藤本は手応えも感じていた。
「(移籍して)環境が変わり、最初の半年はなかなか自分を出せなくて大変だった」。シーズン序盤は慣れないボランチを務めたこともあり、得点も伸びなかった。それでもけがによる戦線離脱なく、欠場は累積警告による出場停止の1試合だけ。日程の厳しくなった7月以降に7得点、終わってみれば9得点を挙げていた。精度の高い左足のキックはグランパス最強の武器であるセットプレーでも相手の脅威になった。
激動の1年を締めくくったご褒美に、ベストイレブン受賞が待っていた。しかし満足はしていない。「あと1点取れば10得点できたし、あと1つでアシストも10になった。来年は(シーズンの)頭から中盤でタマ(玉田)さんとゲームをつくっていく」。優勝を実現して、この先もスポットライトを浴び続ける決意を新たにしていた。 (伊東朋子)
◆楢崎、コナンと共演!?
MVPとダブル受賞した昨年に続いて6度目の選出となった楢崎は「正直、僕ではないと思っていた」と意外な受け止め方。故障で10試合欠場したものの、絶大な存在感が反映された。Jリーグのコラボで「名探偵コナン」に声優で登場することも決まり「遠征にはDVDを持っていくほどコナンが好き。初挑戦を楽しみたい」と乗り気だった。
◆闘莉王、増川たちに感謝
連覇を逃したものの8年連続8度目のベストイレブンに選ばれた闘莉王は「大変なシーズンだったけど楽しかった。マス(増川)をはじめ、熱いシーズンを戦った仲間に感謝したい」とスピーチ。優秀選手には入ったものの2年連続ベストイレブンはならなかった増川も「え、オレのことって、すぐに気づかなかったけど、うれしいですね」と喜んでいた。
◆ケネディ、黄金シューズ「両足そろった」
Jリーグ史上2人目の2年連続得点王となったFWケネディは、3日の新潟戦で持病の腰痛が悪化し、授賞式を欠席。会場にはゴールシーンの映像が流れた後、主将のGK楢崎が「得点王と対極にあるポジションの私がコメントを紹介します」と、代理を務めた。
ケネディは欠席を謝罪し、チームメートやストイコビッチ監督らスタッフ、家族らに感謝した。「昨年に続いて、ゴールデンシューズをもらえるということで、両足分そろった。来年はこのスパイクで試合に出たいと思います」。得意のジョークを交えたコメントは、楢崎の情感たっぷりの代読スピーチと相まって会場を沸かせた。
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