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【プロ野球】

DeNA、工藤氏と破談 高田GMと対立

2011年12月6日 紙面から

横浜DeNAベイスターズとの監督就任交渉が打ち切りとなり記者会見する工藤公康氏=横浜市内で(佐藤哲紀撮影)

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 横浜DeNAが、超ドタバタ、超グチャグチャの船出となった。横浜市内の球団事務所で5日、記者会見を開き、ゼネラルマネジャー(GM)に高田繁氏(66)が就任、2年契約を結んだと発表したが、監督就任を要請していた元西武の工藤公康氏(48)と合意に至らず、交渉を打ち切ることも併せて発表された。コーチ人事などをめぐって高田GMと工藤氏が対立し“破談”となったもようだ。監督問題は急転白紙に。早急に人選を進めるが、別の候補者だった桑田真澄氏(43)はそっけない反応をするなど、八方ふさがりに。お先真っ暗のスタートだ。

 午後3時から始まった高田新GMの就任会見。本来なら晴れやかな舞台となるはずが、一瞬のうちに凍り付いた。会見の冒頭では「新監督が思う存分力を振るって、優勝争いできるチームづくりをしたい」などと語っていたが、新監督に関する質問が出ると、衝撃的な事実を口にした。

 「候補として要請した人と監督とGMの信頼関係を築けなかった。この時点で、交渉を断念することにしました」

 新球団DeNAの初代監督候補として一本化してきた工藤氏への要請を取り下げ、白紙に戻すというのだ。

 急転白紙となった理由は、コーチ人事をめぐる対立のようだ。関係者によれば、高田GMはヘッドコーチとして元横浜監督の山下大輔氏、投手コーチに元巨人コーチの鹿取義隆氏らの招へいを考えた一方、工藤氏は元広島監督の達川光男氏をヘッド格として呼ぶことを希望。このほかでも、編成の権限などさまざまな意見の相違が生じ、折り合いがつかなくなった。

 対立は深刻だったようで、ここ1、2週間、高田GMは本紙の取材に対し、「本当に工藤に決まると思う? (報道は)大丈夫か」と語ることもあった。工藤氏も11月末ごろ、周囲に「オレは絶対に受けない」と漏らすこともあったという。そしてついに4日夜、高田GMは春田オーナーに工藤氏との交渉打ち切りを連絡。了承を取りこの日の昼に工藤氏と会い通告した。「工藤さんも譲ってはくれた。ただ、最後の決定権はGMにあるということ」と高田GMは話した。

 工藤氏は監督候補として一本化されたことが表面化して以来、報道陣の取材に応じ野球論を展開してきた。この日も横浜市内の自宅近くの喫茶店で対応。「捕手の育成は時間がかかる」などと話していた直後に携帯電話が鳴り、昼に高田GMと会う約束を取ったもよう。そこで、交渉打ち切りを通告された。

 高田GMの会見後は午後7時近くまで会議が行われた。監督人事は今後も高田GMに一任することも確認。春田オーナーは「高田さんがいいといった方に僕らはノーと言わない。年齢のことを言ったことはない」と語った。全面的に任される高田GMは「焦りはありますよ。この時期ですから。一日も早く決めないと」。頭の痛い船出であることは間違いない。

 

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