児童ポルノ:「廃棄命令」盛り込む京都府規制条例案可決

2011年10月8日 10時22分

 京都府児童ポルノ規制条例案が7日、府議会本会議(定数60)で可決された。実効性を高めるため、罰則適用の前段階となる「廃棄命令」を盛り込んだのは全国初。強制力はないが、府による「立ち入り調査」も規定した。命令や罰則規定は来年1月から適用される。

 18歳未満の性交、または類似行為などが写った児童ポルノの画像や動画が対象。廃棄命令に従わない場合は罰金刑(30万円以下)を科す。被写体が13歳未満で、有償取得した場合は、命令なしで罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)を適用する。児童買春・児童ポルノ禁止法では処罰されない「単純所持」も対象となる。

 奈良県では小1女児殺人事件を受け、05年に「子どもを犯罪の被害から守る条例」を制定し、13歳未満の児童ポルノの単純所持を禁じた。しかし、知らないうちに送りつけられた場合など、えん罪を生む恐れも指摘されている。このため京都府条例は、命令前に本人の弁明を聞く「聴聞」の手続きを規定した。

 立ち入り調査は、児童ポルノを「所持していると認められる者」が対象で、府職員が行う。府青少年課は「実際には、警察の捜査や被害者からの相談で所持が確実な場合に限られる」としている。

 共産党府議団(11人)は「当局の恣意(しい)的な運用で人権侵害の恐れがある」として条例案に反対した。【入江直樹】

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