明治 粉ミルクから放射性物質
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明治 粉ミルクから放射性物質

12月6日 15時39分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

大手食品会社の「明治」は、製造・販売した乳児用の粉ミルク、「明治ステップ」から1キログラム当たり最大で30.8ベクレルの放射性セシウムが検出されたことを発表しました。これは、国の暫定基準値を下回っていますが、会社では製品およそ40万缶を対象に無償で交換することにしています。

発表によりますと、無償交換の対象になるのは、乳児用の粉ミルク「明治ステップ」850グラム缶です。明治によりますと、先月、消費者から「粉ミルクに放射性物質が含まれているのではないか」という指摘を受けて調査したところ、製品の一部から、1キログラム当たり最大で30.8ベクレルの放射性セシウムが検出されたということです。これは、「牛乳・乳製品」についての国の暫定基準値、1キログラム当たり200ベクレルを下回っていますが、会社では放射性セシウムが検出された製品が出た製造期間のおよそ40万缶を対象に無償で交換するとしています。対象となるのは、缶の底に記されている賞味期限が2012年10月の3日、4日、5日、6日、それに21日、22日、23日、24日となっているということです。会社によりますと、原料の脱脂粉乳は、すべて東日本大震災の前に生産されたのもので、一部は北海道産ですが、大半はオーストラリアなどオセアニア地域から輸入されたものだということです。一方、今回、交換の対象となる製品は、埼玉県春日部市の工場で震災後のことし3月14日から20日までの間に加工されたということです。このため明治では「原因は特定できていないが、工場で外気を取り入れて乾燥させる加工工程で、東京電力福島第一原子力発電所の事故による大気中の放射性セシウムが入り込んだ可能性がある」と話しています。

これについて、農林水産省は「粉ミルクの原材料となる脱脂粉乳はほとんど海外から輸入されたもので、原材料から放射性物質が混入した可能性は低い。粉ミルクの製造過程で放射性物質が混入した可能性があるが、明治から聞き取りを行うなどして原因の把握に努めたい」と話しています。

国内で乳製品を製造・販売しているメーカー各社で作る日本乳業協会によりますと、粉ミルクについては各社が独自に放射性物質のサンプル検査を行っていますが、今回のケース以外に放射性物質は検出されていないということです。このほか、自治体が7月から8月にかけて6社の12種類の粉ミルクについてサンプル検査を行いましたが、いずれも放射性物質は検出されなかったということです。今回、粉ミルクから放射性セシウムが検出されたことについて、厚生労働省は「原因は分からないが、暫定基準値を大幅に下回る数値なので健康に影響はないと考えている。消費者の関心が高い製品なので、会社側には丁寧に対応してほしい」と話しています。粉ミルクなどの乳児用食品の基準値を巡っては、子どもは成人より放射線の影響を受けやすいと指摘されていることから、厚生労働省は、大人より厳しい別の基準値を今月末までに新たに設定することにしていて、現在、審議を進めています。

この問題に対する問い合わせについて、明治は、「明治お客様相談センター」(0120-077-369)で、平日の午前9時から午後5時まで受け付けているということです。