洪水で深刻な被害を受けたタイで国民から絶大な尊敬を集めるプミポン国王が84歳の誕生日を迎え、国民が一層団結して、被害を乗り越えるよう呼びかけました。
タイのプミポン国王は、5日、84歳の誕生日を迎え、首都バンコクの王宮前には国旗を手にした数千人の市民が集まり、入院先の病院から車で王宮に入る国王を出迎えました。プミポン国王は、宮殿のバルコニーで演説し、深刻な被害をもたらした洪水について「多くの国民が困難に直面している。今こそ共に手を取り合い、この危機を乗り越えよう」と呼びかけました。タイの洪水では、600人以上が死亡したほか、経済的にも甚大な被害を受けました。国王は「国民は対立するのではなく、互いに励まし合い、助け合わなければならない」とも述べ、洪水への対応などを巡って激しさを増している政治的な対立をいさめるねらいがあったものと受け止められています。ただ、在位65年を迎えたプミポン国王は、2年以上にわたって入院を続けていて、5日の演説も小さく、かすれた声でゆっくりと原稿を読み上げ、市民の間では国王の健康を心配する声も聞かれました。