六本木の老舗クラブ　どうして摘発されたのか

　未明の捕物劇に繁華街は騒然だった。踊る方の有名クラブが突然、摘発されたのだ。

　警視庁は２７日未明、東京・六本木の人気クラブ「ガスパニックバー」と「ＣＬＵＢ９９」を無許可営業で摘発し、経営者の脇田英徳容疑者（３６）と、西端文規容疑者（３５）を現行犯逮捕した。当時、たまたまガスパニックバーの周辺にいた遊び人サラリーマンが言う。

「午前２時前だったと思いますが、店内には１００人近い客がいたようです。警察の手入れを受けて、看板通りパニックになっていました。ガスパニックといえば、六本木のクラブの中でも老舗中の老舗。それが摘発というので、最初は薬物か暴力団排除条例の関係かと思いましたよ。もう２０年くらい前からあるのに、無許可営業だったなんて、信じられません」

　経営者の脇田らは、風営法のいわゆるバー営業の認可でダンスクラブを営業していた。バー営業の場合、深夜まで酒の販売はしてもいいが、店内にダンスフロアを設けて客を踊らせることはできない。一方、ディスコ営業のライセンスがあれば、店内で踊ることが可能なのだが、その代わり深夜１時までしか営業できないというジレンマがある。

　実は、「ＣＬＵＢ９９」は、０９年にも無許可営業で摘発されている。その後も、店の入り口に防犯カメラを設置し、見張り役を置いて、警察官の姿が見えると音楽を消すなどして摘発逃れをしてきた。確信犯なのだ。

「ガスパニックと９９は明け方まで営業している上、入場無料でドリンク代も５００円程度と安いので、お金がない若者のたまり場でした。最近は、中東や東南アジア系の不良外国人がたむろしていて、ちょっと近寄りがたい雰囲気もありましたね。近隣からの苦情があったのかもしれません。騒音の問題もあり、クラブの摘発は増えています。無許可営業のクラブはゴマンとありますが、ガスパニックは有名だし、警察からの再三の指導を無視したので、悪質とみなされ、見せしめにされたのでしょう」（風俗ジャーナリスト）

　オジサン族には「？」の事件だが、風俗関係、最近やたらと寂しくなっている。

（日刊ゲンダイ2011年11月29日掲載）