ここから本文エリア

現在位置:asahi.comマイタウン福島> 記事

砂中や河口でセシウム高濃度 いわきの砂浜

2011年12月02日

●環境団体「山間部から集まっている恐れ」

 いわき市の海岸で23年前から環境保全に取り組んでいる「いわき地域環境科学会」(会長=橋本孝一・福島高専名誉教授)は1日、砂浜の汚染状況の調査結果を発表した。市南部より北部の砂の放射性セシウムの濃度が高く、砂中40〜50センチに汚染が集まっている傾向がみられたという。

 4月29日〜10月13日に久之浜―勿来海岸の11カ所で、主に波打ち際と波が来ない陸地部の2カ所ずつ、深さ10センチ刻みで検体を採取。福島高専の食品放射能測定器で1キロあたりのセシウム134と137を測って合算した。最も高かったのは5月26日、永崎海岸の深さ25〜30センチで測った4040ベクレルだった。深さに応じて空間線量も測った。

 永崎海岸の場合、7月31日の調査だと、波の来ない場所は表層が200ベクレルで、10センチより深い砂は検出不能(30ベクレル以下)。波打ち際は表層で453ベクレルだったのが、深さ40センチの732ベクレルまで数値が上がり続けた。

 時間経過と共に変化もみられ、波打ち際は10月8日の調査で、表層は121ベクレルに下がり、60センチまでほぼ500ベクレル以下だったが、70センチで2046ベクレルに急上昇。この付近にセシウムがたまっている様子が確認された。

 橋本会長らは「海水の来ない場所は内陸部と同様に汚染は地表だけだが、波打ち際はセシウムに汚染された海水が染みこんだ」と推定した。汚染部位の変化については「浅い砂中は新しい海水で洗浄されたが、砂中のセシウムはそのまま残ったり、表層から下ったりしたとみられる」という。

 一方、8月28日には夏井川の水辺5カ所の土壌も調査。市内最上流部で60ベクレルだったのが、下るにつれて数値が上がり、河口では607ベクレルに。橋本会長は「山間部などの放射性物質が川の流れで河口に集まっている恐れがある」とした。(西堀岳路)

PR情報
朝日新聞購読のご案内

ここから広告です

広告終わり

マイタウン地域情報

ここから広告です

広告終わり