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ライフ
【from Editor】自転車はみな同じではない
幅3メートル未満の歩道を、自転車が通行できなくなるらしい。警察庁がまとめた自転車交通秩序の総合対策のひとつだ。
これまで、自転車は幅2メートル以上の歩道ならば通行が許されていた。だが、ここ数年、自転車が加害者となる事故が急増したことから、「自転車は車両」「歩道は歩行者優先」をあらためて徹底するのだそうだ。そこには近年横行している、ブレーキのない競技用自転車などの普及もあるようだ。
だが、ちょっと待ってもらいたい。この案が決まれば、歩道の幅が3メートル未満だと、自転車は車道を走らなくてはならなくなる。しかし、それはかえって自転車を危険にさらすのではないか。
まず頭に浮かぶのは、幼児を前後のシートに乗せて走る3人乗り自転車である。若いお母さんが、前後の幼児に気を使いながら、自転車をこいでいるのを見ると、はらはらしてしまうが、それが車道を走るとなると、考えただけでも恐ろしい。
以前、3人乗り自転車は危険だから、禁止しようという案があった。だが、「では幼児2人を抱えている家庭の主婦は買い物に行けないのか」「幼児を家に置いて買い物に行けば、残された幼児に何かあったときどうするのか」「幼稚園への送迎は?」などといった批判の声があがり、3人乗り自転車の安定性をより高めることで認められることになった。官僚が現場の事情を考えず、ひたすら事故による犠牲者の数を減らすためにどうしたらいいか、ばかりを考えた典型的な現場無視の案であった。
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