2011. 11. 23  
「浅田選手との対決が楽しみです」と題し、「スポーツ・エクスプレス」紙にアデリナ・ソトニコワ選手のインタビュー記事が掲載されていましたので、ご紹介いたします。

ソトニコワ選手2011年中国杯フリー「愛の夢」より


http://winter.sport-express.ru/figureskating/reviews/17983/
2011年11月22日「スポーツ・エクスプレス」紙より

インタビュアー:マリヤ・ニクラシュキナ

モスクワでの「グランプリ・シリーズ」を控え、シニアのチャンピオンシリーズにデビューした15歳のロシアのフィギュアー選手アデリナ・ソトニコワは、「スポーツ・エクスプレス」紙記者らの質問に答えた。

中国杯で、ソトニコワは、イタリアのカロリーナ・コストナー、アメリカの長洲未来に敗れて3位となった。ソトニコワは、ジュニアからシニアへ移行するその難しさを語ってくれたほか、出来ることの全てをモスクワで見せると約束した。そして、彼女のあこがれの選手、浅田真央選手と氷上で会えるのを楽しみにしていることを打ち明けてくれた。

-今回、初めてモスクワで行われる試合に出場するんです。以前、モスクワのグランプリ・シリーズに参加した時は、エキシビションでしたから。中国杯での3位と言う結果には満足していますが、スケーティングには満足していません。母国、モスクワでの試合では、全く緊張せずに、出来ることの全てを見せるつもりです。モスクワで行われる試合に出場できてとてもうれしく思います。

今年は、シニアに参戦する最初のシーズンですね。その印象を教えてもらえないでしょうか?ジュニアとシニアのレベルの差を感じますか?

-ええ、感じますね。それがどういうことからくるのか分かりませんが、中国杯では非常に緊張しました。特に、ショートプログラムの前に。ジュニアの試合では、そういうことはありませんでした。モスクワでは、(中国杯とは)状況は異なるでしょう。と言うのも、シニアの「グランプリ・シリーズ」がどのようなものであるのかわかりましたし、ジュニアと同じようにそんなに恐ろしいものではないことがわかりましたから。
ご家族や親せきのみなさんが観客席にいらっしゃって却って負担にはなりませんか?

-いいえ、彼らは、ただ心のサポートをしてくれるだけです。なんといっても、場所はモスクワで、私の家のようなものですから。もちろん、家族も親戚も私のことを応援してくれるでしょう。学校の友人たちも。

欧州選手権や世界選手権に、まだ出場資格がないという事実にがっかりしていませんか?

-そんなに悪いことだとは思いません。次の「欧州選手権」の前にまるまる1年も練習する時間があるのですから。新しいエレメント、新しいコンビネーションを練習します。更に1年練習できるのは、かえって良いことだと思います(笑)。

シニアのロシア選手権に初出場したときと、シニアの国際試合に初出場する現在のどちらが、あなたにとって、大変なことですか?

-今です。

それは、あなたについて、世界のフィギュアスケート界の新星だと、長い間言われ続けてきたことと関係していますか?

-恐らく、シニアの国際試合の初戦だったことに恐怖感を抱いたのだと思います。それは、本格的な第一歩を踏み出すことですから。その上、私のことを、ロシアフィギュアスケート連盟もロシア中も期待しているわけですから(微笑)。その期待を裏切りたくなかったんです。

世界中の専門家が、あなたがリンクに出てくるのを本当に待っており、しっかりと目を凝らしてあなたの演技を見るのでしょうが、それを意識されたことはありますか?

-ええ、当然そのことはいつも心にありました。ただ、あまり意識しないように努めました。あらゆる事には、少しずつ近づいて行かなければならないと思うからです。

中国では、コストナー選手と長洲選手に敗れましたが、モスクワ杯でのライバル選手について教えてください。

-モスクワ杯も強豪選手が揃っています。浅田真央選手らをはじめとして。ただ、私は敢えて彼らを意識しないようにします。私は私だからです。まずは、自分に打ち勝たなければなりません。落ち着いてリンクに立ち、立派に演技をしなければなりません。

浅田選手は、あなたのお手本だったと耳にしたことがあります。今回、同じ氷上で浅田選手とどのような競争を繰り広げることになるでしょうか?

-浅田選手は、本当に私の憧れの選手です。だから、彼女と同じリンクで演技することをとても楽しみに思っています

今、浅田選手から何か学ぶべきことはありますか?

-彼女は、闘士です。昨シーズンは、浅田選手にとって、あまり良いシーズンとなりませんでした。しかし、力を集中させて準備をし、できることの全てを見せてくれました。彼女は、よくやったと思います。自分に打ち勝ったのですから。だから、私も同じように自分に打ち勝ちます。自分のしていることに満足感を得なければならないと思います。
うまく行くでしょうか?

-もちろん!(微笑)

スケート・カナダとエリック・ボンパール杯でのエリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手の演技を見ましたか?

-もちろんです。彼女はよくやったと思います。彼女は闘士です。集中し、恐れることなくリンクに立って、全てをやり遂げました。大変うれしく思います。私も同じように落ち着いて自分のエレメントを全てこなそうと思います。リーザともアリョーナ・レオノワ選手とも大変親しいんです。リンクの上では、競争相手ですが、リンクを離れると私たちは普通の人ですから。

最近、ずいぶん大きくなられたように思うんですが。演技の妨げになりませんか?

-よくその質問をされますが、大きくなったかどうか、私自身が気付いていませんでした。全て自然のことですから。これまで練習してきたように、練習しています。普段やっていることをやっているだけです。

あなたが成長したことに、コーチ、エレーナ・ブヤノワはどのくらい大きな役割を果たしているのでしょう?

-エレーナ・ゲルマノヴナ(訳注:敬意を払ったコーチへの呼びかけ)は、大変サポートしてくれます。私が落ち着いて心地よく練習できるそんなコーチです。私の第二のお母さんのようです。今後も私たちは全て順調でしょう。

以上
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No title
パグ犬もも様、今日は。

パグ犬もも様が見事に訳出してくださる「ロシア便り」は、日本のフィギュアファンには有り難いプレゼントです。(マスコミの情報はしばしば「加工」されるので、信用度がイマイチ^^;)

ソトニコワ選手の生のコメントが素敵ですね(#^.^#)
インタビューに対する受け答えがまるで大人みたいに落ち着いていますね。
トゥクタミシェワ選手もそうですが。

一つ、興味がひかれた箇所がありまして、お聞きしたいことがあります。
ソトニコワ選手の浅田選手とトゥクタミシェワ選手の演技に対するコメントで、
「彼女はよくやりました」について。

これはロシアではごく普通の言い回しなのでしょうか?
あるいは日本語訳の難しい微妙な言い回しなのでしょうか。

どこか、コーチが言うようなセリフにも聞こえちゃいますね(^<^)
例えば今井遥選手が浅田選手の演技について「彼女はよくやりました」と言ったら、凄いことに(^。^;)
片割月さま
片割月さま

コメントどうもありがとうございました。そして、なかなか鋭いご指摘のご質問をどうもありがとうございました。

ご指摘の「よくやりました」ですが、「molodets!」(マラデェツ!)と原文にあり、片割月さまご指摘の「ロシア語でのごく普通の言い回し」の褒め言葉になります。ただ、片割月さまの鋭いご指摘、「どこかコーチが言うようなセリフ」として、良くリンクサイドで耳にするのも確かです。例えば、モスクヴィナが川口選手に対し、或いは、タラソワが浅田選手に対してなどなど。(その場合は、「マラッツィ!」と同じ言葉なのですが格変化したものを多く耳にしますが)気になったので、スカイプでモスクワに住むロシア人に確認したところ(スカイプなのでただなので・・・笑)、年齢を問わず使える「よくやった」「素晴らしい」という一般的な表現だそうです。

ちなみに、記事の後半で、ソトニコワがトゥタミシェワをほめているところ「彼女はよくやりました」がありますが、全く浅田選手の場合と同じ単語を使っています。

片割月さま、このようなご質問大歓迎です。何より、私の勉強になりますし、ロシアの友人と交友を温め直す良い機会になりますので!

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

片割月さま
片割月さま

度々失礼します。

「よくやりました」では、やはり上から目線のような言葉に聞こえますので、「よくやったと思います」と変えてみました。(あまり変わらないかもしれませんが・・・)
なかなかうまい表現が見つからず、どうもすみません!



No title
おふたりの会話、とても興味深いものがありました。

今週末はいよいよ舞台はロシアですね。
今回は「愛の夢」直接対決がありますので、
真央ちゃんも絶対にそのことを聞かれるはず。
私たちが日本語で聞くであろう(何だか硬い言い方 (笑)
真央ちゃんのインタビューでの
受け答えがロシアのメディアで紹介されると思います。
当然のことながら、ロシア語に訳されたものが。
ロシア語に訳されたものと、日本語で私たちが耳にする真央ちゃんの受け答えのニュアンスが比較できますね。

楽しみです。
No title
パグ犬もも様。

私の勝手な質問に対し、わざわざネイティヴスピーカーに確認までされたとは…。
ご丁寧にありがとうございましたm(__)m

英語⇔日本語でもよくあることですが、一見すると簡単なそうなフレーズを日本語に移そうとすると、これが意外と手強い場合がありますね。

上記の例は英語訳にするならば、
She did very well.
で簡単に済むところを、日本語の場合は上下関係など場合に応じて訳を変えなくてはならず、実に面倒ですね。

まさに、パグ犬もも様の翻訳作業の大変さが偲ばれます。
上記の訳の一部と、ロシア語のニュアンスについて以前にもご了解頂いたように、浅田ファンの多い某ブログに転載をしたく、ご了解をお願いします。
あいさま
あいさま

コメントどうもありがとうございました!

モスクワでの「愛の夢」直接対決、楽しみですね。
ロシアメディアによる浅田選手へのインタビュー記事に注意していたいと思います。
もし、私が見逃していたら、あいさま、教えてくださいませ。

パグ犬もも

片割月さま
片割月さま

ご連絡ありがとうございました。稚拙な訳文ですが、ブログへの転載の件、ありがとうございます。
タイミングよく間に合いますように。




管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
感謝しています~。
パグ犬ももさま

こんばんは♪
ブログ復活後、翻訳&更新作業を頻繁にしていただき感謝です!
ですが、くれぐれもご無理のないようになさってくださいね。


痛くて歩けなかったのに一度は歩けるほどまで
驚くべき回復を果たされハードなお仕事にも従事されたももさまはスゴイです~。


ももさまなら必ず再びお元気になりご自分のやりたいことができると信じています。
ブログの更新は大変嬉しいですが、
ももさまの健康回復第一で宜しくお願いします~。


ソトニコワ選手の人となりがわかるインタビュー、ありがとうございます!

競技で勝つためには技と芸術性を磨き、
体調をベストに保つことが最重要ですが、
それに加え、ものの考え方、心のあり方の成熟度が伴うと鬼に金棒。
片割月さんもおっしゃっていましたが、
トゥクタミシェワ選手にしてもソトニコワ選手にしても
若干14,5歳の少女と思えないほど落ち着いていて~。
彼女達の強さの秘密がわかるような気がします~。
心技体と言いますが、まさにその通りですね。
ソトニコワ選手の
「私は私・・・まずは、自分に打ち勝たなければ・・・」。
深い言葉ですね~。
悟ってます、この年齢で。だから強いんですね。
何かと戦う前に自分に打ち勝つことが大切。

今さらですが、15歳の少女に教えられました。


ソトニコワ選手が浅田選手やトゥクタミシェワ選手のことを
「闘士」と表現していましたが、まさにその通り、言い得てます~。
そしてなにより、彼女自身が「闘士」なんでしょうね。
志の高い優れた選手だと思います~。


ロシア勢の活躍で女子シングルはますます面白くなり
さらに目が離せなくなりそうです。
明日いよいよ迎えるモスクワ杯も楽しみです~。


貴重なインタビューをご紹介下さり、本当にありがとうございました!


マロンさま
マロンさま

大変ご無沙汰しておりました。コメントをどうもありがとうございます!

いつも丁寧にブログを読んで頂き感謝しております!

マロンさまもお身体にお気を付けて、お仕事ご活躍くださいませ。

明日から、モスクワ杯、楽しみですね!

タラソワコーチインタビューについて
始めまして。アメブロでブログやってる琥珀と申します。
ブロ友様にこちらを教えていただき、お伺いしました。

タラソワコーチのインタビューがロシアのサイトに掲載されてるのですが、翻訳にかけてもイマイチ理解が出来ません。
お手数ですが、翻訳をお願いできないでしょうか?
ロシアサイト
http://winter.sport-express.ru/figureskating/reviews/18018/

また私のブログはこちらです。
http://ameblo.jp/mata-ri-kohaku/

身勝手なお願いで申し訳ありませんが
よろしくお願いいたします。
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プロフィール

パグ犬もも

Author:パグ犬もも
ご無沙汰してます。パグ犬ももです。少し体調を崩してしまい、更新ができずにいました。大変申し訳ございませんでした。ヴァイツェホフスカヤさんの「氷上の涙」、前に進んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いします!

「氷上の涙」著者ヴァイツェホフスカヤ女史のご紹介
氷上の涙 1958年3月1日生。リボフ(現在のウクライナ)生。ソ連のスポーツ選手。1976年のモントリオールオリンピックで、女子10メートル高飛込で金メダル。1976年ソ連スポーツ功労賞。ソ連国立中央体育大学を卒業。優秀スポーツジャーナリストに選出。2005年、初のニコライ・オゼロフ賞(スポーツ・体育競技の振興に貢献した人々に贈られる)を受賞。なお、父セルゲイ・ヴァイツェホフスキーは、元水泳選手。
「氷上の涙」のご紹介(裏表紙より)
オリンピックの金メダルは、得てして、人の一生を台無しにしてしまう。選手であろうと、コーチであろうと、メダルを取る前も、取った後の人生も。選手らは、金メダルを目指して、超人的な努力と大きな目標を求められる。一方、第二の人生が始まると、二番手に甘んじることに、耐えられない。選手たちは、いかなる犠牲を払って勝利をつかむのか?なぜ、一番強い人が、必ずしも一番になれないのか?プロに転向後、フィギュア選手のキャリアはどのように形成されていくのか?「スポルト・エクスプレス」紙の評論員エレーナ・ヴァイツェホフスカヤが、最も美しいスポーツ競技フィギュアスケートの裏側を明らかにする。
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