ドネペジルで70%が3か月以内に改善!?


2000.10.19 Medical Tribune

第19回日本痴呆学会

 愛知県厚生連海南病院老年科の河野和彦部長らは、
痴呆症患者221例(年齢50〜96歳、94%がアルツハイマー型または混合型)に、
ドネペジルをできるだけ長期に内服してもらい、効果と安全性を7か月にわたって
検討した。
半数近い症例では、脳代謝改善薬またはイチョウ葉エキスを併用した。

 まず、家族の印象を調べた結果、123例(56%)が「改善した」と評価された。
その他の症例に対して改訂長谷川式痴呆スケールなどの客観的評価を行ったところ、
9例で改善が見られ、計132例(60%)が改善と判定された。
うち96例(73%)は3か月以内に改善が見られた。
また、ドネペジルの維持量は1日5mgの症例が89例(67%)を占めた。
改善機能は91例(69%)が前頭葉機能、23例が側頭葉機能のみ、
12例が運動機能。病型別の改善率はピック病が75%と最も高かった。
アポEアイソフォーム別の改善率は、E2/E3:100%、E3/E3:72%、
E4/E4:54%、E4/E3:48%で、痴呆のリスクとされるアポE4を
持たない群で高かった。

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