日本テレビが11月30日夜に生放送した音楽番組「日テレ系音楽の祭典 ベストアーティスト2011」で、収録したシーンの映像を、生放送のように演出したことが1日、同局への取材で明らかになった。番組は午後7時から同9時54分まで千葉・幕張メッセで生中継されたが、一部出演者の映像が11月17日に都内の同局スタジオで収録されたものだった。

歌手の平井堅、3人組アーティスト「いきものがかり」が出演した場面は、11月17日に都内の日本テレビで事前に収録されたものだった。

平井堅は11月30日の当日に大阪城ホールでライブを開催していた。しかし番組では、総合司会を務める嵐の櫻井翔が「平井堅さんは日本テレビGスタジオです。森さーん」と呼びかけて、同17日に収録した映像内で森麻季アナウンサーが対応した。

さらに、平井と森アナの会話にうなずく櫻井の映像が画面右下に流れ、歌唱中は画面左上にパラボラアンテナのようなマークを出すなど、生中継と思わせるような演出で放送をした。

同局総合広報部は「番組全体としては生放送をしておりましたが、視聴者の皆様に楽しんでいただくための演出だった。このことに不快の念を抱かれた方がいらっしゃったとすれば、遺憾です」とコメント。しかし、一方では「生放送と見せようとはしていなかった」とも説明している。

放送関係者からは「生放送の臨場感を出すため、収録と表示せず、VTRを放送することはある。『疑似ナマ』という言葉があるくらいだから。しかし、事情によっては過度な演出と指摘される危険もあるだろう」といった声も聞こえた。

同番組は平均18・1%の高視聴率を記録。同時間帯の他番組を圧倒していた。

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