中国:「孔子世界平和賞」創設発表も停止 対応が二転三転

2011年10月6日 19時54分 更新:10月6日 21時4分

 【北京・工藤哲】中国紙「新京報」は6日、中国文化省の関連団体が、世界平和に貢献した組織や人物を表彰する「孔子世界平和賞」を創設したと伝えた。しかし団体側は同じ日の午後、「(賞に関する)一切の活動を停止した」と発表。中国ではノーベル平和賞に対抗して昨年「孔子平和賞」が作られたが活動を中止しており、中国側の対応が二転三転している。

 報道によると、「孔子世界平和賞」は文化省の関連団体「中華社会文化発展基金会」が創設。戦争や暴力行為をやめさせたり、核兵器などの大量破壊兵器を減らすことに貢献した世界各国の組織や個人を選び、世界中の幅広い組織や個人が候補者を推薦できるなどとしたが、選考者や創設の経緯には触れていなかった。

 ところが、基金会は6日午後、「まだ(創設の)協議の段階だったが、上部機関に報告していなかった。会議の決定により一切の活動を停止した」と文化省のホームページで明らかにした。

 インターネット上では報道を受け、「(二つの賞の)違いが何なのか分からない」「(中国には)ノーベル賞を取る自信がないからだろう」と皮肉る意見が書き込まれた。

 中国では昨年12月、民主活動家の劉暁波(りゅうぎょうは)氏へのノーベル平和賞授賞に対抗する形で「孔子平和賞」が創設された。しかし文化省の管轄下にあった主催団体「中国郷土芸術協会伝統文化保護部」が先月、選考状況を上部組織に報告していなかったため、外郭団体の認定を取り消され、選考活動が中止された。今年の受賞候補にはロシアのプーチン首相らが挙がっていた。

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