2011年10月5日 22時1分
財務省は5日、12年度予算に対する各省の概算要求総額が98兆4686億円になったと発表した。前年度の要求総額(96兆7465億円)に比べて1.8%増で、3年連続で過去最大を更新。要求額に上限を設けなかった東日本大震災からの復旧・復興関連経費が3兆5051億円に膨らみ、要求規模を押し上げた。財務省は査定作業に本格着手し、12月下旬の予算案決定を目指すが、政府の「中期財政フレーム」の財政再建目標の達成には、復旧・復興費や過去の借金返済に充てる国債費を除いた要求額を1兆3000億円程度削る必要がある。
政府は今回の概算要求で、復旧・復興経費の要求を青天井で認める一方、各省に人件費などを除く政策的経費を前年度当初予算比で1割削減するよう要請。代わりに削減額の1.5倍を限度に、成長や地域活性化に向けた特別枠である「日本再生重点化措置」に予算要望できるようにした。各省庁はこの予算枠(7000億円程度)の約2.8倍の1兆9788億円を要望した。この特別枠の要求分も含めた各省庁の概算要求額を単純合算すると99兆円規模に達するが、財務省は扶養控除見直しに伴い地方税収が0・5兆円増える分を地方向けの補助金要求から除いて集計したため、全体の規模は98兆円台半ばとなった。
焦点の復旧・復興関連経費では、被災地のインフラ復旧や防災対策などを求めた国土交通省が1兆1285億円と全体の3分の1を占め、環境省(8843億円)▽文部科学省(5684億円)▽農水省(2750億円)が続いた。現在編成中の11年度第3次補正予算案と合わせると復旧・復興経費の規模は12兆円超に達する。【坂井隆之】
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