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「有毒国債による危機は世界最大規模」空売り王カイル・バスが仕掛ける日本破綻のシナリオ
(SAPIO 2011年6月29日号掲載) 2011年7月4日(月)配信
日本売りは
「未亡人を作る」?
では、どうやってデフォルトが起きるのか。バス氏が注目するのは(1)国の債務と歳入、(2)国債の金利支払いコストと歳入、の関係だ。エコノミストは通常、政府債務残高と国内総生産(GDP)の割合に重点を置くが、同氏は歳入ベースの比較がより財政の健全性を図るうえで有効とする。
同氏の計算によると、日本の債務を歳入で割った数字は1900%と、ギリシャの300%強や米国の300%と比べ6倍以上。また金利支払いコストを歳入で割った数字はギリシャの14%を上回る20%という。しかも、高齢化によって給付金支払いが増える公的年金は、国債の買い手から売り手になる。不足分を海外で穴埋めするには、投資商品として利回りを引き上げる必要がある。
同氏の試算では、金利が2%上がれば国債利払い費用は20兆円増える。金利が1%上昇するごとに、利払いコストは日本の税収入の4分の1ずつ増える計算というから、金利の高い海外、例えば格付けがトリプルAのフランスのレートを当てはめれば、金利支払いコストだけで歳入を上回り「チェックメイト(将棋の王手)!」(バス氏)だ。
バス氏が唱える日本デフォルト説は新しいものではない。米経済誌バロンズは09年の9月に「日本の陽は沈むのか?」と題して日本国債デフォルトの可能性に言及している。金融危機後に国家のデフォルトが続出するとして話題を呼んだ『今回は違う』の著者、ハーバード大学の教授であるケネス・ロゴス氏も人口減少と高齢化を背景に「日本の財政危機はスローモーションで、しかし確実にやってくる」と昨年夏に話している。
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