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「有毒国債による危機は世界最大規模」空売り王カイル・バスが仕掛ける日本破綻のシナリオ
(SAPIO 2011年6月29日号掲載) 2011年7月4日(月)配信
同氏は10年ごろにも、日本の国債利回りが3%程度に上がれば大きな利益が出るという証券を600万ドルで購入したという。個人資産も円安に賭けておりテキサスにある自宅を購入した際に、住宅ローンをドルではなく円建てで組んでいる。
バス氏の日本デフォルト説とは何か。ここに今年2月14日付で同氏が投資家に送ったレターがある。簡単にいえば、日本国民の高齢化によって、公的年金などを通じて国民が支えてきた国家の資金調達構造が崩れる、というものだ。
日本の国債の94%は日本国内で保有されており、外国人の保有は6%にすぎない。米国の国債の6割近くが海外保有者なのに比べ、海外依存度は低い。1%余りという超低金利、金融商品としての魅力が乏しい国債にもかかわらず、自前の資金調達ができる背景には国民の1400兆円余の預金だ。この豊富な資金プールが公的年金などを通じて国債市場を支える。
ところが、80年代前半に20%近かった国民の家計の貯蓄率は少子化で労働人口が減るにつれ右肩下がり、限りなくゼロに近付いている。バス氏は今後数年間で貯蓄率はマイナスに落ち込み、構造的な財政赤字拡大と国民の預金減が「自前の資金調達」を不可能にして、今後2〜3年以内に破綻すると予測する。
「日本の有毒国債による危機は、世界が経験したなかで最大規模になる可能性が非常に高い」(バス氏)
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