Xデーは2年以内! すでに投資家から1億100万ドルを募集
「有毒国債による危機は世界最大規模」空売り王カイル・バスが仕掛ける日本破綻のシナリオ
(SAPIO 2011年6月29日号掲載) 2011年7月4日(月)配信
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円建てローン
怖い近未来小説のような筋書きだが、「日本空売り王」カイル・バス氏は実在する。米国の金融業界だけでなく政治家の間でも彼の名前が知られるようになったのは住宅バブルを予測し大儲けしてからだ。金融危機の原因調査に躍起になる米議員たちに招かれ、非公開の場で証言するなど、彼の意見に耳を傾ける政治家は少なくない。05年にファンド運営会社を立ち上げ、サブプライム住宅ローン抵当証券を空売りし、1億1000万ドルの初期投資を7億ドルに増やした。
メディアへの露出度は低いが、米経済テレビ番組CNBCテレビのインタビュー画像で見る彼の印象は「シャープ」。豊富なデータを頭に、クールで明晰な語り口で世界規模での財政問題と日本の財政破綻の可能性を分析する。「まるで世界の終わりを予測しているようだが」とのキャスターのコメントに「世界の終わりではない。誰かが損失を被るだけだ」と切り返す。
バス氏が震災・原発事故後に「日本空売り」への自信を深めたであろうことは想像に難くない。投資総額は明らかではないが、米メディア報道によると、昨年7月に立ち上げたといわれるヘッジファンド「ジャパン・マクロ・オポチュニティーズ・マスター・ファンド」は、最低投資額25万ドルで投資家を募り1億100万ドルを集め、今春に投資家募集を締め切ったばかりだ。
このファンドは日本国債5年物、10年物、30年物の価格低下(利回りの上昇)と円安に賭ける。具体的な投資手法は謎だが、住宅バブル崩壊の際に大きく儲けたようにデリバティブ(金融派生商品)で数十倍のリバレッジを効かせた投資だろう。
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