田中聡前沖縄防衛局長の不適切発言について、仲井真弘多知事(右)に深々と頭を下げて謝罪する一川保夫防衛相(左)=2日午後7時20分、県庁(又吉康秀撮影)
普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価(アセスメント)評価書提出をめぐる田中聡前沖縄防衛局長の不適切発言で、一川保夫防衛相は2日夕来県し、県庁で仲井真弘多知事と会談。「許し難い発言であり、人道的にも由々しき発言。県民の心を深く傷つけ、最高責任者として知事や県民におわびしたい」と謝罪した。
仲井真知事は「内容は県民の尊厳、気持ちをかなり傷つけ、私も怒りを覚える。極めて、極めて遺憾だ」と強い不快感を表明した。
1日の参院東日本大震災復興特別委員会で、1995年の少女乱暴事件について「正確な中身は詳細には知らない」と答弁したことに、一川防衛相は「国会の場で詳細に説明する事案ではないと思い、ああいう発言となったことはおわびしたい」と釈明。「痛ましい事件であることは十分承知している」と述べた。
仲井真知事は、前局長の更迭など「素早い対応は多としたい」としたものの、「信頼回復に全力を挙げていただかないと、かなり厳しいものがある。こういう雰囲気を首相に伝えてほしい」と信頼回復に努めるよう求め、会談を約8分で打ち切った。
一川防衛相は会談後、那覇市の自治会館で記者会見し「不適切発言は大きな課題。県内の防衛省、自衛隊の職員の任務に悪影響のないようしっかり責任を果たす。その中で一歩一歩信頼関係をつくりあげたい」と述べ、信頼回復に省全体で取り組む考えを表明。評価書提出の年内提出方針の影響については「今回の場では一切触れるつもりはない」と言及しなかった。
会談後、仲井真知事は記者団に「県民の信頼回復は厳しいし、時間がかかる。簡単に県民の怒りは解消しない」と述べた。
<知事、防衛相やりとり要旨>
一川保夫防衛相 おわびのごあいさつをしたい。(前)田中防衛局長の発言、29日の報道に接して大変なショックを受け、県民の心を大変傷つけた由々しき出来事ではないかなということで確認した結果、本人の発言は全く不適切であり、許しがたい発言であった。
積み上げてきた沖縄県との信頼関係を損なう内容をはらみ、彼に沖縄の仕事をさせるわけにはいかない、全く弁解の余地はないと29日付で更迭した。信頼回復は並大抵ではないかもしれないが防衛省・自衛隊の任務に深いご理解をいただきたい。
私は大臣に就任して日が浅いが、できるだけ円滑な話し合いで物事を進めたいと今日まできた。今回の発言で大変大きなお荷物を背負うことになったが、懸案事項に一生懸命努めたい。
95年の少女乱暴事件、私はあの事件は国会の公式な委員会の場で詳細に説明する事案ではないと思い、ああいう発言になってしまったことはおわびしなきゃならんと思っている。しかし、沖縄の米軍基地の整理縮小という大きなきっかけにつながった痛ましい事件ということは十分承知している。
野田総理大臣も知事さんによろしく伝えてということで、知事さんのお怒りも大変だと思うが、ひとつまたご理解とご指導をお願いしたい。
仲井真弘多知事 お忙しい大臣が飛んでこられ、局長さんの更迭、事務次官の来県などいろいろ素早く手を打っていることはむろん多とするが、内容が県民の尊厳、気持ちをかなり深く傷つけている。私も同じように怒りを覚える。極めて極めて遺憾だとしか言えない。県民との信頼回復を全力でやってほしい。かなり厳しいこの雰囲気は総理にもぜひお伝えいただきたい。
一川防衛相 まぁ、あの、総理の…
仲井真知事 (話を遮り)これだけにしておきましょうかね。
一川防衛相 内閣挙げて沖縄県の懸案事項にしっかりと取り組めるよう謙虚な気持ちで頑張る。
仲井真知事 今日は恐縮だが、これぐらいにしておきましょうね。
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