電力労組 管理職から政治団体会費
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電力労組 管理職から政治団体会費

12月2日 4時31分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力や九州電力など、5つの電力会社の労働組合が、組織的に組合員ではない管理職から組合の政治団体の会費を集め、献金などの政治活動に使っていたことが、NHKの取材で分かりました。専門家は「労使の関係としては不適切だ」と指摘しています。

先月30日に公表された政治資金収支報告書などによりますと、全国に10社ある電力会社の労働組合は、それぞれ政治団体を作って、組合出身の議員などに献金を行っていて、去年1年間で合わせて8億円余りの収入がありました。NHKが各労働組合に取材したところ、東京電力と九州電力、それに北海道電力と四国電力、北陸電力の5つの労働組合では、管理職に昇進し、組合員ではなくなった社員からも、政治団体への会費の支払いを求め、集めた資金を政治活動に使っていたことが分かりました。このうち、九州電力労働組合の団体は、去年、組合員ではない管理職の9割に当たる1700人余りから、合わせて2000万円を得ていました。また、東京電力を除く4つの電力会社は、会社が管理職の給料から天引きして、組合側の資金集めに協力していました。法律では、労働組合の独立性を守るため、経営が組合に資金を援助することは禁じられていますが、管理職による、組合への資金面での援助が行われている形です。政治学が専門で労働組合に詳しい、一橋大学の中北浩爾教授は、「管理職が組合の政治団体に加入するのは違法とは言えないが、労使の間で距離感や緊張感がないことの表れで、相当問題がある。労使の関係を、今一度考え直す必要がある」と指摘しています。それぞれの労働組合は、「会費を支払うかどうかは個人それぞれの判断で、資金は適正に処理しており、問題ない」などとコメントしています。