防衛省沖縄防衛局の幹部の不適切な発言による更迭などを踏まえ、自民、公明両党は、一川防衛大臣に対する問責決議案を提出することにしており、可決される公算が大きくなっています。政府・与党内でも、一川大臣の進退問題に発展するのは避けられないのではないかという声も出始めています。
一川防衛大臣は、防衛省沖縄防衛局の前の局長が、アメリカ軍普天間基地の移設問題を巡る不適切な発言で更迭されたことを受けて、2日夜、沖縄県の仲井真知事に、「県民の心を傷つけ、おわび申し上げたい」と述べ、謝罪したのに対し、仲井真知事は、「極めて、極めて、遺憾だとしか申し上げようがない」と述べ、強い不快感を示しました。また、一川大臣は、1日の国会審議で、平成7年に沖縄で起きたアメリカ軍兵士による暴行事件について、「詳細には知らない」などと述べたことについても、「国会の公式な場で詳細に説明する事案ではないという思いでの発言で、おわび申しあげなければならない」などと釈明しました。こうした一川大臣の対応に対し、自民・公明両党は、「大臣としての資質が欠如している」などとして、来週9日の会期末をにらんで、野党側が多数を占める参議院に問責決議案を提出することにしています。共産党、社民党、新党改革が、これに賛成する意向を示すなど、他の野党も同調する見通しで、可決される公算が大きくなっています。これに対し、野田総理大臣は、2日の国会審議で、「これまでの政治経験や知見を含めて、適材として、私が選ばせて頂いた。いっそう緊張感を持って、職務にあたってほしい」と述べ、一川大臣を続投させる考えを示しました。また、一川大臣も、「与えられた職責を全うしていく」と述べ、辞任する考えはないことを強調しました。ただ、政府・与党内では、民主党幹部が、「政権運営への影響を最小限に抑えるためには、問責決議案が可決されれば辞めざるを得ないだろう」という見方を示すなど、一川大臣の進退問題に発展するのは避けられないのではないかという声も出始めています。