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【社会】

5連動地震で津波3.3メートル 名古屋港、想定上回る

2011年12月3日 02時12分

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 国土交通省中部地方整備局は2日、「5連動地震」が起きた際、名古屋港の津波が3・3メートルに達するとのシミュレーション結果を発表した。愛知県の防災計画が基準とする3連動地震の津波を80センチ上回った。東日本大震災以降、従来の津波想定を再検討する動きが広がっており、行政や企業の防災計画も見直しが求められている。

 シミュレーションでは、東海、東南海、南海地震に、宮崎県沖の日向灘と太平洋沖の海溝「南海トラフ」沿いの比較的浅い震源域を追加して5連動とした。東日本大震災では、浅い震源域が大きく滑り巨大津波が起きている。5連動地震の想定マグニチュードは8・9。静岡県沖から西へ破壊が進むケースを採用し、最大級の津波を想定した。

 津波は、名古屋港の最奥部にある船見ふ頭で3・3メートルと試算。従来の想定は2・5メートルだった。50センチの地盤沈下を考慮しても、現在の防潮壁は越えないという試算となった。

 名古屋港は、入り口に高さ5メートルの高潮防波堤があり、外周は高さ1メートル余りの防潮壁に囲われている。防波堤、防潮壁は地盤沈下の恐れがある上、耐震性や津波への耐性も疑問視され、補強工事の必要性が議論されている。

 防潮壁の内側では、1100事業所で3万5千人が働く。中部地整は今後、港内の他の地点の試算も行う。海底の地形や地盤の高さによっては、津波が防潮壁を越えたり、事業所が浸水したりする可能性もあるという。来夏以降、国の中央防災会議が新たな津波想定を発表する予定で、中部地整は「今回の結果を国の発表までの暫定値として、事業所の避難計画などに活用してもらいたい」としている。

(中日新聞)

 

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