中世ヨーロッパ最大の賢女が書いた究極の癒し音楽
徳島空港に着いたのは金曜日の17時過ぎであった。
私たち(Mr.鉋と私)は羽田で乗り継いだが、私の昼食は札幌駅のキオスクで買った日糧製パンの“ザンギ入りおにぎり”1個であった。
なんとなく少食にして自分をいじめてみたかったのだ。200gも太ったことだし……
この日は夕食が遅くなるのがわかっていたので、千歳便が羽田に着いてからの14時過ぎにこのひもじい昼食をとった。でも何度、崎陽軒のシウマイ弁当を買って食べちゃおうかなと思ったことか!よく我慢した、うん、私立派だ(学校じゃあるまいし、私立・派ではなく、わたしりっぱ、と読むこと)。
ところでもう全国的に知られているのかもしれないが、ザンギというのは北海道語であり、鶏の唐揚のことだ。私は骨なしの唐揚のことをザンギと呼ぶのかと思っていたが、“骨なしザンギ”と言うこともあるので、単に“鶏の唐揚”なんだろう。
北海道では、スーパーの惣菜コーナーではほぼ100%、“ザンギ”の表示でパックが並んでいるし、ザンギ弁当というのも定番である。芸能人なんかが食べる、銀座の有名店で作ったロケ弁のことではない。あっ、それを言うならザギンか…… 私が食べたザンギおにぎりは、まさしく具が小さめのサイズのザンギで、ご飯は醤油で味付けられていた。初めて食べたがなかなか秀逸な一品であった。
ちなみにMr.鉋は千歳で昼を済ませてきたとのことであった。
乗り継ぎの徳島便は使用機到着遅れで出発も遅れた。
でも、しょうがない。
それにしても、千歳⇔羽田便も、羽田⇔徳島便も混んでいたなぁ。連休初日だったせいだろうか?
徳島空港で、先にJAL便で到着していた東京支社の人間3人と合流。
その足でまずは一仕事。
この日はこの用務1つだけだったが、終わって夕食を食べ始めたのは20:30。
昼のザンギが跡形もなく消化され、病的なまでに空腹となっていた私は、行った洋風居酒屋(Buonoという名だった)で、いきなりボロネーゼを頼んだが、飲みに来ていきなりパスタかよって顔をしていた東京組の1人だってピザを頼んだ。
みんな腹が減っていたのだ。 ボロネーゼは塩加減も含め、なかなか上品で美味しかった。ピザも美味しかったし、ほかのどの料理もハイレベルだった。
翌朝。
ホテルを9時に出発。
今日の最初のお仕事を1つ終え、その足で鳴門にある大塚国際美術館へ。大塚っていうのは、そうあの大塚製薬をはじめとする大塚グループのこと。行く前はあんまり頭になかったが、鳴門の街はいたるところに大塚の施設が。すごいなぁ。
この山をくり抜いたような美術館、地下3階地上2階建て。写真の正面入り口から長いエスカレーターに乗って上に上がると、そこが地下3階。
このエスカレーターで上に着き、目の前に最初に現れる部屋が、システィーナ礼拝堂天井画と壁画。環境展示といって、教会などの環境空間をそのまま再現しているのだが、最初っからノックアウトされた。
もちろんこれら、この美術館に展示されている作品は複製だが、ただの複製ではない(いや、売ってるわけでもない)。
陶板にオリジナル作品とほぼ同じ大きさで描かれている。その技術は大塚オーミ陶業(株)のものだそうで、2000年以上にわたってその色が残るんだそうだ。こうしてよみがえった、そして未来に渡ってその姿を維持できるようにされた名画が1000点以上展示されている。これ、建設設計構想にすっごく時間をかけたんだろうな。
そうそう。私は観光でこの美術館を訪れたのではありません。直接ではないが、自分の仕事に多少関係するので、訪れたのです(誤解のないように付け加えておくが、私は美術関係者ではない。小学校のときは絵を描くたびに先生に「芸術的に下手だ」と言われていた札付きの人間だ。美術館を建てるというような会社に勤めているわけでもない。すっごく担当業務とは遠いんだけど、良い絵画を見て今後の業務の糧とするぐらいのことととらえて欲しい。とにかく、かなり強引な理由ながらも、遊びではないことは信じなさい!)。
最初に圧倒された後も、ずっと圧倒されっぱなし。チケットを買うときには、入館料3000いくらは高いんじゃねっ?と思ったが、これなら安いくらいだ。
古代から中世の展示では、“最後の晩餐”という絵が何点か展示されていたが、私はレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な作品以前にも、そういう絵があるとはちっとも知らんかった。
無垢なだけでなく、無知ですまん。 写真を載せたこの絵では、食卓に魚が載っている。パンとブドウ酒ではない。
魚はキリストを象徴するものだ。
中世では、最後の晩餐はこのように描かれていたことは興味深い(が、これ以上個人的に深追いするつもりはない。が、聖餐式で聖別されたパンとブドウ酒がキリストの身体と血になるという説(化体説)は、1200年ころにインノケンティウス3世によってローマ・カトリック教会公認の教理になった、ということは一応付け加えておこう)。
このような絵画を見ていると、そしてなによりも古代遺跡や教会などを再現したいくつもの環境展示の中にたたずんでいると、大昔の宗教音楽が頭の中に流れてくる。
そこで今日は、ビンゲン(Hildegard von Bingen ユリウス暦1098-1179 ドイツ)の聖歌集「天の啓示による調和のシンフォニア(Symphonia harmoniae celestium revelationum)」を。
ビンゲンは神秘家であり、作曲家であり、中世ドイツのベネディクト会系の女子修道院長を務めた女性預言者。医学と薬草学にも詳しかった。
彼女は5歳ころから幻視体験をしていたというが、そのことが広く知られるようになったのは1153年出版の著「道を知れ」に書かれてからである。幻視の内容はほとんどがキリスト教に関することだったという。
作曲面では、1150年ころにつくられた道徳劇「諸徳目の秩序」と、1140年頃から書きはじめられた宗教曲の聖歌集「天の啓示による調和のシンフォニア」(77曲が現存)があるという(Wikipediaによる)が、私は詳しくは知らない。
今日紹介するCDはバルダッツィ指揮アンサンブル・サン・フェリーチェ、ソプラノ独唱ザニチェッリによる演奏。トラック数は12。
ビンゲンの曲は近年、グレゴリオ聖歌(8~9世紀ごろに完成)と並びヒーリング・ミュージックとして録音されることが多いようだが、耳にしているとまったく別な世界へ連れて行かれたような感覚になる。その響きは、現在のどの音楽にも分類できないようなものだ。
あなたも異界へトリップしてみませんか!?
2007録音。ブリリアント・クラシックス。本編CDとテキストが収録されたCD-ROMのセット。
⇒ H.von Bingen: O Orzchis Ecclesia
美術館では、ツッタカタッタカと駆け足で見たにもかかわらず約2時間を要した。
館内にはいくつものカフェやレストランもあり、空腹傾向にあった私は他の同行メンバーに隠れて何か食べちゃおうかなと誘惑にも駆られたが、いかんいかん、今日の昼は明確な目的があるのだ。
ということで、がまん。
鳴門駅の方まで戻り昼食。
徳島ラーメンである。
連れて行ってもらった店は“いのたに”という、けっこう有名だという店。
のれんには“徳島ラーメン”じゃなく、“中華そば”と書かれている。
肉入りそばの“中”と、めし(つまりライス)の“小”を頼む。
出てきたラーメンは、ガイドブックの写真で見る徳島ラーメンと同じく濃い茶色のスープ。そのスープを覆い隠すように肉が何枚も載っている。煮込んだだけではない、焼いたような触感と香りの肉だ。豚の焼肉が載ってるのかと思ったが、食べてみると焼いただけではない。
麺はストレートな細麺。札幌ラーメンに慣れている人には好みが分かれるだろうが、私の場合は札幌エスタの“四川飯店”の担々麺(ストレート麺なのだ)も好物なので、抵抗感は少なかった。味は濃くて、ご飯があってちょうどバランスがとれる。
美味しくて満足したが、そのあと喉が渇いて閉口した(スープはほとんど飲んでないんだけど)。
さて、業務を2つこなしたし、名物も食した。
次は……、次は…………
せっかくだから渦を見に行こう。……続く。
そういえば徳島ラーメンっていうのに、なぜナルトはトッピングされてないんだろう?
徳島とは関係ないのか、なると巻?
⇒ 紀文)なると巻 1本160g
⇒ 徳島ラーメン岡本中華 8食セット(2食入×4箱)【全国名店ラーメン・超人気店ご当地ラーメン】
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日本でシスティン礼拝堂が観られるなんて!
高校の部活の後輩で、大島の合宿に山ほどポカリスウェットを持って来てくれた(水道の水がどれもみな鉄くさくて飲めなかった)謎の大塚君(注:三浦百恵さん夫妻と同じマンションに住んでいるって話だった)て子がいましたが、やっぱりそうだったのかなぁ…、なんて。
ふと思い出しました。
投稿 LimeGreen | 2011/09/27 21:05
>LimeGreenさん
謎の大塚君、ちょいと怪しいですね。でも、それが巧妙に仕組まれたギャグならもっとたいしたものです。
あの美術館は造りも含め、ほんとによく出来てます。
投稿 MUUSAN | 2011/09/28 10:45