社会に出てからは、学校の成績よりも創造性の有無が成功のカギを握ります。たとえば、実業家として成功している人のなかにもアイデアマンが多いですよね。
ところが、無から有を生み出すような創造性の高い人ほど、嘘つきだということが、ハーバード大学などの研究により明らかになりました。
科学サイト『LiveScience』では以下のように伝えられています。
お金の絡むことなら、創造力に富む人はそうでない人よりも嘘つきになります。クリエイティブな人は反倫理的な行動に対する言い訳をひねり出すのにも長けているせいかもしれません。
研究ではまず97名の大学生に心理学テストを受けてもらい、知性と創造性を計測。そのうえで、被験者を5つの実験に参加させ、創造性に富む人が自分の不正をごまかしやすいかどうかについて検証を行いました。
ひとつめの実験は、左右に分けられた領域で、どちらに点が多くあるか見抜くといういうもの。ただし、200問のうち半分は、左右どちらの点が多いのか見た目ではわかりません。
またこの実験では、右側を選んだほうが左側を選ぶよりも10倍多く報酬がもらえることになっていました。すると、心理学テストで創造性が高かった被験者は、答えがはっきりしない場合には右側を選ぶことが多かったのです。
また別の実験として、正答数に応じて報酬が与えられるという一般教養テストも実施。被験者には、まず問題用紙に答えの書き込みをしてから、その答えをマークシートに書き写してもらいました。
実は、そのマークシートに、不正を誘発するためのちょっとした仕掛けが……。研究者は被験者らに、マークシートの印刷ミスのために、正しい答えに薄くマークがついていると伝えたのです。
すると、やはり創造性の高い人ほど、自分の答えをきちんと書き写さずに、正しいとされる答えにマークすることが多かったのです。
今回の研究結果についてハーバード大学のフランチェスカ・ジーノ氏は以下のように述べています。
「創造性が高いと、様々な領域で難しい課題を解決するのに役立ちます。一方で、問題や課題解決のためには反倫理的な手段も辞さないという面もあるのです」
なお、今回の研究では、創造性と不誠実さとの関係が明らかになったものの、知能と不誠実さとは無関係であったとのこと。
たとえば、知能は高いが創造性の低い人は、知能も創造性も低い人と同様に、あまりズルをしなかったのです。
今回の研究では、嘘の動機がお金でしたが、別の利己的な目的のためでも創造性の高い人が嘘をつく傾向があるのかどうか今後さらに検証する必要があると研究者らは評しています。
“創造性の高いアイデアマンは、収入面では頼もしいものの、頭がまわりすぎるためか、嘘つきの傾向もある”という研究結果、いかがでしたか?
欲は言えば、創造性に富み、かつ誠実な男性が最高なのですが、あちらが立てばこちらが立たず。現実はなかなか厳しいようですね。
上で紹介した記事でも伝えられているように、この傾向がお金に限定したものなのか、それとも他の動機……。たとえば、異性関係においても当てはまるのかどうかは今のところ定かではありません。
今後、クリエイティブな男性の真相がさらに明らかにされることが待ち遠しいですね!
【参考】
※ Creative Thinkers More Likely to Cheat | Creativity & Rationalizing Cheating | LiveScience
(著:中田綾美)