告発サイトのWikiLeaksは12月1日(現地時間)、新プロジェクト「Spy Files」の下、同組織が“監視請負業者”と呼ぶ企業160社の287件の文書を公開した。機密文書に限らず、例えば米Hewlett-Packard(HP)のInvestigationソリューションの資料など、WikiLeaksが個人のプライバシー侵害につながると考える文書が含まれる。
WikiLeaksはこのプロジェクトで、英プライバシー擁護団体のPrivacy Internationalや米Washington Postなどのメディアと協力しているという。
「米SS8などの監視請負業者は、個人のPCやiPhone、BlackBerry、Androidといったモバイル端末をハイジャックし、すべての利用履歴、ユーザーの行動、ユーザーの部屋の映像や音までも記録する」とWikiLeaksは説明する。「Spy Filesプロジェクトは、どんな企業が政府機関に人権侵害につながる追跡ツールを売ってもうけているかを暴いている」
例えば、米中央情報局(CIA)は米Intelligence Integration Systemsのロケーションベースの分析ソフト「Geospatial Toolkit」を購入し、携帯電話からの個人特定に利用しているという。
個別のSpy Fileは、発表文の左に並ぶ一覧をクリックすることで閲覧できる。文書のタイプ別、企業名(アルファベット順)、製品名、タグの一覧が並ぶ。また、国別の監視請負業者を確認できる地図も公開している。
Spy Filesプロジェクトは今回の文書公開にとどまらず、来年まで続くという。WikiLeaksは10月に資金不足による活動停止を発表したが、プロジェクト発表文では活動再開についての説明は特にない。トップページには引き続き寄付を呼び掛けるメッセージが掲載されている。
著作権はアイティメディア株式会社に属します。
© 2011 ITmedia Inc. All Rights Reserved.