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橋下・新大阪市長 異例の市外居住 19日付で就任する橋下徹・新大阪市長は、大阪府知事時代と同様に同府豊中市の自宅から市役所に通勤する見通しだ。1963年以降、歴代市長が市外に住んだケースはなく、京都、神戸など他の18政令市長も現在、全員が各市内に住んでいる。7人の子の父親である橋下氏は「学校の問題がある」と引っ越しに否定的だが、市議会からは「市内に住んで市民生活の実情を肌で知ってこその市長ではないか」など疑問の声も聞かれる。 大阪市によると、都道府県議や市町村議は「住民代表」の色合いが強いため、公職選挙法で当該自治体に住むことが義務付けられ、他の自治体に転居すると議員の身分を失うが、知事や市町村長に住所制限はない。 ただ、最近6代の大阪市長は、中馬馨氏(63〜71年在任)が阿倍野区、大島靖氏(71〜87年在任)が天王寺区、西尾正也氏(87〜95年在任)が東淀川区、磯村隆文氏(95年〜2003年在任)が東住吉区、関淳一氏(03年〜07年在任)が天王寺区、現職の平松邦夫氏(07年〜11年)が住之江区に住居を構えた。 市内に住んでいれば、大地震などの際に災害対策本部長として迅速に対応できる利点がある。これに加えて、門川大作・京都市長は月1回のノーマイカーデーには二酸化炭素(CO2)の排出削減をアピールするため、徒歩通勤。竹山修身・堺市長も、公用車などの経費節減のため、歩いて通勤しているという。 橋下氏は今年4月の市議選の街頭演説で区長公選制の導入を訴え、「普通の市長はその地域に住む。区に住んでいない区長をリーダーにしてどうするんですか」と主張していた。しかし、11月の市長選前には、報道陣からの「住所はどこになるのか」との問いに「豊中市民でいく」と答え、「大阪全体にかかわることを実現するために市長になるのであって、単純に市長の仕事をするわけではない。子どもの学校のこともある」と理由を説明していた。 橋下氏の自宅から市役所までの所要時間は車で20〜30分で、「平松市長と大差はない。距離もほぼ同じ」(市幹部)。とはいえ、自民市議の一人は「子どもに負担をかけたくない親心は理解できるが、地域の課題は住んでこそわかることも多い。市長が市内にいないのは不自然で、市民の理解を得にくいのでは」と指摘する。 橋下氏は市長給与の3割カットを掲げるが、市民税は大阪市に納入しないことになり、「市長が率先して税を納める姿も大切なのでは」との声もある。
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新川達郎・同志社大教授(地方自治論)の話「幅広く人材を集める観点から、法的には市長の市外居住は認められている。ただ、市長が市民でもある方が、自分自身の暮らしと仕事が対応するため、市民感覚に沿った政策を実行しやすい。市民からも〈ご近所さん意識〉を持ってもらうことができ、仕事への支持も得やすくなるのではないか」 (2011年12月2日 読売新聞)
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