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[30532] 造・さよなら絶望先生
Name: 坪井幹久◆bc4c234a ID:b3e9cfcc
Date: 2011/11/30 19:54
前回までのあらすじ



医療法人『逆境なき医師団』に所属する糸色命は子供たちの人気者。
いつものように「マジカルバナナって何か危ない響きだよね」と
入院患者とどうでもいい話をしていると、
「デパートといえば怪人だよね」と埃まみれの怪人登場。
投石攻撃で撃退するも、「タイのご友人は元気ですか?」と
ついうっかり口をすべらし、怪人大激怒。
命からがら逃げおおせたものの、待ち構えていた
某局女子アナによって壇上に登らされ、
工場廃液色に染まった等身大オケラ男を進呈させられてしまう。
「これ、1万6千個ののど飴でできてるんですよ」
いや、別にあなたが作ったわけじゃないでしょうに。





・原作同様、各話ともに一話完結型となっています。
・投稿内容は、いわゆるドラマCDのような「セリフのみで話を展開していく」ものとなります。
・ネタ潰しのようなことはなるべくしたくはないので、10話程度で終わらせる予定です。



『当作品は問題の多い文章ばかりですからどうかご承知下さい。』

更新:第四話投稿(11/30)



[30532] 妥協門
Name: 坪井幹久◆bc4c234a ID:b3e9cfcc
Date: 2011/11/25 21:21
出演

・糸色望       超ネガティブ教師
・風浦可符香     超ポジティブ少女
・大草麻菜実     主婦女子高生(多重債務者)
・木津千里      几帳面・粘着質少女(猟奇癖あり)
・小節あびる     しっぽ好き・被DV疑惑少女
・関内・マリア・太郎 不法入校・難民少女
・日塔奈美      普通少女
・三珠真夜      見たまま少女(無口)
・糸色景       自己完結芸術家(糸色望の兄)

友情出演

・小森霧       ひきこもり少女(望・交と宿直室で生活中)
・糸色交       糸色望の甥(望・小森と宿直室で生活中)
・時田        糸色家の執事
○臼井影朗      存在感薄
●一旧        糸色望の旧友・旧好み










●一旧 (カツーン‥ カツーン‥)
○臼井 (ここは小石川の とある美術館)
●一旧 (美術館入り口の看板には)
○臼井 (絵画展開催中と書いてある)
●一旧 (カツーン‥ カツーン‥)
○臼井 (そこにやってきたのは 2のへ組の生徒たち)


風浦  「芸術の秋です」


○臼井 (と言ったのは 超ポジティブ少女の 風浦可符香さん)


日塔  「絵画展に飾ってある絵って 私たち素人が見ても
     どこがすごいのか よくわかんないことってあるよね」


○臼井 (そう答えたのは 普通少女の日塔奈美さん)
日塔  「普通って言うな!
●一旧 (彼女は20年後 いい熟女になりますよ)
日塔  「熟女とか言うなあ!


木津  「専門家がどれだけ素晴らしい、って評価しても、
     どこがすごいのかきちんと説明してくれないと、素人目にはわかんないわよね。」
三珠  (コクリ)


○臼井 (と言ったのは 几帳面・粘着質少女の 木津千里さん)
●一旧 (そして 木津さんの後で うなずいたのが 見たまま少女の三珠真夜さん)


マリア 「でもマリア この絵ナラ 何の絵かわかるゾ


○臼井 (無邪気に絵を指差したのは 不法入校・難民少女の関内・マリア・太郎さん)
●一旧 (関内さんが指差した先には 輪っかが作られたロープの絵があった)


木津  「ロープの絵?」
大草  「何か すごく前衛的な絵ですね‥」


●一旧 (よくわからない絵に戸惑いながらも 相槌を打ったのは
     主婦女子高生の大草麻菜実さん)


小節  「変わった絵だよね 誰が描いたんだろ」


●一旧 (じーーっ)
○臼井 (と 絵に描いてある文字を見つめているのは
     しっぽ好き・被DV疑惑少女の 小節あびるさんです!)
●一旧 (臼井君 鼻息が荒くなっていますよ)


小節  「ITOSHIKI‥‥?」
木津  「ああ、絶景先生が描いた絵なのね。」
風浦  「違うよ千里ちゃん これ 絶望先生が描いた絵だよ」
千里  「ええっ!?」


●一旧 (ネームプレートを指差し 答える可符香ちゃん)
○臼井 (驚くへ組の生徒一同)


大草  「どうして先生の描いた絵が こんなところに飾られているんでしょう?」
望   「あーあー 見つかっちゃいましたか」


●一旧 (通路の陰から出てきたのは)
○臼井 (糸色望こと 我らが絶望先生)


木津  「先生、いたんですか?」
望   「美術展が開かれるって聞いたんで ためしに送ってみたら
     選考通っちゃったんですよ いやあまいったなあ ハハハ」
小節  「先生 みんながこの絵に気づくまで ずっと隠れていたでしょ」


●一休 (ガズンバッ


望   「な 何言ってるんですか小節さん
マリア 「図星だナ
大草  「この絵は 何を表してるんですか?」
望   「ロープの結び目を よーく見てください」
大草  「結び目?」


●一休 (じーっ)
○臼井 (とロープの絵をじっと見つめる へ組の生徒たち)


望   「結び目がわずかに緩んでいるでしょう?
     首を吊った際 わざと縄が解けるようにしてあるのです
     つまり この絵は 死に対してしっかりと踏み込めない様子
     もし生きたくなった時のために 抜け道を用意しておこうという 描き手の心情を表しているのです」
小節  「つまり 先生はチキンだ ってことを表しているんですね」
望   「一言でまとめないでくださいよ」


○臼井 (相変わらず 突っ込みが手厳しい小節さん)
●一旧 (その後ろでは 三珠さんが犬の肛門に棒を突き刺している)
張り紙 (あおおーっ!!)


木津  「それにしても 何でこんな絵を描いたんですか?
     もうちょっと違う絵を描けばよかったのに」
望   「仕方ないじゃないですか この絵画展『妥協展』なんですから」
木津  「妥協展?


○臼井 (例によって 訳のわからないことを言い出す先生)


望   「この絵画展は 世の中に蔓延する妥協を表した
     絵ばかりを集めた絵画展なのです
     日本人の美点は 妥協を許さない事と言われたりもしますが‥‥
     私に言わせれば 妥協を許さない性分は日本人のマイナス要素の一つですよ!」


●一旧 (と よくわからない流れ出でいきりたつ 絶望先生)
○臼井 (知らない人のために解説すると 絶望先生は
     世の中のどうでもいいことに いちいち絶望してしまう人なのです)





望   「煮込めば味に深みが出るからといって カレーを煮込み続ければ
     具のないカレーになってしまいます!



お母さん(イチローみたいでしょ)


望   「たとえ意見が合わなくても どちらかが妥協しなければ
     いつまで経っても会議は終わりません!



副編集 (早く帰りてーよ‥‥)


望   「深夜のアニメ ゲームは キリのいい所で切り上げなければ
     翌日の行動に支障をきたしかねません!



青年  (ねみー‥‥)


望   「妥協を許さなさすぎるのは むしろ問題なのです!


・奢侈禁止令
・パートの女の子を泣かせる上司
・完成までに何百年もかかる建造物
・気がつけば趣味が本業に
・相手に求める理想像が高すぎて結婚できない女性
・コンプリートするまでつい集めてしまうグッズ
・北朝鮮国内で本気を出してしまったイラン代表
・両腕を極めた状態からの顔面パンチで試合が放送不可能に





景   「絵の出来はともかく 着眼点は素人にしちゃまずまずってとこだな」


○臼井 (いつもと違う 緑色の何かを抱えてやってきたのは)
●一旧 (絶望先生のお兄さんで 自己完結芸術家の 絶景先生こと 糸色景さん)


風浦  「絶景先生!」
望   「やっぱりいたんですね 兄さん」
木津  「あら?絶景先生。何で今日は黒じゃなくて、 緑色の何かを持っているんですか?」
景   「これか? まあ色々あってな 館内は一通り見て回ったし ここからは俺が案内しよう」


●一旧 (テクテクテク)
○臼井 (へ組の生徒を引き連れて歩く絶景先生)


景   「望が言ったように この絵画展には 古今東西のさまざまな『妥協』を描いた絵が展示されている」
日塔  「この絵は何を妥協しているんですか?」


○臼井 (と 過去のある総理大臣によく似た人物が描かれた絵を指差す日塔さん)


景   「ああ これは世界各国からの重圧に対し 何でもかんでも妥協してしまう
     日本の姿
を表しているのだ いわゆる風刺画というやつだな」
日塔  「いいんですか こんなの飾っちゃって‥‥」
大草  「この絵は?」


●一旧 (と 料理を皿に移す女性を描いた絵を指差す大草さん)


景   「たまには旦那にいい物を食べさせようと思ったものの 面倒臭くなって
     惣菜で買ってきたものを皿に移しえて出している 世の奥様方
を描いたものだ」
大草  「ああ‥ 私にも身に覚えがあります」
望   「というか兄さん このネタ 原作で見たことあるんだけど」
景   「ネタ被りを気にしていたら 何も書けんだろう そのぐらいは妥協してやらないと」
望   「ネタが被ったからって 開き直らないでください!
三珠  (スッ)


○臼井 (えー‥‥ 何て言えばいいんです?これ)
●一旧 (うーん‥‥ 何とも筆舌し難い絵を指差す三珠さん 辺りでいいんじゃないか?)


景   「ああ それは私が描いた絵だ 世界最強の拳法を編み出したものの
     本物の少林寺拳法を見て『やっぱり世界10位くらいでもいいかな』と思ってしまった 私の心情を表している」
日塔  「わかるわけないでしょ そんなの!
景   「ちなみにこれは『本当のラッキーカラーはビリジアン』だと知って
     心がビリジアンに染まっていく 私の心情を表している」
日塔  「だからわかりませんって!
望   「ああ‥ だから兄さん 今日は緑色の何かを持っているんですね‥‥」





●一旧 (イライラ イライラ)


木津  「黙って聞いていれば、いい加減なことばかり言って!」
風浦  「千里ちゃん」
木津  「中途半端に手を止めることが、いいことのはずがないでしょう!」


○臼井 (と 会話に割って入る木津さん)


木津  「行動に移したのなら、ちゃんと最後までやり遂げなさいよ!道半ばで諦めるとか、そういうの、イライラするの!」
景   「ほう 娘 若いのになかなかいいことを言うじゃないか」
木津  「先生。」
景   「ついてきなさい ここの地下で開催している『もうひとつの絵画展』を見せてあげよう」


●一旧 (カツーン カツーン)
○臼井 (薄暗い通路を歩く 先生と生徒たち)


景   「ここだ」
大草  「こんな所でやっているんですか?」
景   「ここで開催されているのは『妥協展』とは対を成す存在とも言える絵画展‥‥ その名も『到達展』だ」
日塔  「到達展?
景   「人は何か目標があるが故に 妥協をしてしまうものなのだ
     ここでは そんな妥協という名の誘惑に負けず 到達点を目指す者
     あるいは到達点に達した者たちをモデルとした 絵画が展示されている」
望   「だからって わざわざこんな地下で開催することもないでしょうに」
景   「到達点というのは人それぞれで違うものだし そもそも到達点は 目に見えるものでもないからな
     絵画展の主催者は それを伝えたかったのだろう」


●一旧 (ギィィ‥‥)
○臼井 (重たそうな鉄の扉を開ける 絶景先生 扉の向こう側に広がっていたのは)
●一旧 (意外にも どこにでもあるような ごく普通の絵画展の光景だった)
○臼井 (到達展に足を踏み入れる絶景先生と 絶望少女たち
●一旧 (テクテクテク)


日塔  「一見すると 妥協展と置いてある絵は同じに見えますけど‥‥」


○臼井 (一枚の絵の前で立ち止まる大草さん)


大草  「このおどろおどろしい絵は何ですか?」
景   「ああ それはヤミ金に手を出してしまったがために 多重債務に陥り
     一家離散
という 到達点に達してしまった家族を描いたものだ」
大草  「少年誌に出すようなネタじゃなくないですか それ‥‥」
景   「俺には一家離散の先にも まだ到達点があるように思えるのだが‥‥」
望   「それ以上言わなくてもいいから!


●一旧 (じーーっ)
○臼井 (恰幅のいい男の絵を見つけ 指差す小節さん)


小節  「これは?」
景   「足固めが終わって いつ選挙に出ても当選は確実
     天下り先も決定して 引退後も安泰
という政治家としての到達点に達した男を描いたものだ
     望のクラスにも 似たような奴がいるんだろう?」
望   「何で知ってるの 兄さん」


景   「それ以外にも この『到達展』にはこんな絵が飾ってある」


・40代ニートの到達点
・ネットゲーマーの到達点
・ホリエモンの到達点
・松本人志の笑いの到達点
・恩義を優先した鈴木亜久里の到達点
・ある漫画家の到達点


日塔  「到達点が必ずしも ハッピーエンドってわけではないんですね」
景   「良い物事にも悪い物事にも 必ず到達点は存在するからな」


景   「ところで君たち 君たちの中の到達点と妥協点は どこにあるんだ?」
木津  「えっ?」
日塔  「いきなりそんなこと言われても」
景   「到達点とは 言い変えれば夢みたいなもの 妥協点は 夢が実現できないから 仕方なくやっている事だ
     せっかくの機会だ 自分自身の到達点と 妥協点を見直してみてはどうだ?」
日塔  「私の到達点‥‥ うーん‥‥ 私の場合は 主人公になることが到達点でしたが
     今ではAKBN84でのアイドル活動が 妥協点になっています」


●一旧 (ナーミン! ナーミン!
○臼井 (スポットを浴びるイメージを想像する日塔さん)


望   「何か 日塔さんらしからぬ発言ですね」
小節  「もうちょっと普通のこと言いなよ」
日塔  「何 そのいわれもない非難!?
マリア 「マリア 世界平和の実現が夢ダケド 実現できないってわかってるから せめて漫画界が平和になってほしいと思ってるヨ
望   「‥‥あなたが世界平和を語ると 言葉の重みが全然違ってきますね 本当に」
三珠  (本当はロケット花火を突っ込みたいけど 妥協してただの棒を突っ込んでいます)
望   「どっちもアウトですから!それは!


景   「ほほう 望の生徒たちは皆 いい到達点を持っているじゃあないか」
望   「よかったの!? 今ので!?


景   「そんなに素晴らしい到達点があるのなら 妥協なんかしていてはダメだ
     今の世の中 若いころから色んな事に妥協しすぎて 結果ダメな大人になってしまう奴が後を絶たない
     そんなだから 大人ぶってるような輩に『最近の若者は夢が無い』なんて言われてしまうんだ」
木津  「先生‥‥。」


○臼井 (回想に入る絶景先生)


景   「私も若いころは 宝くじで3000円当たって喜べるような大人になれればいいと思っていた
     だが それではダメだと気づいたんだ」
望   「‥ずいぶん妥協点低かったんですね 兄さん」
小節  「先生も人のこと言えないじゃない」


景   「今でこそ 絵の先生と呼ばれるようになった俺だが それでも目指す到達点は はるかに遠い
     しかし 一歩一歩確実に近づいてはいる それだけははっきりとわかるんだ
     妥協なんてしていてはダメだ! そんなことではいつまで経っても 到達点に立つことはできない!
     君たちはまだ若い 夢に向かって走り続けようとするひたむきな心を忘れなければ
     必ずや ゴールにたどり着くことができるだろう
     ‥今は進むべき時なのだ 夢を実現できそうに無いからといって 守りに入ってはいけないよ」


●一旧 (じわーん)
○臼井 (絶景先生の講義に涙ぐむ木津さん)


木津  「感動しました、絶景先生。私は今日より、先生の言葉を信じて、
     いつの日にか必ず、夢を実現してみせます!
     私は決して、歩むことをやめたりはしません!」
一同  「先生!絶景先生!


●一旧 (やんややんや)
○臼井 (絶景先生に集まるへ組の生徒たち ああっ 小節さんまで‥‥!)


望   「何か兄さん ものすごく美化されちゃってませんか?
     あんな扱いやすい人じゃなかったはずですが‥‥」
風浦  「チラシの裏みたいなものなんですから そこは妥協しましょうよ」





●一旧 (カー カー)
○臼井 (夕日を背に 川原の土手を歩く絶望先生と風浦さん)


望   「なんだかよくわからないですけど いい話みたいな終わり方になってしまいましたね
     私は終始ツッコミ役でしたし ずっと兄さんばかり喋っていましたし」
風浦  「こういう話も たまにはいいじゃないですか」
望   「‥それもそうですね
     私もそろそろゴールしちゃいましょうかね 人生という名の到達点に‥‥」


●一旧 (ゴゴゴゴゴゴゴ‥‥


木津  「先生。
望   「ひっ!?


○臼井 (先生と風浦さんの前に立ちはだかったのは 黒い顔をした木津さん)


望   「な 何でしょう木津さん」
木津  「私の夢は、実現がとても困難なものでしたから、妥協するべきなのではないかと迷っていました。
     ですが、絶景先生のおかげで目が覚めたんです。



○臼井 (そう言うと木津さんは)
●一旧 (黒い笑みを浮かべながら 持っていたスコップを構えた)


望   「木津さんの夢に なぜ私が絡んでいるんですか!?<」
小節  「ダメだよ 千里ちゃん
木津  「あら、あびるちゃん。
小節  「千里ちゃんの到達点は たぶん私の到達点と同じよ 独り占めは許さないわ
木津  「そう。それじゃ‥ 今回は少し妥協して、二人がかりで到達点を目指す、というのはどうかしら?
小節  「いいよ それで
望   「ええーっ!? ちょっと風浦さん!いくらなんでも この展開は唐突すぎやしませんか!?」
風浦  「きっとこれは‥‥」














風浦  「作者がオチを作ることを 妥協してしまったんですよ!














●一旧 (ダッダッダッダッ‥‥)

○臼井 (夕日を背に走る 絶望先生と木津さん
     転倒する小節さんの後ろで 執事の時田さんも走っている)


望   「いくらチラシの裏だからって こんなオチが許されるわけ
     ないだろーが!!

時田  「望坊っちゃまー!言葉が乱れておりますぞー!!





●一旧 (パーンパーン キャインキャイン)
○臼井 (宿直室に花火の音が響き渡る)


小森  「なんだか今日は 花火の音と 犬の鳴き声がうるさいね」
交   「こんな季節に花火なんかすんなよ!うるせーぞ!」










マリア 「『改造 到達点』で検索シタラ なぜかエッチな文章が引っかかったゾ
臼井  「僕らに尋ねられても‥‥」
一旧  「やったー!

景   「やっぱり黒がいい」



[30532] 投放見聞録
Name: 坪井幹久◆bc4c234a ID:b3e9cfcc
Date: 2011/11/26 09:01
出演

・糸色望        超ネガティブ教師
・風浦可符香     超ポジティブ少女
・音無芽留      毒舌メール少女
・木津千里      几帳面・粘着質少女(猟奇癖あり)
・小節あびる     しっぽ好き・被DV疑惑少女
・小森霧        ひきこもり少女(望・交と宿直室で生活中)
・関内・マリア・太郎 不法入校・難民少女
・日塔奈美      普通少女
・糸色倫        糸色望之妹
・糸色交        糸色望の甥(望・小森と宿直室で生活中)

友情出演

・前田君        アシスタントの人
○常月まとい     ストーカー少女
●藤吉晴美      耳好き・カップリング中毒(腐女子)










○常月 (ヒュー カタカタ)
●藤吉 (風に吹かれて 宿直室の窓が音を立てる)
○常月 (ここは私たちの学校の宿直室)
●藤吉 (絶望先生と小森ちゃんと交くんが こたつに入りながらテレビを見ている)


小森  「早めにこたつ出しておいて正解だったね」


○常月 (と言ったのは 引きこもり女の小森霧)
●藤吉 (テレビには プロ野球の契約更改のニュースが流れている)


交   「プロ野球の契約更改の話題が出てくると もうすぐ冬だって気になるよな」


●藤吉 (とテレビを見ながら言ったのは 絶望先生の甥っ子の糸色交くん)


望   「契約更改ですか‥ 契約更改なんて 大体ろくなことがありませんよ」


○常月  (プランと比較して もったいない携帯電話の使い方をしていた事を知る)
●藤吉  (かけている保険が他社よりずっと高額な事を知る)


望   「まさに契約後悔
交   「うまい事言ったみたいな顔すんなよ」


テレビ 「次に契約更改に挑んだのは 日公の田中翔選手です」


小森  「あっ この子 昔甲子園で騒がれていた子だよね」
望   「ええ 入団してからもう3年も経つんですね」
交   「だけど今になってみると みんなが騒いでたほど 特別すごい成績出してるわけでもないよな」
望   「何を言っているんですか 彼は今シーズン4番も任されていたんですよ
     プロの舞台で4番に立つことが どれだけ難しいと思っているんですか」
交   「でも 皆が期待していたより結果が下だと 何かがっかりするじゃないか」


○常月 (ズズズズズ)
●藤吉 (湯飲みのお茶を飲む小森ちゃん)


小森  「それにしてもこの子 昔は皆大騒ぎしていたのに 今じゃ全然騒がれなくなっちゃったよね」
望   「ふーむ‥‥」


○常月 (何かを考えるしぐさをする絶望先生)


望   「なるほど これは投げっ放しですね」
小森  「投げっ放し?」


●藤吉 (いつものように 突然訳のわからないことを言い出す先生)


望   「後先を考えず物事を持ち上げておいて 熱気が去ったらそのまま放置する‥‥ それが投げっ放しです」
小森  「そんな言葉あったっけ?」
交   「今考えたんだろ」
望   「思い返せば今の世の中 投げっ放された人や物たちが
     そこら中にごろごろと転がっているではありませんか!」





望   「騒ぐだけ騒いでおいて ある時を境にぱったりと情報がなくなる
     政治家の汚職・失言とか!


望   「生キャラメルで散々持ち上げておいて 今じゃ名前を挙げても
    「ああ、そんなのもあったね」程度の反応しか返ってこない ●畑牧場とか!


望   「散々世間を騒がせておいて 気がついたらよくわからないまま
     決着がついていた ミッチーvsサッチーとか!






望   「安易に投げっ放すのはやめて下さい!


・のまネコ問題
・宗男vs真紀子
・小力のパラパラ
・女子カーリング日本代表
・楽しい仲間がぽぽぽぽーん
・「そんな装備で大丈夫か?」
・AKBに乗り換えたモー娘ファン
・旅に出たジョカトーレ
・パーソンオブザイヤー2001
・単行本やDVDは投げっ放さずに購読・視聴しましょう


小森  「投げっ放す方も問題だけど 投げっ放す人たちの言ってる事に
     簡単に踊らされるような人たちも それはそれで問題だと思うけどね」
望   「絶望した!投げっ放し社会に絶望した!


○常月 (場所は変わって ここはへ組の教室)
●藤吉 (黒板には 鷹日本一と書かれている)


望   「というわけで 皆さんが何でも投げっ放すような大人にならないよう
     皆さんが投げっ放してしまったものを 再確認していただきます」
日塔  「そんな事言われても 私たち何も投げっ放してなんかいませんよ」
木津  「ああ、私思い当たる事があります。先日、奈美ちゃんに――」


日塔  (千里ちゃん 駅前にジェラート屋ができたんだって 今度行ってみなよ)
木津  (へー、そうなんだ。)


○常月 (ガヤガヤ)
●藤吉 (ガヤガヤ)


木津  (行ってきたわよ、そのお店。)
日塔  (すごかったでしょ まだ私行ってないけど)
木津  (えっ。


木津  「って。」
望   「ああ‥ 確かにいますね まだ行ってないのに やたらと人気店をプッシュしたがる人」
小節  「そういえば私も‥‥」


日塔  (あびるちゃんが勤めてる動物園 すごい芸をやる動物がいるらしいね)
小節  (うん)
日塔  (いつ行けばその芸 見れるの?)
小節  (次の日曜の12時頃に来るといいよ)


○常月 (ワーワー)
●藤吉 (パチパチパチ)


日塔  (わー すごーい! よし 芸も見たし 帰ろっと)
小節  (えっ


小節  「って」
望   「バレーボールの試合なんかでも そういう人いますよね
     アイドルグループの歌だけ聴いて 帰っちゃう人とか‥‥」
音無  (スッ)


○常月 (と もじもじしながら手を上げたのは)
●藤吉 (毒舌メール少女の 音無芽留ちゃん)


望   「おや 音無さん あなたも何か心当たりがあるのですか?」
音無  「―――」


日塔  (芽留ちゃん 面白い携帯ゲーム見つけたから 教えてあげるよ)


○常月 (ピロリパラピリポラ)
●藤吉 (パロピロパペンパ)


音無   [で お前はどこまで進んだ?]
日塔  (ああ あのゲーム 一時間やったら なんか飽きちゃった)
音無  (―――


音無  (って)
木津  「ああ、それ私も言われました。」
日塔  「ちょっと! 何でみんな私ばっかり 例に挙げるのよ!」
小節  「奈美ちゃんがミーハーだからでしょ」
望   「まあ 何と言うか‥ 日塔さんが投げっ放してるだけあって どれもいたって普通の事ばかりですね」
日塔  「普通って言うなあああ!!


風浦  「投げっ放しがダメなんてことありませんよ 先生
     世の中には 投げっ放したほうがいい事だってあります」


○常月 (先生たちの会話に割って入ってくる可符香ちゃん)


望   「‥と いいますと?」
マリア 「マリア 国を投げっ放して 日本に渡って来たゾ
望   「あ‥‥」
マリア 「やっぱりマリア 国に帰ったほうがイイノカ?
望   「ああ いえ そういう意味で言っているわけでは‥‥」


風浦  「それに 近年のエコブームに乗っかる形で
     投げっ放された者たちをリサイクルする人も 増えているんですよ」
望   「そうなんですか?」
風浦  「倫ちゃんなんかも 投げっ放しのリサイクルに貢献している人たちの一人です」
倫   「その通りですわ お兄様」


●藤吉 (先生にお尻を向けて登場したのは)
○常月 (先生の妹の 糸色倫ちゃん)


倫   「我々糸色家も 近年の風潮に合わせて 糸色リサイクルセンターを稼動させたばかりではありませんか」
望   「私は何も知らされていませんよ さてはまた 何かよからぬ事を企んでいますね 倫」
倫   「相変わらず疑い深い人ですわね お兄様は そこまで言われるのならば ご案内しましょう
     我が糸色家の誇る 投げっ放された者たちのリサイクルセンターへ」


●藤吉 (ブロンロン ブロンロン)
○常月 (ガラガラ ガラガラ)
●藤吉 (場所は変わって ここは糸色リサイクルセンター)


日塔  「リサイクルセンターって言われたから てっきり野村再生工場みたいなのだと思ってたけど‥‥」
木津  「思ってたよりも、ずっと工場らしい設備ね。」
倫   「世間から投げっぱなされた者たちが この工場によってリサイクルされ
     ふたたび世間に還ることになるのです」


○常月 (ゴウンゴウン)
●藤吉 (ベルトコンベアから 人が流されてくる)


日塔  「あ 向こうから誰か流れてくるよ」
木津  「誰かしら?」


○常月 (ゲッツ
●藤吉 (なんでだろう
○常月 (残念
●藤吉 (そんなの関係ねぇ
○常月 (ヒロシです
●藤吉 (フォ―――!!


日塔  「ああ‥ 一発屋芸人とかも ある意味投げっ放された人たちだよね」


●藤吉 (何で私にゲイ人のモノマネなんかさせるのよ!)
○常月 (ちなみに 私の元カレの名前はたかしです)


倫   「たとえ一発屋とて 時代を席巻していたことは事実
     才能はまだまだ枯れてはいないだろう
     少し前に このレーンの担当長が逮捕されてしまったせいで
     リサイクル作業が滞っていたのだが‥‥
     もうすぐ現場に復帰するという噂も出ているようだな」
日塔  「ああ 私も見ました その話‥‥」


○常月 (ゴウンゴウン)
●藤吉 (ステルスと書かれた服を着た人が流れてくる)


小節  「あの人は?」
倫   「開幕直前に急遽シートが決まった F1ドライバーだ
     シーズン途中で解雇されて ここに来たらしい
     まあ あいつは最近 毎年のようにこの工場に流れてくる奴だから
     心配しなくても またすぐにリサイクルされるだろう」
望   「リサイクルの常連ってのも あまり気持ちのいい話ではありませんね‥‥」


風浦  「こんな具合に各業種 各団体 みんな積極的にリサイクル活動を行っているんです
     先生の部屋の中に眠っている物たちも リサイクルできるものがあるかもしれませんよ」
望   「言われてみれば 確かにそうですね ここは教師として生徒の手本になれるよう
     部屋に溜まっている物を分別してみますか」


○常月 (場所は戻って 私たちの学校の宿直室)
●藤吉 (大きなダンボール箱を運ぶ 絶望先生)


望   「小森さん これは必要な物ですか?」
小森  「それはもういらないから 捨ててもいいよ」
望   「交 これは?」
交   「別に捨ててもいいぞ もう見ないし」


○常月 (いらないものの山を眺めながら 額の汗をぬぐう先生)


望   「掘り返してみると 意外に見つかるものですね
     これらが果たして 何にリサイクルされるのでしょうか」
風浦  「いらないものを出せばいい というわけではありませんよ 先生
     リサイクルできるものと 廃棄するものを 分別しておかないと」
望   「おっといけない そうでした」


○常月 (梨アイス)


望   「リサイクル!


●藤吉 (プルサーマル)


望   「廃棄!


○常月 (晴美ちゃんが描いた恥ずかしい本)


望   「リサイクル!


●藤吉 (それはリサイクルしなくてもいいのよ!
○常月 (前田君が落としたサイフ)


望   「お金だけ手元に入れて廃棄!


前田君 (ひどい!
○常月 (オコジョの人形)


望   「ん ‥んん?」
風浦  「どうされましたか?」
望   「こんな人形 部屋に置いた覚えはないのですが‥‥
     気味が悪いですし これも廃棄しましょう」


●藤吉 (次の日)


望   「おや? おかしいですね‥‥ なぜ処分したはずの人形が ここに置いてあるんでしょう?」


○常月 (先生の目の前の棚には)
●藤吉 (昨日捨てたオコジョの人形が置いてある)


望   「交 この人形 ここに戻しましたか?」
交   「俺は何もしてねーぞ」
望   「‥‥まさかこの人形」


○常月 (さらに次の日)


望   「やっぱり戻ってきている!?」


●藤吉 (棚の上に置かれているオコジョの人形を見て 驚く絶望先生)
○常月 (と そこに可符香ちゃん登場)


風浦  「なるほど これは‥‥」















風浦  「リサイクル人形ですね!」















風浦  「処分した人形すらもリサイクルさせているなんて さすがです 先生!」
望   「どう見ても呪いの人形でしょうが!」
交   「い 今目が光ったぞ こいつ!」


マリア 「いらない物があるナラ マリアが引き取るゾ
     日本 本当に豊かな国なのナ!
















常月  「先生に処分されちゃった隠しカメラも 逐一リサイクルしておかないとね」
藤吉  「犯罪だから それ!



[30532] 『肩書きで言うな!』とメロスは、いきりたって反駁した
Name: 坪井幹久◆bc4c234a ID:b3e9cfcc
Date: 2011/11/26 02:15
出演

・糸色望        超ネガティブ教師
・風浦可符香     超ポジティブ少女
・木津千里      几帳面・粘着質少女(猟奇癖あり)
・木村カエレ      人格バイリンガル少女
・小節あびる      しっぽ好き・被DV疑惑少女
・関内・マリア・太郎  不法入国・難民少女
・日塔奈美      普通少女
・常月まとい     ストーカー少女
・一旧         糸色望之旧友(1日友)

友情出演

・とあるカップル   既視感のあるカップル
○小森霧       ひきこもり少女(望・交と宿直室で生活中)
●糸色交       糸色望の甥(望・小森と宿直室で生活中)










○小森 (ヒュー ヒュー ヒュー)
●交  (冷たい風が吹いている)
○小森 (ここはゴールデン銀座商店街)
●交  (商店街の壁には 『酒に決まってる 冥福を』と書かれた紙が張られている)
○小森 (そこに現れたのは へ組の生徒の可符香ちゃん 奈美ちゃん あびるちゃんの3人)


風浦  「最近になって 急に寒くなったね」
日塔  「ホント 突然冷え込みだしたもんね」
小節  「寒さに慣れてない分 今の時期はある意味 本当の冬場よりもしんどいよね」


●交  (ブロンロン ドゴオオオ
○小森 (突然商店街に爆音が鳴り響く)


日塔  「何だろ この爆音」
風浦  「あの車の音かな?」


●交  (ブロンロン ゴラアアア
○小森 (可符香ちゃんが指差した方向から 青色の古そうな車がやってくる)


小節  「あら 何だかすごそうな車」
日塔  「けっこうシブそーなカンジだね」
風浦  「あの車 こっちに向かって来るよ」


●交  (ブロンロン シュバアッ
○小森 (青い車が3人の前に止まる)
●交  (青色の車の窓が降り 運転手が車内から手を振った)


一旧  「やあ みんな」


○小森 (と言ったのは 先生の一日友の一旧さん)


風浦  「一旧さん!」
小節  「どうしたんですか この車」
一旧  「たまたま廃車置き場に転がっていたのを 板金屋に頼んで直してもらったんだ
     こういう車も なかなシブいだろう?」


○小森 (キラッ)
●交  (一旧さんの歯が光る)


日塔  「見るからに旧車だし 色も一旧さんの服と同じだもんね」
一旧  「何でもこの車 以前は『悪魔』なんて呼ばれていたそうだが‥‥
     ま 私には関係のないことだ それじゃ 私はもう行くよ」


○小森 (と言うと 一旧さんは爆音を鳴らしながら どこかに行ってしまった)


日塔  「一旧さんって 古いカローラに乗ってるイメージあるから
     ああいう車に乗ってると ちょっと違和感感じるね」
小節  「私からしたら タイヤが4つあれば どれもみんな同じだけどね」
女性  「キャー! アキオ 今の車なに!?」


●交  (突然 3人の近くにいたカップルの女が騒ぎ出す)


女性  「ひょっとしてあれってフェラーリ!?」
男性  「違うよ レイナ 今のは『フェアプレイ』っていって
     一昔前に活躍していた 日本の車だよ」
女性  「すごーい! 何でそんなこと知ってるの!?」
男性  「そりゃあアレだよ 俺 『走り屋』だし」





望   「いますよねぇ 特に必要なわけでもないのに 自分から肩書き名乗っちゃう人って」
小節  「先生」


○小森 (道路の陰から現れたのは 我らが絶望先生)


望   「普段から肩書きを背負わない人というのは
     なぜか どうでもいいような肩書きを 自分から進んで背負いたがるものなのです!」





望   「たいして業務内容が変わるわけでもないのに 副○○代理とか名乗っちゃったり!

代理  「副店長代理の松本です

望   「あまりにもシチュエーションが限定的すぎる ギネス記録を自慢してみたり!

オヤジ 「世界一大きな おにぎりプリンです

望   「ネットゲームにありがちな○○王 ○○姫といった称号は 自己陶酔以外の何物でもありません!





望   「絶望した!意味のない肩書きを背負いたがる人々に絶望した!


●交  (相変わらず どうでもいいような事にいちいち絶望する絶望)
○小森 (交くんも大変だね 先生みたいなのが保護者役で)
●交  (‥‥もう慣れたよ)





常月  「意味のない肩書きを 背負いたがる人もそうですけど‥‥
     勝手に肩書きを背負わせたがる人というのも 迷惑なものですよね」
望   「いたんですか」
常月  「ええ」


○小森 (先生の後ろから現れたのは ストーカー女の常月まとい)
●交  (肩書きぐらいちゃんと言ってやんなよ)
○小森 (前回の仕返しだよ)


常月  「私などまさに 肩書きを背負わされた人間の典型‥‥
     幾度となく『愛が深いだけ』と主張してきているのに
     なぜ世間は ストーカーなどといふ
     いわれなき肩書きを私に背負わせたがるのでしょうか!」
望   「それはあなたがストーカーだからでしょ!
小節  「まといちゃんはともかく 何かにつけて肩書き背負わせたがる人って 確かにいますよね
    『地震大国日本』とか『経済大国アメリカ』とか」
望   「ニュースとかバラエティ番組なんかでは そういう言い回し 多用しますもんね」


マリア 「『スパム大国●●』トカ 『コピー大国●●』トカ よく聞くもんナ
望   「わ――っ!!


●交  (道路の影から音も無く登場するマ太郎)
○小森 (問題発言だよ マ太郎)


マリア 「マリア 他にもいろんな大国 知ってるゾ
望   「言わなくていいですから!そういう事は!


日塔  「あだ名なんかも ある意味肩書きみたいなものですよね
     名は体を表すようなやつとか 特に」
風浦  「『なみ平』とか?」
日塔  「なみ平って言うなああ!





望   「勝手に肩書きを付け加えたがる世間に絶望した!




・イチロー伝説
・東原亜紀伝説
・太ってるだけでハート様
・眼鏡かけてるだけでのび太
・毎年球団につけられる打線名
・先輩芸人が勝手に決めた芸名
・洋楽歌っただけで洋楽マニア
・『バファ●ンの半分は優しさでできています』
・誰だよ俺のことイジリー岡田とか言い出したの





○小森 (ザザッ)


木津  「まさにその通りです、先生。」
望   「おや 木津さん」


●交  (絶望の背後から 木津のねーちゃんが現れる)


木津  「勝手に肩書きを名乗る輩や、勝手に肩書きをつける輩のせいで、
     間違った肩書きを背負ってしまっている人間が、この世には大勢います。
     せっかくのいい機会ですし、間違った肩書きを騙る輩は、
     私がこの手できっちりと訂正することとしましょう。
望   「えっ」


○小森 (スコップを構えて微笑む千里ちゃん)
●交  (それに呼応するように 鈍い光を放つきっちりスコップ)


日塔  「ああ また厄介なことになった‥‥」
木津  「さあ出てこい!偽りの称号を持つ者たちよ!
望   「ああ ちょっと木津さん! 早く木津さんを止めないと!」
風浦  「私に任せてください!」


●交  (タッタッタッタッ するんぱし)
○小森 (暴走した千里ちゃんの腕を掴む可符香ちゃん)


風浦  「待って!千里ちゃん! そんなに慌てて探さなくても
     もっと身近な所に肩書きを直すべき人たちが いっぱいいるよ!」
木津  「例えば?
風浦  「例えば‥‥」





風浦  「2のへ組のみんなとか!





望   「‥‥ああ」
小節  「‥‥‥」
日塔  「なぜそっちに振る!?


●交  (青ざめる絶望と日塔のねーちゃん)
○小森 (あびるちゃんはいつものように冷静だ)


木津  「言われてみれば、確かにそうね。私のクラスにも、
     間違った肩書きを名乗っている人たちが、たくさんいるわ。
     その話乗るわよ、カフカちゃん!」


○小森 (千里ちゃんの目はとても生き生きとしている)


望   「ああ 木津さんの目がいつも以上に輝いて見える‥‥」
木津  「間違った肩書きを背負う者よ、私がこの手で成敗してくれる!
望   「訂正じゃなくて成敗になってますよ!?」


○小森 (ずびしっ)


木津  「まずはあなた。


●交  (勢いよく日塔のねーちゃんを指差す木津のねーちゃん)


日塔  「ええっ 私!?」
木津  「あなた、肩書きは何だったかしら?
日塔  「何って そんなものないよ!」
木津  「ウソおっしゃい!あなたには『普通少女』という、立派な肩書きがあるじゃない!





         『普通少女』 日塔奈美





日塔  「普通って言うなああ!
     ‥‥って あれ? そこを突っ込まれるってことは
     私もう『普通じゃない』ってこと?」
小節  「言われてみれば確かに 最近奈美ちゃん 普通じゃない事多いよね
     塩を調達するために わざわざ沖縄まで飛んだり」
マリア 「夏休みニ激太りするのがお約束ダッタリ
望   「いつぞやの学校のお暇を頂いた時なんか ラーメン食べるためだけに
     人の家の壁を破壊してましたもんね」
マリア 「ラ・ア・メン!!って叫んでたナ


○小森 (詳しくは単行本参照だよ)


日塔  「それは確かに普通じゃないけれど!
     でもまあ これで『普通少女』から脱却できるのなら
     そのぐらい小さなことよ!」
小節  「人の家壊したのは小さくないと思う」
木津  「もはや普通ではないあなたに、『普通少女』という肩書きは不適当だわ!
     あなたは今日から、この肩書きを名乗りなさい!






          『一般人』 日塔 奈美





木津  「訂正完了!
風浦  「一般人!」
マリア 「イッパンジン!
一般人・日塔
    「一般人って言うなああ!!


望   「‥まあ 一言に一般人って言っても いろんな人がいますからね」
常月  「使い勝手いいですからね 『一般人』って」
マリア 「マリアも肩書き 変えないといけないのカ?
木津  「マリアの肩書きには、何も間違ったことは書かれてないから、
     そのままでいいのよ。」


●交  (ずびしっ)


木津  「さて、次はあなた。


○小森 (目を鈍く光らせてあびるちゃんを指差す千里ちゃん)


小節  「わたし?」
木津  「あなたの肩書きは何だったかしら?
小節  「『しっぽ好き・被DV疑惑少女』だったと思う」





      『しっぽ好き・被DV疑惑少女』 小節あびる





小節  「なにも問題ないと思うけど」
木津  「あなたの『被DV疑惑』は、初登場回で既に晴れてるでしょ!
小節  「‥‥ああ そういえば」
木津  「あなたはいつまでその間違った肩書きを名乗るつもりよ!?
     不適当な肩書きは削除よ 削除!!






         『しっぽ好き』 小節 あびる





木津  「削除完了!
しっぽ好き・小節
    「‥‥‥ふっ」
望   「‥何か 少し喜んでませんか?」
しっぽ好き・小節
    「元々ネガティブな意味合いの肩書きでしたから」
マリア 「こっち(しっぽ好き)は直さなくていいのカ?
しっぽ好き・小節
    「これを取っちゃったら わたしが包帯巻いてる理由がなくなっちゃうじゃない」
一般人・日塔
    「そういう問題なんだ‥‥」


カエレ「どうしたんだお前ら こんなまっ昼間から大騒ぎして」


●交  (ファーストフード店のカップを手に現れたのは)
○小森 (人格バイリンガル少女の 木村カエレちゃん)
●交  (それを見てまた目を輝かせる木津のねーちゃん)


木津  「ついに出たわね。我らがへ組の中で、最も不適切な肩書きを背負いし者!
カエレ 「な 何だよいきなり」
木津  「あなた、肩書きは何だったかしら?
カエレ 「肩書き?」
望   「木津さんがみなさんの肩書きを 訂正してるんですよ ‥‥いろいろあって」
カエレ 「あたしの肩書きは『人格バイリンガル少女』 何も間違っちゃいないだろ?」





       『人格バイリンガル少女』 木村 カエレ





○小森 (ギリリリリ)
●交  (木津ねーちゃんの黒い顔がさらに引きつる)


木津  「じゃあその設定と訴訟ネタ、およびパンチラネタ
     今までどちらを多用してきたかしら?

カエレ 「それはまあ‥ 後者だけど‥‥」
木津  「今この漫画を読み始めた人たちに、『人格バイリンガル少女』なんて解説をつけても、
     意味がわからないと言われるに決まっているでしょ! あなたの適切な肩書きはこれよ!!



 


      『訴訟少女(パンチラ担当)』 木村 カエレ





木津  「訂正完了!
訴訟少女(パンチラ担当)・カエレ
    「訴えてやる!!
望   「これはまた酷い肩書きを‥‥」


●交  (木津のねーちゃん カエレのねーちゃんの事 嫌いなのか?)
○小森 (さあ?)


風浦  「そんな カエレちゃんの元の肩書きは 不適切と言う程の肩書きでもないよ
     それに私 このクラスの中で もっと不適切な肩書き持ってる人 知ってるよ」


○小森 (千里ちゃんたちの間に割って入る可符香ちゃん)


望   「だからなぜ あなたは被害を広げようとするのです!?」
木津  「思い当たらないわね。誰かしら?
風浦  「千里ちゃんの目の前にいるよ」
望   「えっ」


●交  (木津のねーちゃんの目の前にいたのは)
○小森 (案の定 絶望先生)


望   「なんで私なんですか!?
しっぽ好き・小節
    「‥‥そういえば先生 この6年間の間で まともに授業をやってたことって ほとんどないですよね」
訴訟少女(パンチラ担当)・カエレ
    「よく課外授業と称して あたしらを連れ出すけど その課外授業とやらに
     男子生徒をつれて来た試しなんて 一度もないよな?」
マリア 「休みにの日はクラスの女の子連れて みんなで遊びに行ったりしてるもんナ
望   「何ですかみなさん!これみよがしによってたかって!
     そんな事言うなら もう死んじゃおっかな」


○小森 (いつもの流れで ロープに手をかける絶望先生)


一般人・日塔
    「やたら死にたがるのも 普通の先生だったら やらないことですよね」
望   「ひ 日塔さんまで!


木津  「先生が教師として失格であることは、もはや明白!
     みんな、先生の肩書き削除に、異論はないわね?

一般人・日塔
    「はーい」
訴訟少女(パンチラ担当)・カエレ
    「はーい」
しっぽ好き・小節
    「はーい」
望   「ちょっとお!」





     『超ネガティブ』 糸色 望





木津  「削除完了!
風浦  「なんだかスッキリしましたね!」
超ネガティブ・望
    「散髪したみたいに言わないでください!
一般人・日塔
    「先生の肩書きが取れちゃったから もう先生の事 先生って呼べないよね?
     何て読んだらいいんだろ?」
しっぽ好き・小節
    「『糸色さん』辺りでいいんじゃない?」





常月  「望さん‥‥!





●交  (いつのもいい声で絶望を呼ぶまといのねーちゃん)
○小森 (ぷんすか)


超ネガティブ・望
    「あなたが言うと 生々しいですから」
一般人・日塔
    「でも『望さん』って 結構いい響きだよね」
しっぽ好き・小節
    「じゃあ『望さん』に決定ね」





風浦  「望さん!」
木津  「望さん‥‥!」
一般人・日塔
    「望さん!」
しっぽ好き・小節
    「望さん」
マリア 「ノゾムサン!
楓   「望さん‥‥
常月  「望さん‥‥!」
○小森 「望さん‥‥」
超ネガティブ・望
    「ちょ ちょっと みなさん!」


風浦  「リトマス試験紙ですよ皆さん 普通に脳内再生できたら勝ちです」


●交  (何やってるの 霧ねーちゃん‥‥)
○小森 (いいじゃん 私も混じったって)


風浦  「それはそうと 教師の肩書きがなくなってしまったわけですから
     漫画のタイトルも変えないといけなくなってしまいたね」
訴訟少女(パンチラ担当)・カエレ
    「確かに今のままだと タイトルに偽りありだもんな」
マリア 「イッソ派手ニヤッチャウカ?
超ネガティブ・望
    「え? さすがにそれは 色んな意味で問題がある気が‥‥」





       『さよなら絶望』





木津  「削除完了!
しっぽ好き・小節
    「なんか中途半端な感じだね」
常月  「『さよなら』が余計なんじゃないかしら」





         『絶望』





木津  「削除完了!
一般人・日塔
    「ずいぶんシンプルになったね」
しっぽ好き・小節
    「なんか文庫本のタイトルみたい」
超ネガティブ・望
    「人の漫画のタイトルで遊ばないでください!


●交  (バニッ バニッ)
○小森 (見えない空間をバンバンと叩く絶望先生)


超ネガティブ・望
    「大体 こんなタイトルでギャグマンガなんかやったって 人気が出るとお思いですか!」
しっぽ好き・小節
    「原作タイトルそのまま使っても 不人気な造作なんかもあるけどね」
風浦  「大丈夫ですよ望さん!望さんにはまだ一つ とっておきの肩書きが残ってるじゃないですか!
超ネガティブ・望
    「とっておきの肩書きって‥ ま まさか‥‥」
風浦  「新しいタイトルが不満なら いっそ追加しちゃいましょうよ





風浦  「『あの肩書き』を」





超ネガティブ・望
    「ああ ちょっと それだけは‥‥!」















        『絶望ビックバン』
    『ビックバンネガティブ』 糸色 望

















風浦  「ビックバン望!」
マリア 「ビックバンノゾム!


ビックバン望
    「その肩書きで言うなああ!!


○小森 (詳しくは単行本参照だよ)
●交  (あんまり原作ネタ多用しすぎると 知らない人からソッポ向かれるぞ)





一休  「深夜の首都高で車が燃えてしまって‥‥
     またいつものカローラ生活に逆戻りです」
訴訟少女(パンチラ担当)・カエレ
    「そこまで元ネタに忠実なオチを用意しなくても‥‥」















一般人・日塔
    「普通少女を脱却できたかと思ったのに 次の肩書きは一般人‥‥
     やっぱり私は 普通という運命から逃れられないんだろうか‥‥」
風浦  「きっと名前がダジャレなのがいけないんだよ この際思い切って改名してみたら?」





        『大食い少女』 大川 里代





風浦  「おかわりちゃん!」
マリア 「オカワリチャン!
大食い少女・大川
    「これはこれで何かイヤだ‥‥」



[30532] わかれ未地
Name: 坪井幹久◆bc4c234a ID:b3e9cfcc
Date: 2011/11/30 20:01
主演

・木津千里      几帳面・粘着質少女(猟奇癖あり)
・藤吉晴美      耳好き・カップリング中毒(腐女子)
・酒井さん       県境マニア(オリジナル)

友情出演

・抗議の男      
・抗議の女
・イージス      
・艦長
・乗組員A
・乗組員B               
○風浦可符香     超ポジティブ少女
●糸色望        超ネガティブ教師










木津  「今回私たちは、少しばかり遠出をしています。」


●望  (ガタンゴトン ガタンゴトン)
○風浦 (ここは東京の県境を走る電車の車内)
●望  (窓の外には 東京郊外の緑の混じった町の景色が広がっている)
○風浦 (流れ行く緑たちを眺めているのは木津千里ちゃん)


木津  「景色に畑や林が増えてくると、もうすぐ東京から埼玉になるんだなって思うよね。」
藤吉  「普段いる所は どこを向いてもビルばかりだもんね」


●望  (と漫画を読みながら答えたのは)
○風浦 (耳好き・カップリング中毒で 千里ちゃんの幼馴染の 藤吉晴美ちゃん)


木津  「何となく郊外まで来てみたけど‥‥。何か面白いものでもないかしら。」


○風浦 (退屈そうに窓の外を眺める千里ちゃん ここで車内にアナウンスが流れる)
●望  (次は秋津~ 秋津~)


木津  「ん?」
藤吉  「どうかしたの?」
木津  「晴美、あの人何やってるのかしら?」
藤吉  「どこ?」
木津  「ほら、あそこ。」


○風浦 (千里ちゃんが指差す方向には)
●望  (駅のホームで反復横飛びをする 中年男性の姿がある)


木津  「せっかくだし、降りてあの人に何をやってるのか、聞いてみましょ。」
藤吉  「えー やめとこうよ」


●望  (プァーン)
○風浦 (電車がホームを離れていく)
●望  (小さくなっていく電車を見届けた後 木津さんが先程の男性に話しかける)


木津  「すいませーん。一体何をされているんですか?」
男   「ああ これかい?実は僕が今いる場所は 東京と埼玉の県境なんだよ」
木津  「県境?
男   「僕から見て右側が埼玉 左側が東京なんだ」
藤吉  「はあ」
木津  「それで あなたは何をされているんですか?」
男   「見ての通り 反復横飛びで東京と埼玉を何度も往復しているんだよ
     こういうシチュエーションを見ると どうにも我慢できなくてね」


●望  (そう言うと 男性は二人の目の前で また反復横飛びをし始める)


藤吉  「ああ‥いるよね 県境とかに来ると変な行動する人って
     後ろ向きに歩いて入るとか ジャンプしながら入るとか‥‥」


○風浦 (複数人で県境に来ると せーので同時に入ったりもしますよね)
●望  (地名が変わるだけで 他に何か変わるわけでもないですのにね)


男   「せっかくですから あなた方もやられてみてはいかがですか?」
藤吉  「いえ 私は結構です‥‥」
木津  「ふーん。県境、ねぇ‥‥。」


○風浦 (ツカツカ)
●望  (男性の前に歩み寄る木津さん)


木津  「どのあたりが県境なんですか?」
男   「ちょうど私が立ってる所が県境だよ」
木津  「なるほど、なるほど‥‥。」















木津  「右分け目が東京! 左分け目が埼玉! ここが勝負の分かれ目よん。















木津  「気持ちいですね、これ!
男   「そうでしょう そうでしょう!」
藤吉  「‥‥‥」


風浦  (案の定 おじさんの言葉に乗ってしまう千里ちゃん)
望   (木津さんって こういうの好きそうですからね‥‥)


男   「さあ あなたもご一緒に県境瞬間移動を!」
木津  「うなっ!
藤吉  「千里まで一緒にやらなくてもいいのよ!





酒井さん「申し遅れました 私県境マニアの酒井と言います
     日本各地のありとあらゆる県境を訪れては こうして反復横飛びをしているのです」
木津  「酒井。
藤吉  「酒井
酒井さん「ああ‥ 念のため言っておきますが あなた方がよく知る方とは無関係ですので‥‥」
藤吉  「言わなきゃ誰も突っ込まなかったのに」
木津  「自分からマニアを名乗るからには、当然その手の地理には詳しいんですよね?」
酒井さん「もちろんですとも」





○風浦 (場所は変わって ここは駅の外)
●望  (コンビニの張り紙には 『面白い恋人入荷』 と書かれている)


酒井さん「ここが県境なんですけど お二人には何が違うかわかりますか?」
藤吉  「一見すると 何も変わりないように見えますが‥‥」
木津  「もしかして、これですか?」


●望  (足元にある側溝を指差す木津さん)


酒井さん「おお!よく気づきましたね!
     実はこの側溝 東京側と埼玉側ではデザインが違うんですよ」
藤吉  「へー こんな所にも県による違いがあるんですか」
酒井さん「それに この駅は東京と埼玉の県境だけでなく
     東村山市と清瀬市の『町境』まであるんです
     こっちはマンホールのフタを見れば 一目瞭然ですよ」
藤吉  「確かに デザインが全然違いますね」


○風浦 (実際にどのようにデザインが違うかは 現地で確認してくださいね)
●望  (絵がないと何かと不便になってしまうネタってありますよね‥‥)


木津  「ということは、この駅には境目が3つもあるってことですか?」
酒井さん「その通り 少し歩数を増やせば 3つの境目を反復横飛びで移動することもできますよ」
藤吉  「しなくていいですから!





○風浦 (場所は変わって ここはとあるショッピングセンター)


酒井さん「この店なんかは 県境マニアの間では有名ですよ」
藤吉  「ぱっと見、普通のショッピングセンターに見えますけど。」
酒井さん「この店は 駐車場と店内がまるまる県境になっているんです
     駐車場と店内にそれぞれ線が引いてあって どこに県境があるかがすぐにわかるんですよ」
木津  「あら、本当ですね。」
酒井さん「昔は県境マニアの間で 反復横飛び大会が開かれたりもしたんですが‥
     最近はなかなか開催してもらえなくなりまして」
藤吉  「やってたんだ 本当に‥‥」
酒井さん「そんな私の この店のオススメの楽しみ方がこれです」


●望  (ぶるんたった)
○風浦 (車に乗って現れる酒井さん)


木津  「車?」
酒井  「車の中央を県境に分断されるように停めることで 運転席側と助手席側で全く違う県となるのです!
     後部座席に寝転べば 上半身と下半身が違う県で眠るという不思議体験もできますよ!」
藤吉  「は はあ‥‥」
酒井  「そしてお約束の反復横飛び」
木津  「うなっ!
藤吉  「だから反復横飛びはもういいですって!





●望  (またまた場所は変わって ここは東京と神奈川の県境)
○風浦 (テクテク テクテク)
●望  (二つの県の境目の道を歩く3人)


藤吉  「また東京に戻ってきましたね」
酒井さん「今私たちが歩いているのは 東京と神奈川の県境です」
木津  「あら、何ですか?この張り紙。」


○風浦 (壁の張り紙には)
●望  (関係者以外立ち入り禁止 と書かれている)


酒井  「ここが東京と神奈川の県境になっているのですが なぜか飛び地になっているうえ
     巨人の2軍用の球場の中に県境があるため 残念ながら県を跨ぐことができないのです
     つまり この先の県境は読売巨人軍関係者しか入ることができぬ聖域
     私の情報筋によりますと この聖域に踏み入るためだけにに巨人軍に入団した者は
     全選手の実に7割にも上るそうです」
藤吉  「そんなわけないでしょ!
酒井さん「ああ残念だ! 目の鼻の前に県境があるというのに そこを歩くことができないなんて!」
木津  「何でしたら、私が管理者と掛け合ってみますよ。」
酒井さん「そんな事できるんですか?」
木津  「ちょっと待っていてください。」


○風浦 (タッタッタッ 球場の門に駆け寄る千里ちゃん)
●望  (木津さんの話し合いが終わるまで しばらくお待ちください)




木津  「入らせてもらえるそうですよ。
酒井  「おお!本当ですか!」





●望  (場所は変わって ここは球場の敷地内)
○風浦 (千里ちゃんの服がいつの間にか真っ赤になっている)
●望  (なぜ真っ赤なのかは 皆さんの想像にお任せします‥‥)


酒井  「いやあ あなた方のおかげでいい経験ができました!
     まさかここの県境を歩ける日が来るとは!」
木津  「良かったですね。」
酒井  「そういえば お友達のお嬢さんの姿が見えないようですが」
木津  「あら、そういえば。」


●望  (じーーっ)
○風浦 (とグランドの景色を眺める晴美ちゃん)


藤吉  「ブルペンのバッテリー グラウンドでじゃれあう選手
     そしてベンチのバットケースに入ったバット‥‥」
木津  「何やってるの?」
藤吉  「ああ 何でもない」
酒井さん「?」





○風浦 (場所は戻って 東京と神奈川の県境)


木津  「ここを歩くことができたんですから、もしかしてこれで
     日本の県境巡りはコンプリートしちゃったんじゃないですか?」
酒井さん「それがそうでもないのです 実は日本には
     どうしても渡ることのできない 『幻の県境』というのが存在するのです」
木津  「幻の県境?





酒井さん「お二人は富士山が何県にあるか ご存知ですか?」
藤吉  「静岡と山梨の間‥ですよね?
酒井さん「その通り しかし‥‥ 富士山には県境そのものが引かれていないため
     県境を渡るどころか 県境を見つけることすらできないのです」
木津  「どうしてそんな不条理なことが!?
酒井さん「何でも 廃藩置県が定められた頃に 各藩の線引きがされていなかった所も
     県境未定のまま残してしまったため このような事が起こってしまったそうです
     あまり知られていませんが こうした県境未定地は意外に多く存在しており
     場所によっては 放置同然の扱いを受けている場所すらあるのです!
     県境マニアの私としては 実に由々しき事態ですよ!」





酒井さん「絶望した!いつまで経っても線引きがされない県境未定地に絶望した!





○風浦 (先生のセリフ 取られちゃいましたね)
●望  (別に私のセリフってわけじゃないですよ‥‥)


藤吉  「ああ‥ この流れは‥‥」
木津  「なるほど、なるほど。」


●望  (ギラッ)
○風浦 (千里ちゃんの目つきが 黒い目つきに変わる)


木津  「そういう重大な事をいつまでも放置するというのは、実によろしくない事ですね。
     引かれていない線は、きっちりと引いておかないと。






○風浦 (突然ですが 皆さんにアンケートです)





1.富士山の山頂は何県?

2.十和田湖は何県にある?

3.某ネズミの国は何県にある?







●望  (アンケートなんか取って 何をするんです?)
○風浦 (千里ちゃんに頼まれていたので)





木津  「アンケートのご参加、ありがとうございます。
     皆さんの公平公正なる回答の結果、富士山の山頂の県は、以下のように決定しました。」





回答A  「富士山なら静岡でしょ?」
回答B  「富士市が静岡にあるんだし 静岡だよね」





木津  「富士山は静岡にある、という回答が多数でしたので、富士山の山頂は静岡県となりました。」
藤吉  「私たちが勝手に決めちゃダメでしょ!
木津  「なお、『富士山そのものが静岡県の県境となっているんでしょ?』という回答も
     数多く寄せられましたので、山頂のみならず、これからは富士山全域は静岡県とします。」
藤吉  「また山梨県民全員を敵にまわすような発言を!





(同僚からの回答なので 異議がある方は 私ではなく同僚へお願いします)





木津  「続いては十和田湖の県境です。」





回答A  「十和田湖ってどこ?」
回答B  「十和田湖とかシラネ」





木津  「十和田湖そのものがどこにあるかわからない、という回答が多かったので、
     十和田湖の県境はきっちり縦に二等分となりました。」
藤吉  「どっちの県も敵に回すような事しないでよ!





(何度も言いますが 同僚からの回答なので 異議がある方は私ではなく同僚へお願いします)





木津  「続いては某ネズミの国の県境です。」





回答A  「千葉でしょ 東京だけど」
回答B  「何か納得いかないよな 千葉なのに東京とか」





木津  「某ネズミの国は東京だけど千葉にある、という回答が多かったので、
     ネズミの国の敷地は千葉ではなく、東京の飛び地とします。」
藤吉  「まあ これは納得する人も少なからずいるでしょうけど‥‥」
木津  「ちなみに、某ネズミの国の名前を『千葉ディ●ニーランド』にする、
     という話も持ち上がっていたのですが、残念ながら我々の力では達成できませんでした。」





(権力に屈しました)





●望  (ワイワイ ガヤガヤ)
○風浦 (通りの向こうから プラカードを持った大人たちが歩いてくる)
●望  (よく見ると 『ジダン再来』と書かれたプラカードも紛れている)


木津  「みなさん、何をされているんですか?」
抗議の男「我々は かの国に占領されているあの島に対し 何も手も打たない政府に対して
     抗議デモをしているのです」
抗議の女「なぜ政府はこのような重大な出来事を放置するのでしょうか!」


●望  (興奮しているデモ隊に対し)
○風浦 (ゆっくりと両手の手のひらを前に出す千里ちゃん)


木津  「まあまあ皆さん、冷静になってください。
     ここは穏やかにいきましょう。」
藤吉  「珍しいじゃない 千里が事を穏便に済まそうとするなんて」
木津  「もちろん、これも策があってのことよ。」





○風浦 (場所は変わって 日本海のとある島)
●望  (島にはサイレンの音と木津さんの叫び声 そして地響きの振動が響き渡る)


兵士A  「何だあの女は!? いきなり現れて 島に手刀を振り下ろしているぞ!?」
兵士B  「大変です! 島が! 島が横に真っ二つに割れてしまいそうです!」
兵士A  「なにィ!?」
木津  「うなあぁぁああぁぁああぁあ!!


●望  (ガラガラガラ ズゴガァァン
○風浦 (とうとう島は割れてしまいました)


木津  「島をきっちり二等分したわ。北があなた方の国、南が私たちの国
     これなら異論はないでしょう?






兵士A  「日本が我々の領土を侵してきたぞー!
抗議の男「我々の領土を相手に与えてどうするんだ!





木津  「きっちり二等分したのに、どうしてどちらも私を非難するの!?」
藤吉  「非難されるに決まってるでしょ!
木津  「とにかく脱出しましょう! いつまでもここに居るのは危険よ!」


○風浦 (ババババババ)
●望  (漁船で島から脱出する木津さんと藤吉さん)


木津  「ここまで来れば大丈夫のようね。」
イージス「そこの漁船 岸へと戻りなさい
木津  「あら、自衛隊かしら。」


○風浦 (大きな船から呼び止められる千里ちゃんたち)


イージス「日本海及び東シナ海沖にて 国籍不明の潜水艦が潜行しているという情報が入っている
     危険だから岸へ戻りなさい

木津  「国籍不明の潜水艦、ねぇ‥‥。」
藤吉  「さすがに千里でも 海域を分けるなんてことはできないよね?」
木津  「いーや。私の辞書に、分断不可と言う言葉は存在せ、ぬ!





●望  (場所は変わって 東シナ海沖の海の中)
○風浦 (国籍不明の潜水艦の中では 乗組員が各自作業に当たっている)


乗組員A 「10時の方向より反応を発見 船のようです」
艦長  「イージスか?」
乗組員A 「いえ どうやら漁船のようです」
乗組員B 「潜望鏡で確認しましたが やはり漁船のようです しかし どういうわけか
     船の上にいるのはローブのようなものを纏った女だけで 他の船員の姿は確認できません」
艦長  「どういう事だ?」
乗組員B 「杖のようなものを振りかざしていますね 何をしてるのでしょう?」


●望  (ドドドドドド)
○風浦 (突然潜水艦が激しく揺れだす」


艦長  「な 何だこの揺れは!? どこかにトラブルでも起きたのか!?」
乗組員A 「艦内に異常はありません! どうやら外で何かが起きているようです!」
乗組員B 「か 艦長!大変です! これを見てください!」


○風浦 (潜望鏡を指差す乗組員さん)


艦長  「こ これは!?」















艦長  「海が! 海が二つに割れている!?
















木津  「どうしても分けることができないのならば、いっそ二つに叩き割ってしまえばいいのよ。
藤吉  「モーゼかよ!















風浦  「ひょっとするとこの漫画って 千里ちゃんと晴美ちゃんしかいなくても
     大体の話は成立しちゃうんじゃないですか?」
望   「そういう事言わない」


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