2011年5月15日19時41分
9割以上を中国からの輸入に頼る希少金属(レアメタル)の一種「アンチモン」の鉱床を、岡山大や東京大などのグループが鹿児島湾の海底で発見した。埋蔵量は、国内の年間販売量の180年分と推定される。ただし、強い毒性によって採掘の際に海洋汚染が生じる恐れがあるため、実際に採掘するには新たな技術の開発が必要という。
研究の成果は、22日から千葉市で開かれる日本地球惑星科学連合大会で発表される。アンチモンは、繊維を燃えにくくする難燃剤や半導体などに広く使われ、日本は95%以上を中国から輸入している。
鉱床が見つかったのは、2003年に気象庁が「活火山」に指定した若尊(わかみこ)カルデラの一部。桜島の北東約5キロの鹿児島湾内にあり、約2万5千年前に大噴火した姶良(あいら)カルデラの主要火口という。07年に約200度の熱水噴出孔を発見した山中寿朗・岡山大准教授(地球化学)らが、付近の鉱物を調べていた。
世界では急伸する自然エネルギー。日本では発電量の1%に抑えられている。原発と並ぶ選択肢と見なされてこなかった背景は?今後の可能性は?