吉岡先生の思い出

平成20年5月31日

ここで、昨年11月4日に57歳という若さでご逝去された
成島先生こと吉岡先生についてご紹介させていただきます。

吉岡先生は、富中で私達をご指導いただいた後、光が丘中
柏中、酒井根中に赴任なされ、その後教育委員会で5年を経た後
逆井中学で教頭先生、最後は柏5中で校長先生としてご活躍されました。

そのまっすぐでお優しいお人柄ゆえ、多くの生徒、先生
父兄から慕われ続け、それを表すかのように
昨年の葬儀にはたいへんな数の方が参列なさいました。

在職中は、柏中で駅伝の顧問になられて以来、駅伝ひとすじ。
選手の発掘、指導に力を入れられて
ご存知の方も多いかと思いますが
全国優勝を果たしたことのある逆井中学の白川先生を育てられたのも
吉岡先生だったと伺っております。

先生は、31の頃、光が丘中学での同僚で
音楽の指導をしていらした今の奥様とご結婚なさいました。

当時、足立区にお住まいだった先生は
学校へ通うのが便利な柏の奥様のご実家に入られ
二人のお嬢さんに恵まれました。

お宅での先生は、頑固で一本気なところのあるお父さん。
どちらかと言えば、ひと昔まえのタイプの
古いところがおありだったようですが
家でお嬢さんたちを叱った事のないほど、お優しかったようです。

これは余談ですが、今年の春大学を卒業された下のお嬢さんが
東海テレビのアナウンサーに就職がお決まりになったそうです。

私達が先日先生のお宅に伺った際、たまたまお会いできたのですが
とてもきれいなお嬢さんで大学時代、ミスフェリスに選ばれたそうです。

「成島早穂(さほ)」さんというお名前です。
何かの機会にテレビでお見かけすることがあるかもしれません。
東海テレビのホームページにも掲載されていますので
ぜひご覧になってみてください。

奥様のお言葉を借りるならば
先生は「家の事は何もしない人」、との事でした。
電球を取り替えたり、パソコンでの年賀状作りやその他
お家の事はすべて奥様まかせの様子だったようです。

整理整頓も苦手ということで、生前のままにしてある先生の書斎を
見せて頂きましたが、確かにかなりの本と書類が山積みになった状態で
いっきに先生への親近感が高まりました。

きれい好きで、きちんとしたイメージの吉岡先生でしたが
素顔の先生は多少違ったようです。

そんな先生のご趣味は「陶器の収集と庭木いじり」でした。
学校からお帰りになると
決まってお庭にある盆栽をいじっていらっしゃったそうです。

私達もお庭を見せて頂きましたが
旅館のお庭かと思うほど見事に手が行き届いていて
そこには先生が大事に育てられた数多くの盆栽の小さな鉢と
先生ご愛用の椅子がのこっていました。椅子のそばにはライトがあり
学校からお帰りになった先生が暗闇の中ライトをつけて
小さな植物を丁寧にお世話しているお姿が目に浮かぶようでした。

先生のもうひとつのご趣味、陶器集めですが
こちらも大変な数のお茶碗や花瓶などがお宅の棚いっぱいに飾られていました。
和食器、洋食器、またはブランドなども全く関係なく集めていらした
という事でしたが、どれも可憐で美しい柄のものばかり。

盆栽や陶器の収集、どちらも共通して言えるのは
先生はきれいな物にこだわりをお持ちだったということだと思いました。

さて、私達が富中在学中は野球、そしてその後は駅伝と
病気とはまったく無縁の健康的なイメージの吉岡先生でしたが
実はお若い頃から潰瘍性大腸炎を患い人知れず
長い間病気と闘っていらっしゃった様です。

いつも、生徒のこと、学校のことを考えて
土曜、日曜も関係なくご指導を続けておいでになった先生でしたが、
3年前教育委員会にいらした頃に大腸ガンを発病なさいました。

しかしながら、半年間の抗がん剤の投与が候を奏し
職場への復帰も見事に果たされ、その後は3ヶ月に一度の検診を受けながら
順調に回復されていたということです。

昨年入り、お医者様も今まで3カ月おきだった検診を
5ヶ月に一度に延ばしてもいいだろう、ということになったのですが
ちょうどその頃、運動会等の学校行事が重なったこともあり
先生はなかなか病院へいらっしゃいませんでした。

ご自身も体調不良は感じていらしたようでしたが
ご家族の説得もあってようやく病院へいらしたのは運動会が終わった9月。
ガンは既に手の施しようのない状況でした。

「あと1ヶ月早く病院に来てれば」とお医者様がおっしゃったということです。

最後まで、教育の現場に向かわれた吉岡先生。

その真摯な教育者としての功績を称え、昨年は瑞宝単光章
本年3月には教育功労者表彰をお受けになりました。

お若かっただけに、まだまだお元気でご活躍いただき
本日この席にも来て頂いて、昔話しに花を咲かすことができたらと思うと
本当に残念でなりません。

柏のご自宅には今、先生の奥様とご両親がお住まいです。
奥様はいつでもお線香をあげに来てください
とおっしゃっていらっしゃいました。

皆さんも、ぜひ一度ご自宅をお訪ねになってみてください。

先生のご冥福を心よりお祈致します。


inserted by FC2 system