中国 景気減速への警戒感広がる
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中国 景気減速への警戒感広がる

12月1日 14時37分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

中国では、先月の製造業の景気判断を示す指数が2年9か月ぶりに判断の分かれ目となる50を下回り、ヨーロッパの信用不安の拡大などを受けて景気減速への警戒感が急速に広がっています。

中国の国家統計局などは1日、全国の製造業820社を対象に景気の現状を調べて公表している「製造業購買担当者景気指数」が、先月は前の月より1.4ポイント低下し、49.0だったと発表しました。この指数は、50を上回れば生産や受注の増加を意味し、下回れば減少を示すとされており、判断の分かれ目となる50を下回ったのは2年9か月ぶりです。これは、中国にとって最大の貿易相手であるヨーロッパの信用不安の拡大で、輸出の先行きへの懸念が広がっていることに加えて、中国政府がインフレ抑制のために続けてきた金融引き締めの影響が出たためだとみられています。こうした状況を受けて、中国の中央銀行「中国人民銀行」は、先月30日夜、銀行の預金準備率を3年ぶりに引き下げると発表し、金融引き締めから緩和に転じて景気を下支えする姿勢を示しています。中国では、今月、指導部が来年の経済運営の方針を決める「中央経済工作会議」も開かれる見通しで、経済政策の重点を、これまでの物価の安定から景気対策にどこまで移すかが焦点となりそうです。