北京の軍事博物館に展示される対空ミサイル紅旗2 (Hongqi-2、2011年3月4日撮影)。(c)AFP/Frederic J. BROWN
【12月1日 AFP】米国の大学生グループが、中国の核兵器保有量は現在推計されている数倍に上るという研究結果を発表し、米国防総省のアナリストたちの注目を集めている。
米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)の報道によると、この研究はジョージタウン大学(Georgetown University)の学生たちが、国防総省の高官だったフィリップ・カーバー(Phillip Karber)教授(65)の指導で行ったもの。中国人民解放軍の戦略ミサイル部隊で機密のベールに包まれた第2砲兵部隊が掘った秘密のトンネル網について、公開されている情報を集積し、363ページの報告にまとめた。
報告書は公開前だが、議会ではすでに公聴会が開かれ、空軍副参謀総長など国防総省関係者の間で回覧されている。同紙が引用している同省の戦略担当官は「電撃的な情報というほどではないが、ここで示されている見解や推計については、これまで機密情報に基づいて既知とされてきた事柄と照合中だ」と述べている。
学生たちの調査手法には、米インターネット検索大手グーグル(Google)の3D地図サービス「グーグル・アース(Google Earth)」やブログといったインターネット上の情報や、軍事専門誌、中国のTVドラマまでもが情報源として含まれており、これに疑問を投げかける批判もあがっている。しかし、ワシントン・ポスト紙は、通常は中国軍関係者でなければ入手できない第2砲兵部隊が作成した400ページに及ぶマニュアルを学生たちが入手できたとも報じている。
冷戦下の米国防総省で戦略参謀のトップを務め、国防長官や参謀総長に直接報告する立場にあった指導教官のカーバー教授は、今回の研究の結果、中国は現在推計されている80~400発を大きく上回る最大3000発の核弾頭を保有している可能性があると語っている。(c)AFP