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クロミンククジラの筋肉・脂皮は汚染のもっとも少ない食品の一つです。
南極海は、地球上で最も人為的な化学汚染が少ない海域です。JARPAによって継続的なモニタリングが行われていますが、現在までのところ、クロミンククジラの脂皮や筋肉中に蓄積されたPCBやDDTといった人口有機塩素化合物や水銀はごく微量で、北半球の個体と比べると10分の1以下の値を示しています。また、この値は厚生労働省の定めた暫定的規制値を大きく下回っており、クロミンククジラの鯨肉は最も汚染されていない食品の一つです。JARPAで得られた汚染物質に関する調査結果の詳細は、日本鯨類研究所のホームページ(http://www.icrwhale.org/index.htm)で公開しています。
南極海鯨類捕獲調査(JARPA)で捕獲されたクロミンククジラの脂皮及び筋肉中のPCB並びに総水銀濃度。
| 鯨種 |
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脂皮中PCB
(μg/g) |
筋肉中の総水銀 (μg/g) |
クロミンククジラ (’89-’03) |
平均 (最高・最低) 試料数 |
0.031 (0.00031-0.11) 26 |
0.027 (0.003-0.07) 232 |
水銀:クロミンククジラの筋肉中濃度は、平均で暫定的規制値の10分の1以下の値を示しています。調査の結果によると、水銀は鯨の内臓(特に肝臓)や筋肉(赤身)に比較的多く蓄積されることが分かっていますが、クロミンククジラではこうした部位の濃度は低くなっています。
PCB:脂溶性の高いPCBは、これまでの研究報告から鯨類体内の中でも脂皮などの脂肪組織に蓄積されやすいことが分かっていますが、クロミンククジラの筋肉中では暫定的規制値を大きく下回っています。脂皮中のPCB濃度も、規制値を小数点以下1桁下回っています。これらのデータは、クロミンククジラの副産物はもっとも汚染されていないことを示しています。
脚注:厚生労働省では、魚介類の水銀暫定的規制値は、総水銀量で0.4ppmとし、これを超えるものについては、さらにメチル水銀の分析を行い、0.3ppmを超えたものについて高水銀蓄積魚介類として対処することとしています。また、魚介類のPCBについては、その暫定的規制値を、内海内湾魚介類で3ppm、沖合魚介類で0.5ppm、と定めており、鯨類の場合は、沖合魚介類(0.5ppm)が適用されています。
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