１日午前10時20分ごろ、堺市北区中長尾町１、象印マホービン（大阪市北区）元副社長、尾崎宗秀さん（84）方で「男性が手を縛られ、顔にラップをかぶせられている」と110番があった。大阪府警北堺署員が駆けつけたところ、尾崎さんとみられる男性が２階で倒れているのを発見。男性は病院に運ばれたが、意識不明の重体。

　大阪府警は殺人未遂事件として捜査を始めた。

　象印マホービンによると、尾崎さんは1986年～91年まで専務、97年２月まで副社長を務めた。同署が身元の確認を急いでいる。

　同署によると、男性は２階の納戸であおむけに倒れていた。顔は透明なラップのようなもので覆われ、ビニールのようなひもで両手足が縛られていた。

　午前９時25分ごろ、面会の約束があった取引先の銀行員が訪問した際、誰も応対しないのを不審に思い、安否確認のため警備会社に連絡。警備会社の社員が倒れている男性を見つけた。門扉は施錠されていたが、玄関と勝手口のカギは掛かっていなかったという。

　尾崎さんは妻と２人暮らしだが、当時は尾崎さん１人だったという。

　現場はＪＲ阪和線堺市駅から南に約500メートル離れた住宅街。尾崎さん方につながる道には警察官が配置されるなど物々しい雰囲気。近所の主婦（68）は「この辺りは治安がいい地域で、引っ越してくる人も多い。まさかこんな事件が起きるとは……」とショックを隠しきれない様子だった。

　一方、象印マホービン広報担当者は「（尾崎さんは）今年10月のＯＢ会にも参加され、元気な様子だった」と話している。