中国 預金準備率引き下げ発表
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中国 預金準備率引き下げ発表

11月30日 22時8分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

中国の中央銀行「中国人民銀行」は、銀行の預金準備率を0.5%引き下げると発表し、ヨーロッパの信用不安の影響で景気減速への懸念が出ていることを受けて、これまで続けてきた金融引き締めから緩和に転じる姿勢を示しました。

「中国人民銀行」は30日夜、すべての銀行の預金準備率を来月5日から0.5%引き下げると発表しました。引き下げは2008年12月以来3年ぶりとなります。預金準備率は、銀行が預金総額のうち、中央銀行に預け入れる額の比率で、この比率を引き下げると銀行の貸し出しを増やす効果が見込まれます。「中国人民銀行」は、不動産価格の高騰や物価の上昇を抑えるため、政策金利を去年秋以降、5回引き上げたほか、銀行の預金準備率も今年に入って6回引き上げるなど金融の引き締めを続けてきました。その結果、最近は不動産の取り引きが減少し、物価の上昇傾向にも歯止めがかかりつつあるうえ、過度の引き締めで一部の中小企業が資金繰りに困るケースも表面化しています。加えて、ヨーロッパの信用不安の影響で、この先、輸出が減少するなどして景気が減速するのではないかという懸念が出ています。このため、「中国人民銀行」としては、こうした懸念がさらに広がる前に、これまで続けてきた金融引き締めから緩和に転じる姿勢を示し、景気が一気に冷え込むのを食い止めるねらいがあるとみられます。