こんな日本に誰がした? シューカツ生は「クローン人間」か

2011/12/ 1 14:21

   駅に貼られたあるポスターの写真がネット上に投稿され、そこに並んだ就活生の画一的な姿に酷評が集まっている。このポスターは、日本最大級の就活情報サイト「マイナビ」のもの。新聞広告のほか、渋谷、恵比寿、青山一丁目、目白、高田馬場など都内の地下鉄の駅などに貼られている。

   黒っぽいスーツに白いワイシャツやブラウスを着て、髪をきれいに整えた無表情の男女が、右手であごをつかんだポーズを取っている。添えられているのは「考えるすべての就活生に。」というコピーだ。

「そんな人生がお望みですか?」の呼びかけも

「そういえばみんな同じ服なんだよね、就活生って。」(@AkaneSatoさんのツイッター投稿より)
「そういえばみんな同じ服なんだよね、就活生って。」(@AkaneSatoさんのツイッター投稿より)

   例年より2か月遅れで「解禁」される就活サイトをPRするポスターのようだ。被写体の若者たちは、いちおう「考える就活生」のポーズを取らされているのだが、あまりに同じような姿なので、逆に何も考えずに従っているだけのようにも見える。

   これを見たネットユーザーからは、「気持ち悪い」「なんかの宗教みたい。背筋がゾゾゾってする」「こんな日本に誰がした?」といった批判があがっている。ある30代の男性社会人は「他人と違う行動を取れない就活生をバカにした趣味の悪いパロディだ」と憤っている。

   クローン人間のように同じ服装をする就活生を、企業側から疑問視する声も上がっている。ライフネット生命の岩瀬大輔副社長(35歳)は12月1日未明、ツイッターで「就活生はもうリクルートスーツを脱ごうぜ」と呼びかけている。

「今だったらフロントランナーになれるよ。皆がやりはじめてからの後追いはカッコ悪いし。そういう服装を望む採用担当者はつまり、皆さんに没個性的な存在であることを求めているわけです。そんな人生がお望みですか?」

   この投稿は180人以上にリツイートされた。ある大手テレビ局の部長は「僕は面接のとき、一度もスーツは着ませんでした。それでも入れてくれたいまの会社はなかなかのもんだと思いました」とコメントしている。

   このような没個性的な服装をする「常識」は、日本企業の昔からの慣わしかと思いきや、実は意外と最近のことらしい。2010年9月16日付け日本経済新聞の記事「経済今昔物語」には、日本航空の入社式の様子が掲載されている。1986年時点の女性の服装は、紺スーツで決めている人もいるが、ブレザーにチェックのスカート、ワンピースなどの人もおり、まさに人それぞれだ。

(続く)

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