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| 武雄市長、震災がれき受け入れ断念 抗議千件、脅迫も | ||
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東日本大震災で発生したがれきについて、武雄市が杵藤地区広域市町村圏組合に受け入れを提案する考えを示していた問題で、樋渡啓祐市長は1日、提案を断念することを明らかにした。市への批判の電話やメールが千件を超え、抗議の中には脅迫めいた悪質な電話もあったためとしている。樋渡市長は「がれきイコール放射能と思われていることは残念」と述べた。
同日の市議会で明らかにした。市長は3市4町でつくる同組合管理のごみ処理施設(武雄市)でがれきを処理する方針を表明、6日の首長会議で提案する予定だった。しかし、市や組合のほか、組合の構成市町にも批判の電話やメールが殺到。武雄市には29日から2日間で約600件、樋渡市長にも約400件が寄せられた。
市長によると、「(提案すれば)職員に苦しみを与える」「武雄市民が楽しみにしているイベントを妨害する」「九州、佐賀県、武雄市産品の不買運動を呼びかける」など悪質な電話もあった。市長は「予期せぬ事件があれば、市民と家族、地域、東北の人を傷つけることになる」として断念を決めた。
その一方で、「がれきイコール放射能のイメージがまん延。処理が進まない要因になっているのは情けない」と問題提起。「国がリーダーシップを持って、われわれを説き伏せることがないからこうなる」「がれき処理は地元で行うことが原則だが、国が納得できる(放射線量の)科学的基準を出してオールジャパンで東北を何とかしないと」と国の責任を指摘した。
今後、がれき受け入れの条件が整った段階で、市民と議会に相談して再度提案したいという。 |
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| 2011年12月01日更新 |