広島高速5号の二葉山トンネル(東区)建設計画を巡る有識者の安全検討委員会の第6回会合が27日、中区のホテルであった。昨年11月以来約1年ぶり。委員長を務める吉国洋・広島大名誉教授は「委員会で決めた追加地質調査が実現せず、科学的審議、検討に入れない状態が続いた。最大の課題は地表面の沈下問題で、追加調査なしに審議を進めてもあまり意味がないと判断した」と説明。委員会の進行の仕方を巡って議論が紛糾した。
検討委は昨年8月、牛田東地区4カ所と中山地区2カ所の計6カ所で追加のボーリング調査実施を決定。だが、住民の一部は「想定以上の地盤沈下が起きた広島高速1号の検証を実施すべきだ」などの理由で調査に関する事務局側の説明を拒否していた。
この日の会合では、「ボーリング調査ができていないのなら開く意味がない」との意見が出された一方で「地元が納得するための誠意を委員会として見せる必要がある」「沈下被害を起こした広島高速1号に対する不満や不安が起こり、話が前に進む条件が整っていない。科学的検証をきちんとすべきだ」との意見も挙がった。
また、事務局側の広島市の担当課長は「中山の2カ所、牛田東の1カ所は、今すぐ(調査に)入れると思っている」と説明した。次回会合は来年2月の予定。【加藤小夜】
毎日新聞 2011年11月28日 地方版