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読売新聞:渡辺会長「私個人では訴えない」 清武氏に反論

 読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長・主筆(85)が30日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。球団会長を務めるプロ野球・巨人のコーチ人事などをめぐって、清武英利前球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM=61)が解任された問題をはじめ、原発、政治などについても語った。【聞き手・成田淳東京本社編集編成局長】

 --清武氏は10月20日にコーチ人事の了承を得たと主張している

 ◆5時33分から6時22分まで会った。コーチ人事は最後の15分くらい。彼は承認をとったと言っているが、クライマックスシリーズ前に人事を確定したというのはおかしい。06年から(発表後の)コーチ変更(追加など計10件)は全部、清武がやっている。だから、発表後に変えちゃいかんというのはおかしい。

 巨人軍の定款では、本部長以上の人事やその他の重要事項について、読売新聞グループ本社代表取締役の事前の承認を得るものとする、となっている。これを彼は読んでいない。だから人事はGMの権限で、決めた以上は干渉できないと言っている。だが、彼にはないんですよ、そんな権限は。

 --清武氏は会見直前の電話で「君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争だ」と恫喝(どうかつ)されたと言っているが

 ◆大うそ。電話は向こうからきた。「破滅的」と言ったのは、「俺と君の信頼関係が破滅的になるよ」という意味で「おまえが破滅する」ではない。「全面戦争になる」とは言っていないし、記憶にない。

 彼は(読売新聞が全面戦争するような)タマじゃないもん。あんなバカな会見をした唯一の理由はコーチを守るためだというが、僕はコーチを切るとは言っていない。江川(卓氏)や岡崎(郁ヘッド)コーチを傷つけたのは彼だ。めちゃくちゃにして逃げていった。これは取締役の忠実義務違反で不法行為だから、訴訟を起こす。

 --会長個人が清武氏を訴えることは

 ◆(清武氏と)対等なけんかをする気はない。会社としては来週か再来週あたりには訴える。びっくりするような強力な弁護士の布陣をとる。

 --日本シリーズ中の騒動で、球界から批判の声も出たが

 ◆あんな時(開幕前日)に(清武氏が)会見するからいかん。我が方は(会見を)試合のない日にやっている。

 --プロ野球界全体の状況は、どう考えているか。10月には横浜ベイスターズの身売りに関連して「前から1リーグにして、カネにこまらない企業でまとまらなければと思っている」と発言したが

 ◆新規加入球団(楽天やソフトバンク)が人気球団になりつつある現状を見ると、12球団でもやっていけるかな、と思っている。

 ◇政治の問題は財政再建

 --読売新聞グループ本社の内山斉前社長が辞めたのは、渡辺会長と対立して切られたのだと一部で報じられているが

 ◆読売新聞1000万部を巡る対立とか、そんな話はない。辞めたのは、家族の病気が原因ですよ。介護で気力をなくしていたし、社長をやれる状態じゃなかった。

 --東日本大震災による福島第1原発の事故を受けて、原発について、どう考えるか

 ◆(安全策に関し)東電が怠けていたことが分かった。それを全部直せば、安全な原発を造れる可能性が出てきた。中国沿海部に勝手に原発を造られたほうがよっぽど危ない。人類は最後(に頼るべきエネルギー)は核融合だよ。究極は核融合。これから、その研究をしなきゃいかん。

 --政治の現状については

 ◆一番の問題は日本の財政再建。自民党は反対ばかりしないで、消費税や社会保障、TPPなど、民主党と協力して成立させなければいけない。そのために、朝日、毎日、読売を中心に全国紙が共同提案をしないといけない。ギリシャみたいになってから何か言ったって奈落の底だ。(新聞が)一斉に言ったら政府は動くよ。最後の手はそれだな。

毎日新聞 2011年12月1日 2時30分(最終更新 12月1日 3時16分)

 
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