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医療関係者から放射性ヨウ素

11月30日 20時1分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故後の早い時期に福島県内で活動した医療関係者などから、放射性ヨウ素が検出されたことを、調査を行った長崎大学が、30日、学会で発表しました。放射性ヨウ素は、福島県の健康調査では検出されず、今後、住民の被ばく線量を正確に推定するための資料として注目されます。

長崎大学は、原発事故の直後から、1か月の間に福島県内で活動した長崎県の医療関係者など、およそ170人に対し、活動のあと、ホールボディ-カウンターという機器を使って内部被ばくの検査を行い、30日、横浜市で開かれた放射線に関する学会で調査結果を発表しました。それによりますと、全体のおよそ32%に当たる55人から、放射線の量が半分に減る「半減期」が8日と短い放射性ヨウ素が検出されました。甲状腺にたまった放射性ヨウ素によって、生涯にわたって受ける内部被ばくの線量は、最も高い人で15ミリシーベルトで、特に事故から1週間以内に活動した人の値が高い傾向にあるということです。内部被ばくの線量は、いずれも健康に影響が出る値ではないということです。放射性ヨウ素は、福島県の健康調査のうち、ことし6月以降に一部の住民を対象に行われた内部被ばくの検査では検出されず、今後、住民の被ばく線量を正確に推定するための資料として注目されます。調査に当たった長崎大学の松田尚樹教授は「内部被ばくの検査データを持つほかの研究機関とも連携して、福島県民の被ばく線量の推定を急ぎたい」と話しています。