「自分の体重以上の魚を釣り上げる」を今年の目標にしていたワタシは、10月8日に青森県の津軽海峡で約80キロのクロマグロを釣り上げました。
一時は諦めかけたこともありましたが、最後の勝負と思って挑戦した青森の海で、奇跡的にも釣り上げることができました。
タイミング良く釣らせてくれた船長さんほか、ご協力くださった青森のみなさんには改めてお礼申し上げます。
さて、青森の津軽海峡でとれたクロマグロといったら、銀座の高級料亭やお寿司屋さんに並ぶような超一級品。なかなかお目にかかれるものではありません。
今回は、この高級クロマグロをさらにおいしく食べるために行われている作業とマグロの解体方法をご紹介します。
クロマグロは釣り上げられると、すぐに血抜きをして、エラをとり、内臓を取り除きます。釣り上げたばかりのマグロは体温がとても高く、そのままにしておくと自分自身の熱で身が焼けて、黒く質を落ちてしまうのです。そのため、エラと内臓を取り除いた部分に氷を詰め、海水を混ぜた氷で魚全体を冷やしながら漁港まで持ち帰るのです。
港に着いたら、でっかいトロ箱(魚を保存しておく木の容器)に魚体を移し替え、氷詰めにして一晩おいてキンキンに締めるのです。
マグロの解体ショーなんて実際に見るのも初めてだし、しかもそれが自分の釣ったマグロっていったら、テンションあがらないわけがないですよね。
本当はね、ちょっと自分でやってみたい気もしたんだけど、こんな大きな魚体に包丁を入れたことなんてないし、一体どこから手をつけていいのかもわからなかったから、マグロを何本も解体したことのあるベテランの方々にさばいていただきました。
もしかしたら、次は自分で解体するかもしれない……と、真剣に解体の様子を見てきました。
まずは、どでかいまな板にマグロを乗せて、カマに包丁を入れます。マグロは3枚おろしではなく、5枚おろし。真ん中の血合い骨に沿って、一気にカマから尻尾まで包丁を入れていきます。次に腹側から中骨に沿ってに包丁を入れて、骨から切り離したら、でっかいふしの出来上がり。その後、反対側も同じように背中から包丁を入れて、中骨と切り離してふしにします。次はひっくり返して反対側も同じようにふしにします。
その後、作業は頭部へ移り、マグロ一匹からほんのちょっとしか取れない頭肉(脳天・はちのみとも言われる)、ほお肉、目を抽出していきます。最後に、中骨に残っている身も丁寧に取り除き、残っているのはほぼ骨のみ。捨てるところはありません。
その後、切り離された4本のふしをブロックにしていき、油紙に包んで、袋に入れ、氷の入った発泡スチロールとクーラーバックに入れて持ち帰れる状況にして終了。約2時間の大作業でした。
だいたいの手順は覚えたつもり…?次は自分でできるように、また釣りに行かなくては…と思いました。
次回は、持ち帰ったマグロの身をいよいよ自分で料理します。
著者:ふくだ あかり
出版社:大泉書店 価格:¥ 1,260
アングラー(釣り師)。81年、茨城県生まれ。168センチ、O型 趣味:釣りと利き酒 特技:キャラクターを描くこと。
07年、趣味で釣りを始める。これまでに行った釣り場は数知れず、今でも週に1〜2回のペースで、全国各地の海、山、川に行っている。08年には、1年間に100種類の魚を釣る目標を達成。釣りブログ「百目」が、釣りファンから注目を集めている。本エッセーでは、女性の視点から魚釣りの魅力をご紹介します。