◆損害賠償請求を棄却
瑞浪市の市立瑞浪中学校2年の女子生徒=当時(14)=が2006(平成18)年に自殺したのは、生徒4人によるいじめが原因として、女子生徒の両親がいじめたとされる生徒4人とその両親に約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、岐阜地裁であり、鈴木正弘裁判長はいじめの事実は認められないとし、遺族側の請求を棄却した。
いじめの有無、いじめと自殺との因果関係が争点となっていた。
判決理由で、鈴木裁判長は「(全校生徒を対象にいじめについて聴取した)無記名アンケートは、生徒が予断を持った状態で書いたことで、通常の出来事をいじめと誤解した可能性もある」とし、アンケート内容からはいじめの事実を推認できないと判断。いじめがあったことを認めて謝罪した学校側に対しては「慎重に判断すべきだった」と批判した。
訴状によると、自殺した女子生徒と4人は同じ部活動に所属。女子生徒の自殺後、同校が全生徒に行った無記名アンケートで4人から日常的に「バカ、ウザイ、死ね」と言われたり、無視されるなどのいじめを受けていたことが判明し、「いじめによって自殺に追い込まれた」と主張。4人の両親については子どもの適切な監督を怠ったと訴えていた。
【瑞浪のいじめ自殺】2006年10月23日、瑞浪市立瑞浪中学2年の女子生徒=当時(14)=が自宅で首をつって死亡。同29日に両親が報道陣に公開した便箋1枚の遺書には、同級生4人の名前などが書かれていた。同31日に中学校がいじめによる自殺と認め謝罪。11月1日には瑞浪市教育委員会もいじめが自殺の原因と認めた。07年10月12日、岐阜地方法務局が人権侵害にあたると認定。同年11月1日、市教委などは当時の校長らに文書訓告などの処分を出した。女子生徒の両親は10年3月4日、謝罪がなかったなどとして4人とその両親に損害賠償を求め提訴した。
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