中日劇場はエレベーターで8階か9階まで上がらなければならないのがちょっとおっくうですね。それに以前、劇場ロビーを撮影しようとしたら止められて、なんか宝塚大劇場と違て堅苦しいところやなあっていうのが第一印象でした。
そんな中日に今年も観劇にやってきたのは、「外伝三部作」と言っておきながらもう一作やってしまった劇団のせいです(^^;)。
芝居「外伝 ベルサイユのばら ―アンドレ編―」
これも案外よかったかもよ。
去年観た星組ベルナール編が、今までのベルばらの悪しきイメージを覆すかのような秀作だったのと同様(その感想)、このアンドレ編も、もちろんところどころ暗転や堅いセリフなどありましたが、それでも、およそあのベルばら巨匠がつくったものとは思えない完成度合でしたね。
ウメ演じるマリーズってどんな人かと思えば、アンドレ(タニオカ)の幼なじみでした。
アンドレの出身地、プロヴァンス(マルセイユやニースなど、フランスの地中海側の地方)から物語はスタート。幼いアンドレとマリーズが、将来結婚することを夢見て約束します。
高知弁で。
プロヴァンスなまりって、土佐なまりなんや〜。
だったらおととしのオサダさんのサヨナラ公演「アデュー・マルセイユ」も、本来なら「わしは秘密を守るぜよ!」みたいに会話せなあかんかったわけですね。
夢見た子どものオスカルとマリーズは、暗転によって大人のアンドレとマリーズに成長します。
この手法、植爺のお気に入り成長シーンなんですね…。本公演でチャンバラやってるオスカルとアンドレが木に隠れて次の瞬間大人になって出てくる、アレです。もう全然驚かないくらいになんべんも観てるんですけど、たぶん巨匠自身は「御客さんは喜んで呉れている(←植田式漢字表記法)」と今回もさぞご満悦のことでしょう。
マリーズはベルサイユにいるというアンドレを探すべく、ベルサイユの居酒屋で働きます。その酒場にフェルゼンに失望したオスカルがやってきてヤケ酒飲んで乱闘するという、原作の名場面がうまく取り入れられていました。マリーズはオスカルを寝かせて水を取りにいったん厨房に入ります。そのすきにアンドレがやってきて、「今夜はおまえを抱いて帰るぞ」と原作のワンシーンが展開され舞台からいなくなります。そしてマリーズがやってきて、「あれ、お客さーん?」。
なんかごくごく自然な流れになっているのが、今までの名場面つぎはぎだらけの砕けちったベルばらを知っている身としては、ちょっとサブイボ出そうなくらい驚きまくったんですが…。
原作の名シーンはその後も続き、やっと出てきた北翔アランがアンドレの目のことを見抜き、
「なんで今まで黙ってやがった」
と怒るも、
「頼む…おれたちの言う通りに従え」
と戦場に連れて行こうとする場面、なかなか感動的でしたね。つうか、涙出てきたんやけど…(→またしてもベルばらで感動してしまった…)。
「なんで今まで黙ってた」というのが、タニオカの退団のこととオーバーラップしているように思わせるのも、もしか演出!?(→植爺がそこまで機転利かすか?)
もうひとつ名シーン。アンドレが階段を数えているのをおばあちゃんに見つかってしまい、おばあちゃんが
「アンドレ、いいね? このことは絶対知られちゃいけないよ。ただでさえわたしたちはやっかいになってるのに…」
とアンドレに涙ながらに訴える場面。
これも原作の名場面ですが、こうして舞台で再現されるとまた感動的です。なんでベルばらにこんなのめり込んでるんやろう!? 今までの本公演ベルばらは何やったんやろう? そう思わせる今回の公演です。
マリーズは酒場で常連客のブイエ将軍に拾われて、立派なお嬢様に変身します。
ブイエ将軍は一樹ヒロさん。こないだタニオカのオカンと再婚したと思てたら(fromパラプリ)、将軍になってらしたんですね。ウメが当初ブイエ将軍を「将軍様」と呼んでいるのは、きのうお誕生日の北のテポドン総書記を思い起こさせてくれました(^^;)。
その令嬢となったマリーズのもとへアンドレがやってきます。ブイエ将軍にオスカルを守ってもらえるよう計らいに来たわけですが、そこでアンドレに声をかけてしまうマリーズ。それまで標準語だったのが幼なじみに会うとつい高知弁が出てしまいました。アンドレも負けじと「オスカルが好きなんぜよ」みたいに坂本竜馬状態になってました。何年も思い続けていたアンドレに振られて失望のマリーズ。でもすぐに立ち直り、強く生きる決意をします。
このへんは原作に全くないシーンですが、でもジェロ編みたいに無理にこじつけた感がなく、すごく上手にストーリーが展開されていて驚いたと同時に好感触でした。
ただし、革命シーンが終わった後のマリーズとばあやの会話はちょっと難あり?
マリーズはばあやからアンドレが戦死したことに加え、オスカルも死んだことを知らされます。そこでマリーズが
「あの二人は思いを伝えることができたんでしょうか?」
みたいなことを尋ねると、
「はい、アンドレはオスカルさまと、結ばれました」
コラばあさん!
オスカルとアンドレのmake love、見とったんかい!
「告白できたみたいですよ」とぼかして言うならともかく、なんでストレートに「結ばれました〜」なんてノンデリカシーなこと言うねん…。まあ、このへんは植爺らしいかなって感じ(^^;)。
あと、衛兵隊なはずのアンドレやアランが、革命のシーンでは何の説明もなく市民側に立って戦っているのは、原作を知らない人には不親切かもしれません。
それでも、あのモンゼットとかシッシーナとかいう貴婦人どもがさっぶいギャグや怒涛の説明台詞で場つなぎすることも全然なく、たしかに観やすかったです!
こういうちゃんとしたベルばらを、もっと早くに演ってほしかった…。
スポニチ藪下さんは「こうなったら何でもありだ」と若干コケにしてはりますけど(その記事)、私はこれほど改善されるのなら多少の脱線は許せると思いましたね。
ショー「ダンシング・フォー・ユー」
大劇場、東宝、そして今回の中日と、結局3回も観ることになったノリノリのショーです。
プロローグの主題歌にノッてしまうのは当然ですが(♪オーダンシンダンシンダンシン!ダーンシンダンシンフォーユーッ!)、今回はそれ以外のシーンを注目していました。
蘭とむが抜けて北翔がうまくフォローしていた「ダンシンインパリーッ!」のシーン。
アラビアの「ベルクマハー!ベルクマハー!」と早口でひたすら歌うシーン。
ホームレスがいきなりタキシード紳士になってタニオカが棒をドラムみたいにチャッチャカたたくNYのシーン。
ちょっとあまりにもダイジェストに書きすぎましたけど(^^;)、どれも観ていて飽きなかったです。
プロローグ後のシーンではタニオカの客席下りがあって、1階席のお客さんとかなり絡んでいた模様(→2階席やったから分からへん…)。あと、北翔会の総見があったっぽくて、みっちゃんが出るたびやたらそろった拍手がありました。