きのうムラヘスカピン観劇に、きょうは梅芸に雨に唄えば観劇に行ったんですけど、それらの感想を書く前に、全ツやその前の花組本公演の感想が全然書けていないので、さっと書いてしまいます。
芝居「外伝 ベルサイユのばら ―ジェローデル編―」
宝塚ベルばら史上初の、主要4役(オスカル、アンドレ、マリー・アントワネット、フェルゼン)がメインじゃないシリーズです。
四代目小林理事長のプログラムごあいさつには「原作の池田理代子氏が、宝塚の為に特別に書き下ろしたストーリーをもとに、植田紳爾の脚本・演出により、
従来とは視点を変えた『ベルサイユのばら』の世界を描いた作品です。」とあります。
なので、今までと違う新しいベルばらが観られるのかと思たんですけど…。
視点が(というか、主役が)変わっただけで、
全く従来通りでした…。そらそうやんな、しょせん植爺やもん(^_^;)。
まずはおなじみのデコレーションケーキのようなプロローグ。
地元のみなさんは「うおー!」と喜んでいらっしゃいました。私も数年前最初に観た時は「これがベルばらか〜!」とうれしかったものですが、何度も観てきたらもはや食傷気味です。
しかも1幕しかないのにどうしてこんなに時間を費やすのかっていうくらいの長さ。昨年のパリ空もたいがい長ったらしいプロローグがありましたが、これはなんというか、植田芝居のデフォルト設定なんでしょうな。
曲は新しくなっていたものの、曲調やリズムは今までとおんなじテイスト。だから今回使われた音楽でなくても、「♪あかきーばらひとーつぅー」や「♪あーいーそれはー」に置き換えても問題なく成立するプロローグです。
プロローグが終わって、フランス革命も終わりかけの修道院の場面。
ここで相手役のソフィア@トナミがシスターの役で、犯人を捜しに来て問い詰めている兵士に激しく反論しているようです。
このへんの話、原作には存在せず、しかもプログラムを読まない限りなんのことなのか把握できません。
でもまあいいか、外伝やし。
兵士が去った後、けがをしているようすのジェローデル@ミズさんが登場。ソフィアに抱かれつつ倒れます。
なんでジェローデルがけがを負っているのかは分かりません。まあいいか、外伝やし。
どうやら回想シーンになったようです。
回想シーンでいきなり、これまたベルばら名物のやかましい貴婦人集団のご登場。
フランスでは反国王派が革命に向け活動を始めたなどなど、順番に説明台詞(→植田芝居デフォルト設定)。
ここで新ワード「
ごまめの歯ぎしり」が出てきました。→
その意味(ヤフー辞書)04年花組の植爺芝居「天使の季節」において、「
上手(じょうず)の手から水が漏る」「
天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず」とハイレベルなことわざが連続で出てきたので、観劇後辞書で調べまくったのが、きのうのことのように思い出された瞬間でした。
ことわざをセリフに入れるのは別段かまいませんが、はたしてそれをフランスの貴婦人が日常的に使うのかどうか(←厳密には発言したのは貴婦人の父親ですが)、そうゆうことまでは考えへんのかなあ、植爺って(→考えてたら使わへんわな)。
その後ジャルジェパパが出てきて、オスカルが結婚すると発表します。
オスカル@キムはずいぶん女らしい…。
宝塚ベルばらは必ず「オスカルが妙に女性っぽい」んですが、どうもこのなよなよしたオスカル、なじめません…。
その後オスカルを結婚させるために仕組まれた舞踏会のシーンでは、貴婦人集団&マロングラッセ(ばあや)が「オスカルさまファンクラブ」というプラカードを持ってオスカルの結婚を阻止しようとします。この部分、原作では1コマだけのちっちゃい絵なんですけど、それを巨匠が気に入ったのかどうか知りませんが、音楽に乗せて何分も演ってるんです。「こういうコミカルな場面も入れてお客さんによろこんでもらおう」という意図なんでしょうね。私はハッキリ言って、時間のムダやと思いましたが…。
舞踏会終了後、カーテン前に出てきたのはフェルゼン様。
突然歌いながら出てくるフェルゼン。
何の前触れもなくいきなり登場するフェルゼン。今回のジェロ編の笑いのつぼは、やっぱしこのフェルゼン@ユミコとちゃいましたかね?
しかもユミコがものすごく上手に歌うから、よけいに浮いてておもしろくて。
だいたいなんでここでフェルゼンが出てくるのか、そのへんがよく分かりません。なんか、よう分からんことばっかりの芝居です。
まええか、外伝やし。
とりあえずフェルゼンはアントワネットと恋に落ちているそうです。というのを、彼が自分で語りました。このへんは原作を読んだことのない人には何が何だかさっぱり分からへんのちゃうかなあ。「宝塚を知らない人にもなじんでいただける」と巨匠が意気込んでつくったこの演目ですが、
宝塚は知らなくてもベルばらは知っておかねばならないという、ある種の矛盾がここで生じています…。
そして、フェルゼンの妹ソフィアが紹介されます。どうやらソフィアはジェローデルと話が合って、お互い大切な存在のようです(→あ、忘れてたけどさっきからジェロさん出てはります)。
ほどなく革命のシーン。会議場の平民をどかそうとする近衛兵のジェローデルですが、平民を守ろうとするオスカルに盾にされ、あきらめてしまいます。
しかも、オスカルとの恋まであきらめたと自分から言いました。ここで私情を挟む必要があるのでしょうか…。
バスティーユの踊りは新しくなっていました。おなじみドリフ全員集合みたいなせわしない音楽の中オスカルが「シトワイヤン、行こ〜〜う!」とステップを踏む、というなんべんも観てきたものではなく、最初ロベスピエールが先導をとり、その後市民が中心となって踊るというもの。ここは目新しくて好印象でした。
その革命シーンが終わり、カーテンが下りたらフェルゼン様。
突然歌いながら出てくるフェルゼン。
何の前触れもなくいきなり登場するフェルゼン。え、
さっき見たけどコレ?と、デジャヴ感を味わいつつ再び抜群の歌唱力を見せてくれるユミコフェルゼンが、場面転換の役割を果たします。
スウェーデンのフェルゼンの屋敷に、なぜかジェローデルが革命の報告と国王一家を救うためにやってきます。
しかも
マロングラッセがジェロ様のカバン持ち。「
おばあちゃん、何やってんだよ!」(by天国のアンドレ)
たしかばあやって、原作だとオスカルが昇天したとほぼ同じころに静かに息を引き取ったと記憶しているのですが…。
もういいや、外伝やし…。
そして長い長い回想シーンが終わり、元の修道院の場面に。
ソフィアはジェローデルを思ってフランスへ来たけど、ジェロはもう死んだと思って出家した由。
ジェローデルは革命のどさくさで皇帝になったナポレオンを暗殺しようとしたけど、失敗してけがを負ってここになだれ込んだ由。
ということを、
セリフによる説明のみで観客は知りました。やっぱしあの巨匠、演出力が衰退していると言わざるを得ません。
説明台詞の後、ジェロはソフィアに抱かれて、か細い声で一曲歌って息を引き取ります。
「主人公は死ぬ前に一曲歌う」、これも植田芝居デフォルトです。
写真やちゃんとした(^_^;)批評などはプレシャスが詳しいので、→
こちらをどうぞ。すみません、ベルばらってことでつい長々語ってしまいました(^_^;)。
でも今回はあんまりおもしろくなかったですね。
私の宝塚観劇史上最高爆笑作品、06年雪組本公演「ベルサイユのばら―オスカル編―」には遠く及びませんでした…。
→
参考画像(当時話題をさらったNEWキャラ「ペガ子」)
ショー「ミロワール」〜鏡のエンドレス・ドリームズ〜
ホンマ、この全ツはショーで救われました!
ベルばら1本だけやったらあまりにも不満が残ったままで終わったであろう今回の公演。
「♪ミローワールー、ミローワールー」の歌に乗せて手のひらを前に出して横に振る振付で、一気にさわやかな気分になりました。
プロローグの客席降りは本公演のときと変わらず、ミラーダンスはちょっとテンポがずれていたかなあ。
メデューサの場面、グラサンの水さん客席から出てきはりました。ライトが当たる前のシルエットが見えて、かっこよかったです!
「AQUAの地球(ほし)」の歌は本公演時同様、いつの間にか終わっていましたね(^_^;)。
「TIME TO LOVE」の群舞はやはり素敵でした。
すみません、ショーの感想がベルばらに比べてあまりに簡単すぎて…。
カーテンコールのご当地出身者紹介は真波そらさんでした。真波さんといえば、革命シーンでソロになって踊っていらした方ですね。ほどなく撃たれましたけれど(^_^;)。