花組本公演、東京も始まって2週間以上たったのに、まだ大劇場の感想書いてへんかった…。
ここで簡単に書いてしまいましょう。
芝居「愛と死のアラビア」〜高潔なアラブの戦士となったイギリス人〜
マトブはしっかりと、オサダさんの後継者たるにふさわしい歌唱力と求心力と持っているなと、あらためて感じました!
2月の中日劇場ですでにマトブのお披露目は経験済みなんですが(→
感想記事)、こうしてヒーローになった姿を見ると、ああ、トップにならはったんやなあってしみじみです。
「ヒーローとゆかいな仲間たち」みたいな構図は谷演出の特徴で、トゥスンやドナルドといった友人にも恵まれて、いいなあってうらやましく思えてきました。
が、最後は決闘で思いもよらず殺してしまい、捕えられて死刑になってしまうので、逆に友情って、案外はかないものなのって思えてもきました。だってあれだけ仲間がいるのに、誰も助けられへんって…。イブラヒム(トゥスンの兄さん)やったら太守に懇願してなんとかできるやろって思たし。
このへん、プレシャスの批評に詳しいので
こちらをご覧ください。
そのプレシャスの批評がけっこう的を射ています。
この作品は、中身は原作が史実だけに説得力があるが、結末にやや拍子抜けの感がある。その大きな原因は見せたいテーマと結果のズレだろう。ドラマの方向性としては、宗教も思想も違うトマスとアラブ世界が、人間と人間、個と個として向き合うなら、そこに友情も愛も生まれるのだという流れに観客を導きながら、いちばん肝心なトマスの危機に際して、友情も愛も無力で、宗教と思想の大きな壁に全員が敗れるという、その空しさに観客はどこか放り出された感覚になるのだ。
(中略)できれば史実とは違ってしまっても、友情と愛がトマスを生きのびさせる結末を用意してほしかったし、それならよりいっそう真飛聖のお披露目にふさわしかっただろう。
なんか05年の月組「JAZZYな妖精たち」にも通じるような観劇後の空しさを、私も後からだんだん感じました。その時は悲しく感じながら観ていても、よくよく考えたら「こんな終わり方アリ!?」みたいに思ってしまうんですよね。なんていうか、詰めが甘いんですかね…。
それはさておき、奴隷の彩音は今回もけなげに演じていたと思います。歌ヘタ、セリフワンパターンというご意見もいただきますが、どうか長い目で見守っていてやってくださいませ(←彩音を応援する会吹田支部より)(←勝手に支部作るな)。
あと娘役では、一花のわがままな王妃?役が似合っていましたね。一方で舞姫でヒロインのののすみが何演ったか覚えてませんが(^_^;)。
ショー「Red Hot Sea」
予想通りの黒塗りでしたね〜。ガイド役(みわっち)や周囲の子役たち(ののすみ他)が出てきて場面場面エスコートするのは同じ草野演出の「タカラヅカ絢爛」っぽいです。その後の総踊りも似てました。
南の海の黒塗りショーながら、途中の難破船の場面ではデュエットダンスがあってこのへんは気分転換になってよかったと思います。今まで原色、原色とちょっとくどかったからね…。
ロケットの後、若い男女の物語→青年息絶える→彼のレクイエムという、これまたどっかで見たことのあるような展開がありました。
そしてその青年の残した子どもがののすみのペドロで、最後は客席からやってきて舞台の船に乗って1日が終わり、という展開。このへんも過去の作品との共通項が…。
最後はデニムでパレードかー。これは今までになかったオリジナルちゃうかなあ。階段の下り方も変則的でしたし。
今回は、いかにも谷芝居、いかにも草野ショーと、ある意味オーソドックスな公演だったと思います(^_^;)。
posted by てんえい at 01:10
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