イタリア政府は29日、国債の入札を実施し、予定通りの資金を確保したものの信用不安の広がりを受けて3年ものの国債の利回りがユーロ導入以来、最も高くなるなど、予断を許さない状況が続いています。
イタリア政府は29日、3年ものや10年ものの国債の入札を実施し、日本円でおよそ7800億円と、ほぼ予定通りの資金を市場から調達しました。しかし、入札では信用不安の広がりを受けて3年ものの国債の利回りが7.89%と、ユーロ導入以来最も高くなるなど、利回りは極めて高い水準で、政府にとって今後の財政再建に向けた環境は厳しさを増しています。これを受けて債券市場では、イタリア政府が予定どおりの資金を調達できたことをひとまず前向きに受け止めてイタリア国債を買い戻す動きも出ていますが、10年ものの国債は、7.3%前後と引き続き、自力での財政再建が危ぶまれる7%を上回る水準で取り引きされています。市場関係者は「イタリアへの懸念は続いているうえフランス国債の格付け見通しが近く引き下げられるとの観測も出ており、ユーロ圏の信用不安の拡大への緊張感は収まっていない」と話しています。