東日本大震災で殉職した消防団員や消防職員の慰霊祭が東京で開かれ、退院後も療養していた天皇陛下が皇后さまと共に出席されました。天皇陛下が公務に臨まれたのは、今月4日以来のことです。
東日本大震災では、住民の避難誘導に当たるなどした消防団員や消防職員280人余りが、津波に流されて、死亡したり行方不明になったりしました。東京・港区で行われた慰霊祭には、遺族らおよそ700人が参列し、気管支炎のため20日間近く入院し、退院後も療養していた天皇陛下が皇后さまと共に出席されました。はじめに参列者全員で黙とうをささげたあと、両陛下が祭壇に花を手向けて深く頭を下げ、犠牲者の霊を慰められました。天皇陛下が公務に臨まれたのは今月4日以来のことで、宮内庁によりますと、哀悼の気持ちを表したいという天皇陛下の強い意向で出席が決まったということです。天皇陛下は、祭場を後にする際も、遺族らに向かって何度も頭を下げたり話しかけられたりしていました。また、慰霊祭を主催した消防の関係者にも、「皆さんお心を痛めているでしょうが、これからも安全のために頑張ってください」などと声をかけられたということです。天皇陛下は徐々に体力も回復し、お住まいの庭を散策されることもあるということですが、本格的な公務への復帰は体調を見ながらの判断になるということです。