看護師になってもずっと気持ちは変わらなかった。
患者さんの望みをきちんと知れること、そしてそれを叶えられる知識と技術を持つこと。どちらか一つでは看護は成立しない。
あのときにこのことを知っていればもっとこうすることができたのにと思うことばかりだったけど、それは絶対に次からに生かすと決めた。たぶん医療者はそうやって成長していくしかないんだと思う。
もちろん目の前の患者を蔑ろにするわけじゃなくて、そのときそのときのベストを尽くしながら、その経験を次に生かす。それを繰り返していくことがすべての患者のためになると信じている。
実際にその世界に入って働いてみて、外からだけでは見えないいい面も悪い面もたくさん見てきた。でもそれはあくまでこちら側からの視点で、それが患者にどう映るかを常に意識できていないといけないと思う。
正直、患者のためを思って働いていない医療者はほとんどいない。少なくとも私が現場で見てきた医療者、特に看護師は。
でも、どんなに患者のためと思ってやったことでも、患者がそう思わなければそうはならない。ここの食い違いが、私が昔感じていた不信感につながっていたんだと思う。
まあそんなことをなんやかんやと考えつつ働いてきた結果、自分がつぶれた。
本末転倒といえばそうだけど、そんなことも考えずにただただ業務をこなす医療者にだけはなりたくない。
自分がつぶれて、また苦しみを知ったからこそ、これから患者にできることもあると思う。
結局人は自分の経験の範囲でしか物事を考えられない。
だからこそ私は、自分の人生のすべてをもって患者に接していきたい。
おしまい
こういうことを書くと必ず、偽善だとかかわいそうアピールだとか厨二病だとか言ってくる奴がいます。
だから放送では今までほとんど語りませんでした。
そう思う奴は、勝手に思えばいい。でもそれを人に押し付けるな。
私の心の中なんて誰にもわからないからな。
Amebaおすすめキーワード