岩手県陸前高田市で暮らしながら東日本大震災の被災者支援を続けている札幌市の会社員、中田(源、はじめ)さん(31)が、地元住民らと一緒にがれきを使ったキーホルダー製作に取り組んでいる。仕事がない被災者にわずかでも収入を得てもらおうという狙いがあり、販売店を募集している。
素材にしているのは、がれきに混じるプラスチックや金属基盤。洗浄、裁断したうえで「RIKUTAKA」と印字した。「瓦Re:KEYHOLDER(ガレキーホルダー)」と名付けている。
洋品店店員だった中田さんは、震災で同僚の実家が被災したことなどから5月に初めて現地入りし、宮城県亘理町や岩手県大槌町で野菜などを配った。映像は何度も見ていたが「直接聞く体験や、現場の腐ったような臭いに衝撃を受けた」。本格的に支援をしようと、7月初旬にボランティア仲間3人で陸前高田市に家を借り、住み始めた。
キーホルダー製作は、ドイツのベルリンの壁が崩壊した際、壁の破片が土産品として売られていたのを思い出したのがきっかけという。当初、地元の人から「無理に震災を思い出させないでほしい」との声も出たが、現地で支援活動をするうちに思いが伝わり、今では自宅の工房などに約15人の被災者が集まっている。これまでに約4000個をイベントなどで販売。1個600円のうち、運賃や工具代、販売店の利益などを差し引いた100円が工賃として被災者に入る仕組みだ。
中田さんは「仮設住宅に昼間独りでいたくない、と交流の場所を求めて来る被災者もいる。がれきを身につけ、被災地を忘れないでいてほしい」と話す。販売の代行や購入の問い合わせは活動を支援するリフォーム会社「ハンドメイド」(011・375・7779)。【片平知宏】
毎日新聞 2011年11月28日 0時24分(最終更新 11月28日 0時28分)
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