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2011年11月28日13時23分

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橋下新市長、職員を一喝 「民意無視なら去ってもらう」

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写真:当選のあいさつ後、3時間以上に及ぶ会見をした橋下徹氏=27日夜、大阪市北区、水野義則撮影拡大当選のあいさつ後、3時間以上に及ぶ会見をした橋下徹氏=27日夜、大阪市北区、水野義則撮影

 「市役所の職員は選挙結果を重く受け止めるように」。大阪市長選で当選した橋下徹氏は27日夜の会見で開口一番、市職員との対決構図を鮮明にした。新市長はかつて、市の体質を「税金をむさぼるシロアリ」と表現した。職員らはどう受け止めているのか。

 橋下氏の当選確定後のあいさつは、市職員への「宣戦布告」で口火を切った。

 「『選挙で受かったくらいで何でも決められたら困るな』という市職員はたくさんいる。選挙で選ばれた者に対する配慮が欠けている」。橋下氏は激しく職員批判を続けた。

 ダブル選の意味づけを「市役所と真っ向から対立し、有権者が我々の主張を選んだ」と自ら認定。「この結論は非常に重い。職員の問題は徹底的に解明し、組織を変えていきたい」と民意を盾に市役所でも府庁と同様、政治主導を貫く姿勢を鮮明にした。

 さらに「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらう」と告げる一方、「民意に基づいて市政をしっかりやろうと考える職員とは必死にやる」とも述べ、職員に立場を鮮明にするよう迫った。

 一連の発言は、相手に先制攻撃をかけ、その後の交渉を有利に進めようとする得意の「橋下流」と言える。市職員に厳しい言葉を浴びせたのは、今後、都構想の具体化や市議会対策を進めていくうえで、市職員の協力が欠かせないと考えるからだ。

 一方、大阪維新の会が過半数の議席を持たない市議会に対しては、橋下氏も自ら「問題は議会。決定権がないので、議案を作っても議会としっかり話し合いをしないと」と一転、居丈高な姿勢を封印してみせた。

 新年度予算案などについても、「議会の合意が必要。他会派が市長選の結果についてどう考えるのか知りたい」と様子見の姿勢を示し、市議会解散請求についても、「今のところはまったく考えていない。いったんはノーサイド。今回の結果を受けて話し合いをする」と語った。

 一方、ある市幹部は「多くの有権者が本当に大阪都構想や教育基本条例案などの中身を理解して、投票したのだろうか」と、橋下氏の当選に割り切れなさを隠さなかった。「選挙で選ばれた人を支えるのが公務員の宿命だからしょうがない。民意を粛々と受け止める」と語った。

 都構想で橋下氏が「公選制にする」としている24区の区長。ある区長は「誰が市長であれ、区役所や区長の基本的な役割は安心で安全な街づくり。地域のコミュニティーを大事にしながら、街づくりを進めていきたい」と話した。

 「今は何も考えられない。橋下氏が府で進めた改革や、職員基本条例案などもう一度深く研究して対策を練りたい」。選挙戦で平松邦夫氏を支持した市職員の労組幹部はこう語った。橋下氏が職員や労組への批判を繰り返してきたことには「選挙戦術だったと思う。賢明な人なので今後は、こちらを敵とは見なさないのでは」と期待する。

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