北海道を代表する土産菓子として知られる「白い恋人」を製造販売する石屋製菓(札幌市)は28日、吉本興業(大阪市)などが「面白い恋人」の名前で売り出した菓子が商標権を侵害しているなどとして、商標法と不正競争防止法に基づき販売の差し止めを求める訴えを札幌地裁に起こした。
石屋製菓の島田俊平社長らが同日、札幌市で記者会見し、明らかにした。
訴えによると、吉本興業と発売元で系列会社のよしもとクリエイティブ・エージェンシー(大阪市)など計3社は、「白い恋人」と似た図柄のパッケージを使い、商品名も「面白い恋人」と似せて2010年7月に売り出し、商標権を侵害したなどと主張している。
「面白い恋人」は、関西の空港やJR主要駅などで販売されている。中身は「白い恋人」がクッキーでホワイトチョコレートを挟んだ菓子、「面白い恋人」はみたらし味のゴーフレットという。
「白い恋人」は1976年に製造販売を始めた。2010年度の売上高は約72億円で、石屋製菓の主力商品だ。島田社長や弁護士らは「『面白い恋人』は、『白い恋人』のブランド力にただ乗りし、不当な利益を追求しようとしている。商道徳、コンプライアンス(法令順守)の欠落は厳しく断罪されるべきだ」と指摘。損害賠償請求も検討しているという。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーの広報担当者は「突然の提訴なので驚いている。訴状を見て、適切に対応したい」とのコメントを出した。