大阪ダブル選挙:スキャンダル攻撃を吹き飛ばして橋下氏を圧勝させた影の立役者、それは官僚言いなりの反面教師・野田総理だった
新ベンチャー革命2011年11月28日 No.485
タイトル:大阪ダブル選挙:スキャンダル攻撃を吹き飛ばして橋下氏を圧勝させた影の立役者、それは官僚言いなりの反面教師・野田総理だった
1.大阪ダブル選挙にて、大阪選挙民は地域新党候補者に投票、既成政党支援の有力候補者は討ち死に
2011年11月27日、橋下徹氏率いる大阪維新の会が、大阪府知事・大阪市長ダブル選挙で圧勝しました。このニュースで思い出すのが、今年2月、名古屋で行われたトリプル選挙にて河村たかし氏率いる地域政党・減税日本が大勝した事実です(注1)。両者、極めて共通点が多いと思われます。
地方自治体の税金無駄使い、過剰な地方議員数、非効率な地方公務員の仕事ぶりに地域住民が怒りを込めて、行政改革を掲げる地域新党の候補者を圧勝させています。
ところが、今年の4月に行われた都知事選では3.11事件直後だったせいか、東京都民は萎縮しており、高齢の石原氏が無難に再選されています。東京では新党旋風は吹きませんでしたが、上記のように、東京に次ぐ大都市・大阪と名古屋にて地域新党旋風が巻き起こったのです。
今回、石原氏は大阪ダブル選挙にて既成政党候補者ではなく、地域新党候補者の橋下氏を応援していますので、石原氏も既成政党とは一線を画すスタンスを取っており、大阪入りする直前には、TPP反対意思表示をしています。要するに、石原氏も橋下氏同様に、既成政党に反旗を翻しています。
2.地方自治体首長候補者にとって既成政党からの応援は逆効果という珍現象が定着か
2011年ももうすぐ終わりですが、この年は3.11事件発生とともに、既成政党凋落の年になりそうです。
近年、地方自治体首長選挙では、無所属立候補の傾向が強まっていましたが、今後、既成政党に応援される候補者は当選できないというジンクスが定着しそうです。自民、民主問わず、この現象は既成政党にとって一大事です。この風潮は地方自治体首長選挙にとどまらず、国政レベルの衆院・参院選挙にも波及するような予感がします。次期国政選挙では、信頼できる地域新党あるいは全国規模の新党からの候補者が既成政党候補者を打ち負かす事例が頻発しそうです。なおこの傾向は米国にも観察できるネット時代ならではの新現象です。
3.既成政党不信は2000年代初頭から存在した
今から10年前の2001年4月、森内閣の総辞職を受けて、小泉氏が自民党総裁選に出馬しました。筆者はその選挙戦の最中、大阪に出張しており、大阪梅田駅前で、小泉氏の演説を立ち聴きした記憶があります。その演説にて、小泉氏は“私が自民党総裁になったら、自民党をぶっ壊す!”と絶叫し、大阪市民の大喝采を浴びていました。
要するに国民の既成政党不信は10年前から存在していたのです。小泉氏は自民党をぶっ壊すと逆説的に公約し、国民からの大支持を受けて見事、自民総裁に選ばれました。周知のようにその後、5年半も総理を務めました。当時の国民間にて自民不信が頂点に達していましたが、さりとて、民主に政権交代させるには心もとないという気分が支配的だったのですが、小泉氏はその国民心理を的確に読んで、その屈折した国民心理を逆手にとって、見事、総理の座を射止めたのです。
その後、小泉氏の異常なまでの対米隷属性がたたって、国民の自民不信は高まる一方でしたが、小泉氏引退後も自民政権はずるずる続いてしまいました。しかしながら、2009年8月、周知のように、国民の堪忍袋の緒が切れて、歴史的政権交代が起き遂に自民が下野する憂き目に遭い、代わって民主政権が誕生して今日に至っています。
4.かつての自民党に逆戻りした今の民主党
2009年9月の政権交代から1年未満の2010年6月、せっかく誕生したアンチ悪徳ペンタゴンの小沢・鳩山政権がわけなく崩壊し、その後、菅政権から野田政権に至っています。しかしながら、菅政権も野田政権も完全に、悪徳ペンタゴンに篭絡されるというだらしなさです。
そこで、今の国民感情としては、菅氏および野田氏率いる民主は国民をだまして政権交代した詐欺政党と認識されています、なぜなら、2009年の政権交代時の民主マニフェストはことごとく撤回されているからです。そして、悪徳ペンタゴン連中に絡め取られた現在の野田政権の一挙手一投足は、かつての自民政権、とりわけ、小泉隷米政権と瓜二つに陥ってしまったわけです。
なんだ、政権交代してわずか2年で元の木阿弥に戻ったではないかという感覚が、国民感情の底流に流れています。それは深い失望であると同時に、自民、民主という既成二大政党に対する言い知れぬ根深い不信感となってしまいました。
その延長線上にて、今回の大阪ダブル選挙が行われたのです。案の定、既成二大政党の自民、民主が超党的に支持した平松氏があっさり橋下氏に大負けしたのです。自民も民主もこの大負けを橋下氏の人気のせいにしたら状況を見誤るでしょう。
橋下氏の圧勝の原因は、同氏が大阪府や大阪市の公務員(国政レベルの悪徳ペンタゴン官僚と同様の地方レベルの既得権益者集団)と敵対している点です。つまり橋下氏は、国民目線から観て、悪徳ペンタゴン官僚の言いなりの野田総理とは真逆の国民寄りの政治家に見えるわけです。
5.大阪選挙民は地方官僚と敵対する橋下氏と日本政府官僚言いなりの野田総理を比べて投票行動を取った
橋下氏圧勝の要因、それは、橋下氏の場合、選挙前に週刊誌にて出自のスキャンダルがリークされて致命的なハンディを背負ったにもかかわらず、それでも、大阪選挙民には橋下氏が官僚言いなりの野田総理と対比して、キラッと光って見えた点にあります。要するに、官僚言いなりの野田総理のだらしなさを見せつけられ、野田総理の真逆である橋下氏に政治家の本来あるべき姿を観たのでしょう。橋下氏自身もそれを十分、計算に入れているでしょう。
橋下氏が大阪府知事時代から大阪選挙民に間で、支持率が非常に高かったのは、同氏が大阪府の官僚、府職員、府議会議員と鋭く敵対してきたからなのは間違いありません。大阪人は他県人と違って、おのれの払った税金でぬくぬくとしている人間をことのほか憎み嫌う習性が強いと思われます。
ところで国政レベルでは、民主党政治家も政権交代まで、税金の無駄をなくすため、日本政府の官僚と闘う決意をしていたはずですが、政権取ったら、瞬く間に官僚に丸め込まれています。
さて、大阪選挙民に信頼される橋下氏は大阪地方自治体の行政改革で大阪選挙民を引きつける点において、全国レベルの新党・みんなの党のアンチ官僚ポーズの政治家と一定程度、共通性を持っています。しかしながら、現段階では橋下氏の政治思想がみんなの党の米国型新自由主義思想と同じなのかどうか、まだよくわかりません。今後、橋下氏が大阪維新の会の代表として、どのような政治を行うのかを見守るしかありませんが、場合によっては、日本全国レベルで新党ブームに火をつける可能性もあります。そうなれば、自民、民主は既成二大政党としてガタガタになり、これまで既成二大政党を手玉に取ってきた悪徳ペンタゴン官僚やその黒幕・米国戦争屋も大慌てとなるでしょう。
今回の大阪ダブル選挙のサプライズ結果が自民、民主という既成二大政党の政治家に危機感と覚醒をもたらすことを切に願います。
注1:本ブログNo.285『名古屋河村革命:厄病神・悪徳ペンタゴン除霊運動に発展か』2011年2月7日
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