北朝鮮の国営メディアは、1998年とおととし発射した2つの長距離弾道ミサイルについて、人工衛星の打ち上げだったと改めて正当化したうえで「平和目的の宇宙開発の権利は誰も侵害することができない」として、今後もミサイル開発を進めていく姿勢を示しました。
これは、国営の朝鮮中央通信が28日発表した「宇宙開発は人類共同の財産」と題する白書の中で、明らかにしました。北朝鮮は、1998年に長距離弾道ミサイル「テポドン1号」を発射したのに続いて、おととしには「テポドン2号」の改良型とみられる長距離弾道ミサイルを発射し、いずれもミサイルの一部が日本の上空を越えて太平洋に落下しました。28日発表された白書は「わが国は、みずからが選択した宇宙開発目標に向かって前進してきた。2つの人工衛星の打ち上げは、わが国の宇宙進出の意志と科学技術の水準を見せつけた」と強調しました。そのうえで、友好国の中国が今月、宇宙ステーションの実験機と宇宙船による初めてのドッキングに成功したことなどを取り上げ、「宇宙の開発と利用は世界的なすう勢であり、平和目的の宇宙開発の権利は誰も侵害することができない」と主張しました。北朝鮮としては、過去に行った長距離弾道ミサイルの発射を改めて正当化するとともに、今後もミサイル開発を進めていく姿勢を示すことで、アメリカや日本などをけん制するねらいがあるとみられます。